【しぶやをつくるゼミ|レポート】最終発表会を実施しました。
2021年9月にスタートした「しぶやをつくるゼミ」の最終発表会を実施しました。「渋谷を訪れる人や渋谷に暮らしている人が、このまちを世界一だと思ってもらうこと」を目標に活動している一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントの皆さんの想いを起点に立ち上がった本ゼミは、応募の中から約15名のゼミ生が選ばれ、3つのグループに分かれて活動しました。
「しぶやをつくるゼミ」全6回のうち、2回目以降は、活動そのものを自分たちで考え、決めていく(デザインしていく)設計となっています。事務局から提供する情報は、必要最低限に留めてグループで話し合う時間を十分に取る構成としました。
また、全体での活動日以外にもグループごとで自発的なミーティングやフィールドワークが行われました。グループメンバーが渋谷で気になっている場所に行ってみたり、詳しい人がまち歩きの案内役をやったり、現場でアイデアを出し合ったり、事例を調べて持ち寄ったり、渋谷で活動している団体にヒアリングを行ったりと、それぞれのグループによって活動内容は多岐にわたります。
最終発表では、半年間の活動を踏まえて3つのグループから、渋谷のまちで実現したいアイデアやその理由、そして具体的なイメージが発表され、全体で意見交換を行いました。
以下、簡単なイベントレポートをお楽しみください。
オンラインで行われた最終発表には、ゼミ生に加えて、エリアマネジメント関係者、デザイナーやシブヤ大学スタッフ、その他まちづくりに関わる方々などが参加しました。
さまざまな立場の方が参加しているからこそ、意見交換時には、個人の視点、グループごとの視点、またエリアマネジメント的な視点など、それぞれの視点の違いを感じられた時間となりました。
それぞれのグループから発表された「渋谷にこんなものがあったらいいな」という提案をかいつまんでご紹介します!
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チーム「Enjoooooy!!!!」
タイトル:プラットフォーム『タノシブ』
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「"個人の""楽しさ""を大切にしたい、それぞれの夢や楽しさを応援できる場所を渋谷につくれないだろうか」という思いから提案されたのは、つながることで各個人のやりたいを叶えるプラットフォーム『タノシブ』です。 実際に『タノシブ』を使って、「渋谷で焚き火をしたい!」「渋谷でマイナースポーツをやりたい!」という思いを持つメンバーが参加するとどうなるのか、具体的なストーリーと共に紹介されました。
ひとりひとりのやりたいことと、楽しいという思いを起点とし、応援したい人や一緒にやりたい人を巻き込んでいくプラットフォーム。ポストに投函という手段を設けているのも、インターネットを使っていない人も利用できるようにするため。そしてたまたま渋谷に来ていた人も、その場で、思い付きで関われる可能性をつくりたい、と細部まで関わる人への配慮を欠かさない提案でした。
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チーム「とっぷらヤーシブ」 タイトル:もっと渋谷のぷらっとにワクワクとドキドキを!~ Shibuya "Lover" 増殖計画 ~
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最終発表の冒頭、「こちらを読み取ってダウンロードしてください」という案内から出てきたのは、LINEアカウント『シブのハチ』。
公式LINEアカウントを制作して手元で実際に触ってもらいながら理解を深めてもらう、体験型の提案でした。
背景として、一つはハチ公広場前は人が込み合っている印象が強く、待ち合わせ場所として適していないのではないか、もっと渋谷のおもしろさを伝えることはできないだろうか、という疑問から。そしてもう一つは「モヤイ像はルパンに盗まれた」「渋谷川にカバがいたことがある」など、渋谷にまつわる知識・雑学を教えてくれた人がいたことで、渋谷を歩くのがすごく楽しくなった!というメンバーの経験から生まれた提案です。 LINE『シブのハチ』メインメニューには、GoogleMapと連動した道案内や、渋谷をより安全に楽しんでもらえるコンテンツが配置されています。専用ウェブサイトを用い各場所で提示されたクイズに答えると、知識を得ることはもちろん、クーポンやモビリティなどに交換できる『しぶやポイント』が貯められます。ポイントを使ってもらうことで、まちの活性化へも繋げていく狙いです。 いつもなら通り過ぎてしまう場所、見過ごしてきた景色の中に面白さを発見し、渋谷を愛してもらいたいという思いから生まれたこのLINEアカウント、ついつい渋谷を歩きたくなってしまいそうです。
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チーム「トガリ」
タイトル:広場の天井×地図×喜怒哀楽
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広場に集まっている人がみんな上を向いていたら非日常だと思う、そして上を向いた先に人々の感情が投影されていたら普段の渋谷も違って見えるかもしれない。 そんな発想から生まれた提案は、渋谷駅東口地下広場の天井に、抽象的な渋谷の地図と人々の感情が投影されているインスタレーションです。
東口地下広場の天井に抽象的な地図を投影し、設置された端末から"想い"と"場所"を入力すると、実際に地図に"想い"が反映される仕組み。広場の天井×地図×喜怒哀楽という掛け合わせが生まれた背景には、哲学的な要素が多く含まれます。
広場は「迷った際に自分の位置を物理的に確認するため、一旦行ってみようとする場所」であることから、地図と広場が結びついています。また、一般的な地図は目的地に行くために活用するものですが、今回提案する地図は自分の位置(マインド)も確認できる「心のコンパス的存在」。
渋谷という街の中に自分がいるという発想を抽象的にアート化する今回の提案では、これまで活用されていなかった天井を利用し、人が「上を向く」という動作をつくることで非日常空間を生み出すという提案が行われました。
「上を向く」という非日常的な行動を人々が渋谷のど真ん中で行うとどうなるんだろう、そして人々の感情を知ることで自分の行動も自然と変わる気がする、と夢は膨らみます。
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各グループからの個性的な発表は、それぞれのメンバーが「こんなものが渋谷にあったらいいな」というわくわく感や切実な思いから生まれたものばかり。実際にこの中の企画が実現したらどうなるんだろう・・・!と発表を聞いている私たちもわくわくしてくるものばかりでした。
今回の提案の中から、実際に渋谷のまちで実現していくものがあるのでしょうか!?
「しぶやをつくるゼミ」の活動は今後も続いていきますので、お楽しみに!