銅金博士の研究室 植物共生のススメ 08 ~新しい、いけばな。~
土
13:30-15:00
- 千駄ヶ谷社会教育館
- 銅金 裕司 [メディア・アーティスト]、宍戸 純 [株式会社大田花き商品開発室 室長]
- 参加費
- 無料
- 定員
- 30名
- 参加対象
- 植物、いけばな、日本文化に興味がある方はどなたでも。
- 当日の持ち物
- 筆記用具をご持参ください。
- 申し込み方法
- 上記受付期間中、WEBフォームより抽選予約制で申し込みを受付いたします。
※抽選後にキャンセルが発生した場合は先着順で受付再開します。
※1回のお申し込みにつき、1名様のご入場となりますのでご了承ください。同じ方が同じ授業に2回申し込みは出来ません。 - 【入場】教室へは、授業開始時間までに必ずお入り下さい。授業開始後の入場は制限させていただきます。なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。【交通手段】当日、教室への交通手段は電車、バスなど公共機関をご利用下さい。近隣への配慮のため、車・バイク・自転車でのご来場はご遠慮願います。【撮影等】会場への撮影、録音機器のお持込は固くお断りさせて頂きますので、ご了承下さい。
今日、「華道」といえば江戸時代後期、文化文政の時代に流行した生花、挿花のことを指すことが多いですが、立花(たてはな・りっか)・抛入れ(なげいれ)花・盛花(もりばな)などの様式があります。とはいえ、「挿した花を観賞する」ということはもっと古くから行われてきました。
自然から採取した植物を人間の知性のもとに再構成する行為。呼称では、『いけばな』というのが一般的でしょう。自然の草花や樹木を素材として、それを器とともに組み立てる伝統的なアートであり、室町時代から江戸時代に大成されました。
植物は動物と異なり、切り落としても適切に処置すれば生命力を再生することができます。そう、「切り取られた自然」。こんな自然の力に私たちの祖先は生命の神秘を見たのです。それは常緑樹の信仰にも通じます。そして人間の手の及ばない神秘の力を人の造形行為に接続すること。大きな瓶に大ぶりの花を挿す。これが『いけばな』の主体たる思想です。
また、平安期の花合(はなあわせ)や前栽合(せんざいあわせ)などの遊びの影響も考えられます。前々回、私の授業でご紹介したガーデンシアター。生きたさまざまな草木を植え込んだガーデンシアターは、いけばなの源流の精神のひとつと言えます。こうした「美」の対象としての花と神の依代(よりしろ)として神聖視された花や仏前に供えられた花が習合して、『いけばな』の源流が形作られていきました。
そこで今回のシブヤ大学では、上述のような自然の力を呼び戻す自然への感性、ガーデンシアターにも連動するアートの力と可能性を、新しい花への関わりを通じて考えてみたいと思います。すなわち、新しい『いけばな』の創出です。
規定のいけばなでは物足りない皆さんへ。自らの手で考え、形づくるいけばなを創り出してみましょう。
銅金裕司博士より
【宿題】
以下の古文の意味を、自分なりに解釈してみましょう。
「北の隔てなる御障子には、荒海の絵、生きたるものどものおそろしげなる、手長足長をぞかきたる。上の御局の戸おしあけたれば、つねに目に見ゆるを、にくみなどして笑ふ。勾欄のもとに青き瓶の大きなるすえて、桜のいみじうおもしろき枝の五尺ばかりなるを、いと多くさしたれば、勾欄の外までこぼれ咲きたる、昼つ方、大納言殿、桜の直衣のすこしなよらかなるに、濃き紫の固紋指貫、白き御衣ども、うへに濃き綾のいとあざやかなるを出だしてまいり給へるに、うへのこなたにおはしませば、戸口の前なるほそき板敷にい給ひて、ものなど奏し給ふ。」
枕草子 清涼殿の丑寅の隅の段より
【注意事項】
授業当日までに、上記の「宿題」を各自考えてお越し下さい。
自然から採取した植物を人間の知性のもとに再構成する行為。呼称では、『いけばな』というのが一般的でしょう。自然の草花や樹木を素材として、それを器とともに組み立てる伝統的なアートであり、室町時代から江戸時代に大成されました。
