授業レポート
2023/10/9 UP
点字ブロック探検隊!
視覚に障害のある人たちは、どうやってまちを歩いているのだろう?そんな疑問を解消すべく、私たちは3つのチームに分かれて、恵比寿駅周辺の点字ブロックを辿りました。各チームに与えられた「ミッション」を達成できるかどうか、また、そこに至る過程でどんなことを発見したかをみんなで共有すると、様々なことが見えてきました。
結論から言うと、全チーム、ミッション達成には困難、または不可能、という結果でした。
以下、各チームを担当したシブヤ大学ボランティアスタッフがレポートします。
ミッション①恵比寿JRから地下鉄に乗り換える
レポート:今井健登
社会は障害で溢れています。先を急ぐ人の流れがバリアフリーの障害になっている事は知られていません。異なる視点で街を歩いて、最低限のレールしか敷かれていない移動の不便がよくわかりました。点字ブロックが施工される段階でユーザーの不便が考慮されていないのかもしれません。障害を乗り越えるために、「青ですよ。」のさり気ない一言が、一歩を踏み出す安心の起点になる事を学びました。
ミッション②恵比寿駅でエスカレーターに乗る
レポート:芳賀邦子
目、耳、皮膚の感覚、手足を自分で動かせる私達が普段気にも留めずに生活している圏内にこんなにも多くの不便があるのだと、聴覚障害の方の目線に(ほんの少しだけ)沿って見てみたことで初めて気付くことができました。
普段は、駅構内から外に出るたった数段の階段を、何の気無しに上っていた私達ですが「点字ブロック」というものを通じて「恵比寿駅の人の多さ」「その人の多さが視覚障害の人にとっての(歩く上での)障壁や妨げになること」などを改めて実感し、道ひとつに対するモノの見方が変わった瞬間/見方を変えた瞬間だった印象的な場所だったように思います。
また、まち歩きのあと、「気になること、知りたいことがあっても、本やネットで調べても辿り着けない“解”がある。そんな時、こうして「人の経験」を通して情報や知識知恵、答えを得られるのはとても貴重で有難い。新しいことを教えてもらい情報共有することができた。自分で調べる手段を使っていたら知れなかった偶然の情報というものがある。こうした場があることは貴重だしとても有難い。」という話をしてくれた方もいました。
私達のグループからは、「初めましての方と話し、互いの考えや時に異なる価値観を知ることができたのはとっても良かった!」という感想が、全員から出ていました♪
ミッション③恵比寿のアトレでお茶休憩&トイレ
レポート:片山朱実
ミッション達成ならずの理由は、
①点字ブロックはアトレの入り口には繋がっておらず、何処から入れば良いのか分からない。
②店内に入っても一切点字ブロックが無い。
③エレベーター、エスカレーター、階段などの表示や音声ガイドが無い。
④フロアの点字案内(何処にどんなお店があるのかトイレや非常口は何処かなど)が無い。
そこで、インフォメーションの方に聞いてみました。視覚に障害のある人がひとりでカフェに行きたい場合、どういった対応をしているのでしょうか?
「その場合はインフォメーションの者か防災センターの者が行きたい店舗までご案内させて頂き、その後はお店の方に引き継ぎます」
お手洗いの場合は、例えば女性の方に男性の案内が付いた場合は中まで入れませんよね?その場合の対応はありますか?
「その場合は多目的トイレをご案内致します」
と言うお答えでした。
インフォメーションの方とのやり取りを川口さんに伝えてみたところ、まず、インフォメーションを見つけられないそうです。たとえインフォメーションの方に案内して貰っても、多目的トイレは広すぎて、視覚障害者にはかえって使いづらいそうで、白杖を何処に置いたか分からなくなったりするそうです。
川口さんによると、入り口が分からない問題は誰かに教えて貰うしか無いそうです。また、エレベーターは壁伝いに探してエレベーターのドアを見つけて手探りでボタンを探して押す、とのこと。何階にどんなお店が入っているのか分からない問題は、予め調べて行くしか無いそうです。トイレの入り口まで行けても、その後がどうなっているか分からない。人が並んでいるのかどうか、個室に入っても何が何処にあるのかも手探りで探すか教えて貰うしかない、一番分かりづらいのは流すためのスイッチだそうです。(これは見えてても分かりづらい事が多いですよね?)
