授業レポート
2023/2/1 UP
着物初心者のための「リサイクル着物」選び方入門
この数年、着物ブームが来ているようです。
観光地でのレンタル着物体験が増え、SNSでおしゃれカジュアルとして現代風に着こなしているのも見かけます。中古の着物ならお値段的に手を出しやすそうです。でも、自分で選ぶのは知識がなくて不安。
今回は、そんな着物への憧れと悩みにアドバイスしてもらえそうな授業です。
講師は和裁士の池崎美枝子先生。そしてコーディネーターの森井さん、ふたりとも和装です。
授業のはじめに、参加者それぞれが今日来た目的について一言ずつ話しました。
リサイクル着物のお店が気になる、サイズを知りたい、着付けを習い始めた・・・
着物に興味があるけどよくわからない、という方が多いようです。
次に、リサイクル着物についての森井さんからの問いかけに、参加者が「はい/いいえ」を挙手するクイズタイム。そもそも、リサイクル着物って何でしょう? 簡単な質問でも迷ってしまい、何も知らない自分に気づきます。クイズの答えは、池崎先生のお話に森井さんが確認を入れながら解説してくれました。
リサイクル着物は、時代的には戦後以降の着物です。知り合いや家族にゆずられた着物や専門店で購入する着物です。
今回はリサイクル着物店で着物を買う時に役立つ着やすい寸法の話だそう。
なお、戦前までのものはアンティーク着物なので、初心者には扱いが難しいのでおすすめしないそうです。
リサイクル着物を買うメリットは、値段が手頃で買いやすく、着物として出来上がっているのですぐ試着やコーディネートができること。目利きできるようになると掘り出し物が見つかる楽しみもあります。デメリットとしては、寸法が既に決まっていること。だからサイズを確認するのはとても大事。
また、リサイクル着物は汚れなどの確認も大切です。大きくクリーニング済みの着物としていない着物の2種に別れるそうです。クリーニング済みでも古いシミや汚れや色焼けしている場合もあり、クリーニングされていない着物はさらに汚れやカビやニオイがついている場合もあります。
お手入れには思いのほかお金がかかる場合もあるので、買う時に確認した方が良い場所は、
①汚れやすい襟元、袖、前身頃。
②脇や背中や膝裏等の汗染み。
③袖付けや背縫い等のほつれ。
④裾の裏側、胴裏の汚れ。
⑤白カビ・黒カビ
⑥ニオイ(樟脳や保存臭)等だそうです。
注意するところは、和装のふたりがを指し示しながらわかりやすく説明してくれました。
さて、本日のキーとなるイベント、採寸です。
黒板に書かれた着物の図をつかって、池崎先生が測る場所と名称を説明します。
身丈(みたけ)は、自分の身長と同じ位が着やすいそうです。肩身丈と背身丈があり、店によって計り方が違うので必ず確認が必要だそう。
裄丈(ゆきたけ)は、首の後ろの付け根中心部から肩を経由した手首辺りまでの長さを計ります。身幅(みはば)は、腰回りと太ももを2か所測ってみて大きい長さです。
そして隣の人とペアを組み、おたがいをメジャーで測ってみます。
「ここでいい?」「もっときつく締めるのかな?」と確認する声で教室がにぎわいます。
うまく測れずにいる参加者もいて、池崎先生がもう一度お手本で採寸してみせてくれました。
私たちのペアはどうやら裄丈の測り方を間違えていたようです・・・。
サイズ測るだけならすぐ済むだろうと思っていたら、意外に難しく、教わってよかったです。
授業の終盤は、お手入れなどの注意と、参加者からの質問タイム。
柄が季節に合っているか、振袖を何歳まで着ていいかなど不安がる声があったのですが、主賓のいない普段着物は着たいときに着ていいです、と池崎先生。着物警察は気にせずどんどん着ましょうと励ましてくれました。
着物のあつかいは難しいながらに、注意するポイントがわかって勇気づけられたような授業でした。
今度リサイクル着物のお店を見かけたら、気軽な気持ちでのぞいてみようかなと思います。
(授業レポート:武田 環)