シブヤ大学

授業レポート

2020/5/25 UP

ジャズピアニストとあそぼう!vol.1
〜みんなの想い×即興演奏=!?〜

「外出自粛が呼び掛けられているいま、おうちに居ながら楽しむ時間が欲しい!」という想いから生まれたオンライン授業「ジャズピアニストとあそぼう!~みんなの想い×即興演奏=⁉」。3回の連続授業として開催されました。 

先生は、ジャズピアニストで作曲家、編曲家としても活躍する谷川賢作さんです。 

第1回目の授業は賢作さんのピアノ演奏で幕を開けました。
曲は、父であり詩人の谷川俊太郎さんの詩に、賢作さんがメロディーをつけた一曲「かぼちゃ」。 演奏が始まると、どこか緊張感の感じられた生徒の皆さんの表情も緩んでいき、徐々にリラックスした雰囲気になっていきました。 

授業の前半は「音楽が生まれる瞬間を楽しむ show and tellの時間」。 
参加者の皆さんに「思い出の品」を用意していただき、それぞれのエピソードを語っていただきました。 
見た目も系統もバラバラ、それぞれの「思い出の品」が集まりました。

・「野球スコアブック」 10歳(1970年くらい〜)の頃付けていたもの
・「カンジキ」 初めての登山で履いたもの。自分で何回も直した
・「ラム酒」 ハバナクラブ キューバ
・「レスリングのヘッドギア&シューズ」 アメリカ留学の思い出
・「キティちゃんの茶碗」 2歳から20歳の現在まで使っている。両親のプレゼント
・「桃源郷の絵」 インドが好き。ヒマラヤの麓。自分のほしい宇宙
・「マイクックブック」 アメリカの本。40年前「5歳のお誕生日おめでとう」と両親からのメッセージ入り。
・「アイルランドのサッカー選手ロイ・キーンのグッズ」 引退試合のタオル。

一見「?」なものも、エピソードや持ち主の想いを聞くと、キラキラと愛らしく見えます。
そんな品々に賢作さんが即興で音楽をつけてくださいました。

「うんうん」と頷いて聞き入ったり、笑顔になったり、「そうきたか!」とちょっと驚いたり…。生徒の皆さんの楽しそうに変化する表情が印象的でした。 

後半では、谷川俊太郎さんの詩「生きる」の朗読に、賢作さんが様々なパターンで伴奏をつけてくださいました。 バラードからリズムを入れてジャズ調に、ピカソ風に、演歌バージョンまで。それぞれの演奏によって詩の意味合いも、その裏に感じるストーリーも全く違って聞こえるから不思議です。「様式や形式に囚われてほしくない」という賢作さんの言葉も胸に響きます。音楽が私たちの心や感情に与える影響やその力の大きさに改めて気づく時間になりました。

(授業レポート:小野多瑛)