授業のあと、点字ブロックや点字の表示などに注意して歩く様になりました。大きな商業施設ではエレベーターや段差の無い床や手摺りなど整備されている所が多いですが、視覚障害者にとってはバリアだらけです。施設そのものに立ち入る事すら拒否されている感じがします。トイレに行くと言う最低限の欲求すら満たす事も難しい状況です。
これはそもそも、建物を建てる状態から考えられていないと言う事だと思います。
この前、重度の身体障害者で初めて芥川賞を受賞した市川沙央さんの記事をたまたま目にしたのですが「日本の身体障害者は大人しくて声を上げないから、いない事にされている」と言う様な事を仰っていて、今回の点字ブロックの件などを鑑みるにそうなんだろうなぁと言う思いを一層強くしました。今回の様な授業や取り組みは、実際に障害を持った方とお会いしてお話しすることで、意識を変える事が出来る良いキッカケになると思いました。
(写真:今井健登・片山朱実)
結論から言うと、全チーム、ミッション達成には困難、または不可能、という結果でした。
以下、各チームを担当したシブヤ大学ボランティアスタッフがレポートします。
ミッション①恵比寿JRから地下鉄に乗り換える
レポート:今井健登
社会は障害で溢れています。先を急ぐ人の流れがバリアフリーの障害になっている事は知られていません。異なる視点で街を歩いて、最低限のレールしか敷かれていない移動の不便がよくわかりました。点字ブロックが施工される段階でユーザーの不便が考慮されていないのかもしれません。障害を乗り越えるために、「青ですよ。」のさり気ない一言が、一歩を踏み出す安心の起点になる事を学びました。
ミッション②恵比寿駅でエスカレーターに乗る
レポート:芳賀邦子
目、耳、皮膚の感覚、手足を自分で動かせる私達が普段気にも留めずに生活している圏内にこんなにも多くの不便があるのだと、聴覚障害の方の目線に(ほんの少しだけ)沿って見てみたことで初めて気付くことができました。
普段は、駅構内から外に出るたった数段の階段を、何の気無しに上っていた私達ですが「点字ブロック」というものを通じて「恵比寿駅の人の多さ」「その人の多さが視覚障害の人にとっての(歩く上での)障壁や妨げになること」などを改めて実感し、道ひとつに対するモノの見方が変わった瞬間/見方を変えた瞬間だった印象的な場所だったように思います。
また、まち歩きのあと、「気になること、知りたいことがあっても、本やネットで調べても辿り着けない“解”がある。そんな時、こうして「人の経験」を通して情報や知識知恵、答えを得られるのはとても貴重で有難い。新しいことを教えてもらい情報共有することができた。自分で調べる手段を使っていたら知れなかった偶然の情報というものがある。こうした場があることは貴重だしとても有難い。」という話をしてくれた方もいました。
私達のグループからは、「初めましての方と話し、互いの考えや時に異なる価値観を知ることができたのはとっても良かった!」という感想が、全員から出ていました♪
ミッション③恵比寿のアトレでお茶休憩&トイレ
レポート:片山朱実
ミッション達成ならずの理由は、
①点字ブロックはアトレの入り口には繋がっておらず、何処から入れば良いのか分からない。
②店内に入っても一切点字ブロックが無い。
③エレベーター、エスカレーター、階段などの表示や音声ガイドが無い。
④フロアの点字案内(何処にどんなお店があるのかトイレや非常口は何処かなど)が無い。
そこで、インフォメーションの方に聞いてみました。視覚に障害のある人がひとりでカフェに行きたい場合、どういった対応をしているのでしょうか?
「その場合はインフォメーションの者か防災センターの者が行きたい店舗までご案内させて頂き、その後はお店の方に引き継ぎます」
お手洗いの場合は、例えば女性の方に男性の案内が付いた場合は中まで入れませんよね?その場合の対応はありますか?
「その場合は多目的トイレをご案内致します」
と言うお答えでした。
インフォメーションの方とのやり取りを川口さんに伝えてみたところ、まず、インフォメーションを見つけられないそうです。たとえインフォメーションの方に案内して貰っても、多目的トイレは広すぎて、視覚障害者にはかえって使いづらいそうで、白杖を何処に置いたか分からなくなったりするそうです。
川口さんによると、入り口が分からない問題は誰かに教えて貰うしか無いそうです。また、エレベーターは壁伝いに探してエレベーターのドアを見つけて手探りでボタンを探して押す、とのこと。何階にどんなお店が入っているのか分からない問題は、予め調べて行くしか無いそうです。トイレの入り口まで行けても、その後がどうなっているか分からない。人が並んでいるのかどうか、個室に入っても何が何処にあるのかも手探りで探すか教えて貰うしかない、一番分かりづらいのは流すためのスイッチだそうです。(これは見えてても分かりづらい事が多いですよね?)
授業のあと、点字ブロックや点字の表示などに注意して歩く様になりました。大きな商業施設ではエレベーターや段差の無い床や手摺りなど整備されている所が多いですが、視覚障害者にとってはバリアだらけです。施設そのものに立ち入る事すら拒否されている感じがします。トイレに行くと言う最低限の欲求すら満たす事も難しい状況です。
これはそもそも、建物を建てる状態から考えられていないと言う事だと思います。
この前、重度の身体障害者で初めて芥川賞を受賞した市川沙央さんの記事をたまたま目にしたのですが「日本の身体障害者は大人しくて声を上げないから、いない事にされている」と言う様な事を仰っていて、今回の点字ブロックの件などを鑑みるにそうなんだろうなぁと言う思いを一層強くしました。今回の様な授業や取り組みは、実際に障害を持った方とお会いしてお話しすることで、意識を変える事が出来る良いキッカケになると思いました。
(写真:今井健登・片山朱実)