授業レポート
2020/5/20 UP
余剰の時間は人生の豊かさをより「深化」させる。
ともに学び、生きる vol.1〜暮らしから見つける学びの本質〜
自分にとっての「学び」とは何か?
学ぶことが自分にとって、社会にとってどんな意味があるのか?
をみんなで話して、考える。3回のシリーズ授業として始まった第1回目がスタートしました。
先生は、一般社団法人IFAS共同代表の矢野拓洋さん、山本勇輝さん、富張和久さん、杉山旬さん、岡本陽子さん。
そして、実際フォルケホイスコーレに通われている学生さんたちにもデンマークからオンラインで参加していただきました。
フォルケホイスコーレは、1844年にデンマークで設立された国民学校で「School for Life(生のための学校)」とも呼ばれ、「すべての人に教育を」というコンセプトのもと、17.5歳以上なら誰でも入学が可能な学校です。
第1回目の授業のテーマは、「暮らしから見つける学びの本質」。
新型コロナの影響で自宅にいることが多い中、最近家でやっていることや、はじめたことは何かを話す時間から授業が始まりました。
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1.[グループワーク]参加者の皆さんの「学び」の紹介「今、みんなお家でなにしてる?」
皆が感染症という共通の環境にいる今、参加者が外出自粛中にはじめたこと、フォルケホイスコーレに通う学生が経験したこと、最近のシブヤ大学のオンライン授業などを共有することで、「暮らしの中にある学びの本質」を考えることが目的です。
グループワークで出た内容
〇シェアハウスに住んでいて屋上があるので、朝と晩を屋上で食べるようにしている
〇前やっていたクロスステッチを再開した
〇オンライン上で、みんなとご飯をするイベントに参加した
〇体を動かしたくなったので、ウォーキングを始めた
〇縄跳びを縄無しで始めてみた
〇週1日だけフリーランス
全体的には、「在宅勤務になったので体を動かすようにしている」「通勤時間がなくなったので睡眠時間をとることができるようになった」という内容が多かったです。
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2.[トーク]フォルケホイスコーレの考える「学び」
ここからは一般社団法人IFASの皆さんより、フォルケホイスコーレの実際の1日の流れについて説明がありました。
〇朝:朝礼からスタート 歌を歌う、あるいは学生が自分の国について話をする。
〇授業:先生・生徒が対等な立場でディスカッションすることが多い。
〇昼ご飯:食堂でみんなで食べる。メッセージタイムというアナウンスをすることがある。
例えば、サッカーをやるので、何時に来てくださいなど。
また、各テーブルで、リラックスしながら授業のことを話す。
〇昼休み:外でリラックスをしながら、本を読み、日光を浴びながら授業の話などをする。
〇午後:様々な授業から好きなものを選んで受講する。科目そのもののスキルだけでなく、
それを通して学べることを重要視するのがフォルケホイスコーレの特徴。
例えば、ダンスの授業では、体で表現をすることで、人前で話すときのボディランゲージを学ぶなど。
〇ハウスミーティング:学生は寮に住んでいるが、寮の中のルールは決められておらず、みんなで決めていく。
まさに、小さい社会をどうやって構築していくかを学ぶ。
日本人の学生の中には英語に苦手意識がある人もいるようで、なかなか苦労されているというのは意外でした。しかし、授業や、授業以外での時間に学生同士でダラダラしながら会話をすることが英語力の向上になっており、それもフォルケホイスコーレらしい学びだと思う、というお話も聞くことができました。
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3.[グループワーク]最近やってみたことから、なぜを始めたのか、それをやってみどうなったか?
フォルケホイスコーレの考える「学び」を聞いたあと、最初に紹介した最近やってみたこと・はじめたことを、「なぜはじめたのか」「それをやってみどうなったか?」グループでディスカッションをしました。
〇在宅勤務になったので、近くの飲食店でランチをするようにした。家の周りの気が付かなかった店を発見することができた。
〇外出自粛によりface to faceで話すことが非常に大切だと改めて気が付いた。外出しないことにより、偶然の楽しみ方が減ってしまった。
〇余白のある時間が増えたことにより、意識的にダラダラできる。これは意外と重要で、逆に生産性を高めることできるのでは?と模索し始めた。
〇料理を作ってお裾分けをすることにより、人から喜ばれる。その結果、自分の存在意義、証明を感じた。
〇作曲に挑戦し新しいスキルの可能性、拡大を感じられるようになった。
〇英会話を始めて、新しいgiveを与えることができてHappyを感じられる。
〇毎日同じコースを散歩するなど、同じことをすることで、心身の変化を感じられるようになった。
〇自粛により人恋しさもある一方で、人疲れもある。意識的にテーマをもって、zoomなどの集まりに参加するようになった。
〇オンラインが多くなったからこそ、感じるストレスをどう逃がすか?
