ネガティブケイパビリティを鍛えよう！
〜答えを急がないためのワークショップ〜

皆さんは、「ネガティブケイパビリティ」という言葉を聞いたことがありますか？

日本語では、
「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」
「急いで答えを出さず自分なりの答えが現れてくるのを待つ力」
「違和感を抱えたまま、とどまる力」などといった言葉で表現されます。

この「ネガティブケイパビリティ」と対極にあるのが、「ポジティブケイパビリティ」です。
「ポジティブケイパビリティ」は、
「できるだけ早く答えを出して、不確かさや不思議さ、懐疑の中から脱出する力」
「問題に対してすぐに答えを出し『わからない』を『わかる』に置き換えていく能力」​​などと定義されています。（参照：https://www.vogue.co.jp/beauty/article/free-from-anxious-onayami）


世の中に溢れる社会問題に対して、自分のキャリアや未来のことに対して、
常に自分の考えを持ちそれを表現できることは大切だと思う一方で、
「正直まだ分からない」「今は答えを出さずにもう少し考えたい」と思うことはありませんか？

安易に答えを出して分かった気にならず、じっと考え続けることもときには重要ですが、私たちの生きる社会には、どうしても「ポジティブケイパビリティ」が評価される場面が多いように思います。
学校のテストでは、できるだけ早く、多くの答えを解答することが求められ、企業の面接では、瞬時に自分の考えを述べる瞬発力が求められます。
X（旧Twitter）をはじめとするSNS上のコミュニケーションも、短い言葉で簡潔に、頻度高く投稿する仕様になっています。

今回は、「ポジティブケイパビリティ」に偏りがちな世の中で、答えを急がないための力を鍛えるべく、学者の矢島祐作さんとワークショップを企画しました。
当日は、「ポジティブケイパビリティ」に偏った社会の現状や問題点などを矢島さんにお話いただいたあとで、いくつかの問いをもとに「ネガティブケイパビリティ」を鍛える練習を皆さんと一緒にやっていきたいと思います。

この授業は、終わったときに何かが分かってすっきりするタイプの授業ではないかもしれません。
しかし、「すぐに答えを出さない勇気」を得られる機会になるといいなと思います。
一緒にモヤモヤしたい皆さん、参加をお待ちしています！！

（授業コーディネーター：大澤悠季）