シブヤ大学

授業レポート

2019/10/23 UP

オープニングレクチャー:学びあいってなんだろう?〜対話型・参加型の学び方〜

シブヤ大学13周年授業の記念すべき最初の授業は、「対話型・参加型の学び方」の授業です。
原宿の丘で行われるさまざまな学び方の授業のオープニングレクチャーとして、
ファシリテーションの第一人者である中野民夫さんを先生に迎え、「学びあい」「対話型・参加型の学び方」について皆で考えます。

中野さんの柔らかなご挨拶から、授業が始まりました。
授業開始早々、目を惹くものがありました。それはKP法(K=紙芝居 P=プレゼンテーション)。

早速、キーワードが書かれた紙をホワイトボードに貼りながら、中野さんが授業を進めていきます。一般的なパワーポイントと違い、これまでのスライド(紙)が貼られたまま残っており、分かりやすかったです。体育館での大人数での授業でしたが、場の設計やイスの並べ方、そしてプレゼンの方法など、授業内容以外にも、学びあいが生まれる空間づくりのために工夫できることがたくさんあると分かりました。

以下、特に印象に残ったことです。
・学ぶことは自己変容であり、学びあうことは相互変容である
・自分の意見やこだわりが強すぎると人とのコミュニケーションは上手くいかず、学びあいも生まれない。「違う」「嫌い」と言って1つの意見に執着するのではなく、一旦相手の意見を受け入れる(想定の保留)ことが大事
・「好奇心、リラックス、笑い」によって自分の殻がゆるみ、安心感のあるCゾーン(Comfortable)から未知の世界へ飛び出すことができる。それにより、新しい自分に出会うことができる

後半はワークショップ形式で、学びあいを実際に体験していきます。

早速、見慣れない円形のダンボールが登場しました。その名は「えんたくん」。
4~5人1組となって円形のダンボールを膝の上に置くと、円卓のようになる優れものです。
グループで下記のお題について話し、気になったことはえんたくんにメモしていきます。

① どこの誰
② 今日来たご縁・思い
③ 自分が学んだ・学びあった体験
④ シブヤ大学(または自分の地域)で何をしたい?

全てのお題が完了したら、グループをシャッフル。前のグループの人たちがメモしたことを眺めつつ、また初めましての人たちで対話をしていきます。
たった数十分のワークショップでしたが、多くの人との対話を通し、1人で学ぶよりも明らかに多くの発見がありました。

最後に、ファシリテーションの基礎スキルを教えていただきました。
・場づくり(イスの並べ方・リラックスできる空間設計)
・少人数のグループサイズ(1グループ4~5人だと意見が言いやすい)
・問い(お題があることで、会話がしやすい)
・見える化(言葉だけだと何も残らないので、書いて残す)
・プログラムデザイン(起承転結の設計をする)

参加者それぞれの思いがあり、当然ながら、一人一人学びあった体験が異なります。しかし、その体験を共有することで、新たな学びや発見につながることが分かりました。

1時間という短い時間の授業でしたが、学ぶことの多い授業でした。

(授業レポート:中園拍扶紀/写真:金子健一郎・田部井麻名)