普段改めて考えることもない理由や結果を自分の中で言語化することで、外出自粛によってできた持て余した時間に生まれた些細な行為にも「学び」が存在すると認識することができました。
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4.[トーク-IFAS×シブヤ大学-]フォルケホイスコーレの考える「学び」・シブヤ大学の考える「学び」
最後に、フォルケホイスコーレ、シブヤ大学それぞれが考える「学び」についてまとめがありました。
〇日本人の特徴かもしれないが、大人になればなるほど自分のやっていることに具体的な意義や評価を求めるようになってしまうと思う。ただ、自分のやっていることや趣味を深堀りすると、直接的な意味はないにしても、自分の生きる支えになったりする。生きる支えになっていることを自分で知っているというのが、フォルケホイスコーレで大切にされていることの1つなのではないだろうか?
〇フォルケホイスコーレ的には(デンマーク人の考え方かもしれないが)、生産性のない学びも大切にしている。働く時間が少ないので、趣味に興味を持つ時間が多い。フォルケホイスコーレでも、様々な趣味のグループを立ち上げ、それに参加して自分の自由な時間を過ごすことが人生の豊かさにつながるという考え方がある。
〇シブヤ大学は、ちょっと興味あったら気軽に行ってみることができるよう、授業は無料にしている。もっと学ぶことを簡単にできるようにしたい。自分が興味がなかったことでも、隣の席の誰かの話で視野が広がったり、人と関わることから生まれるものがある。自分はこれしかないと信じていたものでも、誰かと一緒に学ぶことで新しい自分に出会えたりする。誰かと一緒に学ぶことを大事にしているフォルケホイスコーレとも通じるところがあると思う。
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5.まとめ
今、新型コロナの影響で、外出自粛、在宅勤務が広がり余剰の時間が生まれています。
今まさに、生産性のある学びからない学びまで、これまでできなかったことをできる環境にあるのでは?
やってみて初めて分かること(自分に合う、合わない/好き、嫌いなど)、新しい自分に気付く時間でもあるのでは?
そういった時間こそ、新しい学びとの出会いや、自分の価値観が広がることにつながるのでは、と思います。
授業でも話に出ていましたが、新型コロナが終息し、日常生活に戻ったときに、余剰の時間をいかに確保するかが大切なのではないだろうかと考えるようになりました。
私は、シブヤ大学の授業初参加、初スタッフ、初オンライン授業となりましたが、参加者の皆さんの、積極的に自分の考えや思いを共有し、少しでも良いものを持ち帰りたいという気持ちがオンライン上で伝わってきました。
余剰は人生の豊かさをより「深化」させる。
残り2回の授業、一緒に学びませんか?
(授業レポート:小林義隆)
自分にとっての「学び」とは何か?
学ぶことが自分にとって、社会にとってどんな意味があるのか?
をみんなで話して、考える。3回のシリーズ授業として始まった第1回目がスタートしました。
先生は、一般社団法人IFAS共同代表の矢野拓洋さん、山本勇輝さん、富張和久さん、杉山旬さん、岡本陽子さん。
そして、実際フォルケホイスコーレに通われている学生さんたちにもデンマークからオンラインで参加していただきました。
フォルケホイスコーレは、1844年にデンマークで設立された国民学校で「School for Life(生のための学校)」とも呼ばれ、「すべての人に教育を」というコンセプトのもと、17.5歳以上なら誰でも入学が可能な学校です。
第1回目の授業のテーマは、「暮らしから見つける学びの本質」。
新型コロナの影響で自宅にいることが多い中、最近家でやっていることや、はじめたことは何かを話す時間から授業が始まりました。
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1.[グループワーク]参加者の皆さんの「学び」の紹介「今、みんなお家でなにしてる?」
皆が感染症という共通の環境にいる今、参加者が外出自粛中にはじめたこと、フォルケホイスコーレに通う学生が経験したこと、最近のシブヤ大学のオンライン授業などを共有することで、「暮らしの中にある学びの本質」を考えることが目的です。
グループワークで出た内容
〇シェアハウスに住んでいて屋上があるので、朝と晩を屋上で食べるようにしている
〇前やっていたクロスステッチを再開した
〇オンライン上で、みんなとご飯をするイベントに参加した
〇体を動かしたくなったので、ウォーキングを始めた
〇縄跳びを縄無しで始めてみた
〇週1日だけフリーランス
全体的には、「在宅勤務になったので体を動かすようにしている」「通勤時間がなくなったので睡眠時間をとることができるようになった」という内容が多かったです。
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2.[トーク]フォルケホイスコーレの考える「学び」
ここからは一般社団法人IFASの皆さんより、フォルケホイスコーレの実際の1日の流れについて説明がありました。
〇朝:朝礼からスタート 歌を歌う、あるいは学生が自分の国について話をする。
〇授業:先生・生徒が対等な立場でディスカッションすることが多い。
〇昼ご飯:食堂でみんなで食べる。メッセージタイムというアナウンスをすることがある。
例えば、サッカーをやるので、何時に来てくださいなど。
また、各テーブルで、リラックスしながら授業のことを話す。
〇昼休み:外でリラックスをしながら、本を読み、日光を浴びながら授業の話などをする。
〇午後:様々な授業から好きなものを選んで受講する。科目そのもののスキルだけでなく、
それを通して学べることを重要視するのがフォルケホイスコーレの特徴。
例えば、ダンスの授業では、体で表現をすることで、人前で話すときのボディランゲージを学ぶなど。
〇ハウスミーティング:学生は寮に住んでいるが、寮の中のルールは決められておらず、みんなで決めていく。
まさに、小さい社会をどうやって構築していくかを学ぶ。
日本人の学生の中には英語に苦手意識がある人もいるようで、なかなか苦労されているというのは意外でした。しかし、授業や、授業以外での時間に学生同士でダラダラしながら会話をすることが英語力の向上になっており、それもフォルケホイスコーレらしい学びだと思う、というお話も聞くことができました。
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3.[グループワーク]最近やってみたことから、なぜを始めたのか、それをやってみどうなったか?