植物は動物と異なり、切り落としても適切に処置すれば生命力を再生することができます。そう、「切り取られた自然」。こんな自然の力に私たちの祖先は生命の神秘を見たのです。それは常緑樹の信仰にも通じます。そして人間の手の及ばない神秘の力を人の造形行為に接続すること。大きな瓶に大ぶりの花を挿す。これが『いけばな』の主体たる思想です。
また、平安期の花合(はなあわせ)や前栽合(せんざいあわせ)などの遊びの影響も考えられます。前々回、私の授業でご紹介したガーデンシアター。生きたさまざまな草木を植え込んだガーデンシアターは、いけばなの源流の精神のひとつと言えます。こうした「美」の対象としての花と神の依代(よりしろ)として神聖視された花や仏前に供えられた花が習合して、『いけばな』の源流が形作られていきました。
そこで今回のシブヤ大学では、上述のような自然の力を呼び戻す自然への感性、ガーデンシアターにも連動するアートの力と可能性を、新しい花への関わりを通じて考えてみたいと思います。すなわち、新しい『いけばな』の創出です。
規定のいけばなでは物足りない皆さんへ。自らの手で考え、形づくるいけばなを創り出してみましょう。
銅金裕司博士より
【宿題】
以下の古文の意味を、自分なりに解釈してみましょう。
「北の隔てなる御障子には、荒海の絵、生きたるものどものおそろしげなる、手長足長をぞかきたる。上の御局の戸おしあけたれば、つねに目に見ゆるを、にくみなどして笑ふ。勾欄のもとに青き瓶の大きなるすえて、桜のいみじうおもしろき枝の五尺ばかりなるを、いと多くさしたれば、勾欄の外までこぼれ咲きたる、昼つ方、大納言殿、桜の直衣のすこしなよらかなるに、濃き紫の固紋指貫、白き御衣ども、うへに濃き綾のいとあざやかなるを出だしてまいり給へるに、うへのこなたにおはしませば、戸口の前なるほそき板敷にい給ひて、ものなど奏し給ふ。」
枕草子 清涼殿の丑寅の隅の段より
【注意事項】
授業当日までに、上記の「宿題」を各自考えてお越し下さい。
先生
[ メディア・アーティスト ]
銅金 裕司
メディア・アーティスト。海洋学を修めた後、園芸に転向し千葉大学大学院修了、工学修士(海洋学)、学術博士(園芸学)。その後、学術的な新しい試みに挑戦しつつ、メディアアートで美術館、ギャラリーなどで作品展示、ワークショップ多数。神戸在住。
http://wiki.livedoor.jp/dogane/d/Profile
[ 株式会社大田花き商品開発室 室長 ]
宍戸 純
1972年福島県生まれ。35歳。
1996年3月 明治学院大学文学部英文学科卒。
【主な活動】
日本フローラルマーケティング協会理事
(社)日本花き卸売市場協会青年部所属
国際香りと文化の会会員
花育ワンコインクラブ事務局担当 ほか
ゆりかごから墓場まで、植物の生涯を見つめ、その個性に合わせたライフプランを植物自身に提案します。シシド植物職業安定所。就職先は人の世界か自然の中か、それを考えます。
教室
千駄ヶ谷社会教育館
JR総武線千駄ヶ谷駅よりほど近く、渋谷区民のための学習や情報交換の場として活用されている教育会館。
社会教育館は、渋谷区民の方々が自主的な社会教育活動を行うために建設された。社会教育活動のお手伝いをするため、社会教育に関する情報や資料を提供したり、グループ活動の相談などに応じている。学習室(大・中・小)、和室、茶室、料理室、託児室、談話コーナー兼展示室、図書・資料室、印刷・サークル室、体育室兼音楽室 などがある。
<バリアフリーに関して>
バリアフリー設計となっております。安心してご来場ください。
施設案内ページ
- 所在地
渋谷区千駄ヶ谷1-6-5
電話: 03-3497-0631
最寄り駅:JR総武線千駄ヶ谷駅徒歩7分、地下鉄大江戸線国立競技場駅徒歩5分
授業内容や出欠、遅刻等についてのお問い合わせ、ご連絡はシブヤ大学事務局までお願いします。