フォルケホイスコーレの考える「学び」を聞いたあと、最初に紹介した最近やってみたこと・はじめたことを、「なぜはじめたのか」「それをやってみどうなったか?」グループでディスカッションをしました。
〇在宅勤務になったので、近くの飲食店でランチをするようにした。家の周りの気が付かなかった店を発見することができた。
〇外出自粛によりface to faceで話すことが非常に大切だと改めて気が付いた。外出しないことにより、偶然の楽しみ方が減ってしまった。
〇余白のある時間が増えたことにより、意識的にダラダラできる。これは意外と重要で、逆に生産性を高めることできるのでは?と模索し始めた。
〇料理を作ってお裾分けをすることにより、人から喜ばれる。その結果、自分の存在意義、証明を感じた。
〇作曲に挑戦し新しいスキルの可能性、拡大を感じられるようになった。
〇英会話を始めて、新しいgiveを与えることができてHappyを感じられる。
〇毎日同じコースを散歩するなど、同じことをすることで、心身の変化を感じられるようになった。
〇自粛により人恋しさもある一方で、人疲れもある。意識的にテーマをもって、zoomなどの集まりに参加するようになった。
〇オンラインが多くなったからこそ、感じるストレスをどう逃がすか?
普段改めて考えることもない理由や結果を自分の中で言語化することで、外出自粛によってできた持て余した時間に生まれた些細な行為にも「学び」が存在すると認識することができました。
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4.[トーク-IFAS×シブヤ大学-]フォルケホイスコーレの考える「学び」・シブヤ大学の考える「学び」
最後に、フォルケホイスコーレ、シブヤ大学それぞれが考える「学び」についてまとめがありました。
〇日本人の特徴かもしれないが、大人になればなるほど自分のやっていることに具体的な意義や評価を求めるようになってしまうと思う。ただ、自分のやっていることや趣味を深堀りすると、直接的な意味はないにしても、自分の生きる支えになったりする。生きる支えになっていることを自分で知っているというのが、フォルケホイスコーレで大切にされていることの1つなのではないだろうか?
〇フォルケホイスコーレ的には(デンマーク人の考え方かもしれないが)、生産性のない学びも大切にしている。働く時間が少ないので、趣味に興味を持つ時間が多い。フォルケホイスコーレでも、様々な趣味のグループを立ち上げ、それに参加して自分の自由な時間を過ごすことが人生の豊かさにつながるという考え方がある。
〇シブヤ大学は、ちょっと興味あったら気軽に行ってみることができるよう、授業は無料にしている。もっと学ぶことを簡単にできるようにしたい。自分が興味がなかったことでも、隣の席の誰かの話で視野が広がったり、人と関わることから生まれるものがある。自分はこれしかないと信じていたものでも、誰かと一緒に学ぶことで新しい自分に出会えたりする。誰かと一緒に学ぶことを大事にしているフォルケホイスコーレとも通じるところがあると思う。
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5.まとめ
今、新型コロナの影響で、外出自粛、在宅勤務が広がり余剰の時間が生まれています。
今まさに、生産性のある学びからない学びまで、これまでできなかったことをできる環境にあるのでは?
やってみて初めて分かること(自分に合う、合わない/好き、嫌いなど)、新しい自分に気付く時間でもあるのでは?
そういった時間こそ、新しい学びとの出会いや、自分の価値観が広がることにつながるのでは、と思います。
授業でも話に出ていましたが、新型コロナが終息し、日常生活に戻ったときに、余剰の時間をいかに確保するかが大切なのではないだろうかと考えるようになりました。
私は、シブヤ大学の授業初参加、初スタッフ、初オンライン授業となりましたが、参加者の皆さんの、積極的に自分の考えや思いを共有し、少しでも良いものを持ち帰りたいという気持ちがオンライン上で伝わってきました。
余剰は人生の豊かさをより「深化」させる。
残り2回の授業、一緒に学びませんか?
(授業レポート:小林義隆)