【レポート】Shibuya University International Days -Spring 2023-を実施しました!
2023年4月3日〜5日の3日間に渡り、一般社団法人IFASとデンマーク発祥の教育機関「フォルケホイスコーレ」の教員と協働し、デンマークの学生と日本人参加者が渋谷を舞台としたフィールドワークやワークショップを通して、相互の文化や暮らしを学びあうプログラムを実施しました。こちらのキャンパスニュースでは、3日間の様子をかいつまんでお伝えします。
【DAY1】
①フィールドワーク in 下北沢
②"暮らす場"と"まち"の関係性を考えるワークショップ〜下北沢×コペンハーゲン〜 in SHIMOKITA COLLEGE
【DAY2】
①フィールドワーク in 渋谷
②"はたらく場"と"まち"の関係性を考えるワークショップ〜渋谷×コペンハーゲン〜 in co-ba ebisu
【DAY3】
デンマークの学生と"SHIBUYAらしさ"を語ろう in 原宿の丘
【DAY1】
①フィールドワーク in 下北沢
下北沢のまちに詳しい嶽山渉さん、髙橋渚紗さんをゲストに迎え、まちを散策。
駅前の再開発途中のエリアを出発し、古着屋さんが並ぶエリア、小劇場が集まるエリア、最後は再開発により誕生した新しい商店街「ボーナストラック」までを歩きました。
地震や火事に備えた道幅の規定など、狭い道が多い下北沢にある規制についても教えていただき、学生が多い下北沢のまちの若者の暮らしや、そこから生まれた文化についても話が広がっていました。
DAY1の夜は、高校生から社会人までがともに暮らすレジデンシャルカレッジ「SHIMOKITA COLLEGE」を舞台に、デンマークの若者、カレッジ住民の皆さん、シブヤ大学の参加者の皆さんでワークショップを行いました。
前半:
デンマークの学生側から「デンマークのワークライフバランス」「フォルケホイスコーレとは?」についてのプレゼンテーション。
続いてSHIMOKITA COLLEGEを運営するHLABの真庭伸悟さんから、SHIMOKITA COLLEGEでコミュニティが生まれる仕掛けや、下北沢のまちへの想いをお聞きしました。
後半:
今日のテーマ「"暮らす場"と"まち"の関係性を考える」をもとに、イメージマップを使ったワークショップを行いました。
イメージマップ とは、自分の頭の中に浮かぶまちの地図のこと。コペンハーゲンと下北沢、2つのまちの地図を思い思いに書いたあと、グループで自分のマップをシェアします。
・何を描いたか?何から描いたか?
・なぜそれを描いたのか?
・その場所で何をするのか?いつ行くのか?
同じまちでも人によって描くものが違うことから、それぞれの人のまちとの関わりが浮かび上がってきます。また、コペンハーゲンと下北沢という2つの都市を比較することで、交通手段やよく立ち寄る場所、職場との距離感など、違いが見えてきました。
↓参加者の西川真由さん(シモキタカレッジ在住)が、その場でワークショップの内容を記録してくださいました!
【DAY2】
①フィールドワーク in 渋谷
渋谷に20年以上暮らす安西仁美さんのコーディネートで、ローカルな渋谷ツアーを実施しました。
再開発が進む駅前からスタートし、ビルの屋上の養蜂を見学。その後は二世帯で暮らす個人宅へ。
近所のおばあちゃん4人の恒例の集まり「トランプ会」にお邪魔させてもらい、高齢者の視点から見た渋谷の暮らしについてもお話を伺いました。都市部で二世帯で暮らす家庭はデンマークでは珍しいそうで、質問が飛び交っていました。
そのあとは手作りのランチを食べて、安西さんが関わっているNPO法人アーバンファーマーズクラブのシェア農園へ。都会の中でも野菜を育てることで自然環境を確保し、採れた野菜はフードバンクや子ども食堂にも提供しているそうです。デンマーク人からすると、まちに開いた場所で野菜を育てて誰も盗まないのが不思議...!だそうです。
DAY2の夜は、「働き方解放区」をコンセプトに様々な働き方を応援するコワーキングスペース「co-ba ebisu」を舞台に、デンマークの若者、co-ba ebisuの会員の皆さん、シブヤ大学の参加者の皆さんでワークショップを行いました。
前半:
co-ba ebisuのコミュニティマネージャーpicoさんから、コンセプトに込めた想いや、働く場所で人同士をつなげる仕掛けについてお聞きしました。
後半:
今日のテーマ「"はたらく場"と"まち"の関係性を考える」をもとに、自分自身のとある一日の暮らし方、働き方を時間軸で1日のグラフとして表現します。24時間をどのように過ごすのか、仕事に費やす時間だけではなく、その前後の時間の過ごし方なども含めてワーク&ライフスタイルをシェアしました。
次に、一日の流れをイメージマップに落として改めてシェア。時間軸で表現していたものを空間での表現に落とし込むと、移動に使う時間、家と職場以外のサードプレイス(よく立ち寄るカフェ、ランチを食べるお店、お惣菜を買うスーパー、好きな道や公園など)が浮かび上がりました。
【DAY3】
2日間で下北沢と渋谷を見てきたデンマークの若者たちが、2つのまちの共通点や違いをどのように捉えたのか?
彼らがまちで過ごす中で撮った写真をもとに、フォトランゲージを使ったワークショップを行いました。フォトランゲージとは、写真を見ながら、そこに写る要素をもとに人の暮らしを推測したり、その土地の特徴を探したりして議論するワークショップの手法です。
この日のテーマは、東京という大きな都市に埋もれた「下北らしさ」「渋谷らしさ」を見つけること。
まずは、彼らが撮った写真を見ずに、何を撮ったのか?なぜ撮ったのか?コペンハーゲンとの違いは?など、言葉による説明だけでどっちのまち「らしさ」を感じるか、話しあいます。
次に、今度は写真を見て、どんな部分に「らしさ」を感じるか、議論していきます。
最後に、下北らしさ、渋谷らしさにどんな共通点や違いを見つけたか、模造紙にグルーピングしてグループごとに発表しました。
デンマークと日本での暮らす場や働く場を見つめなおし、それぞれの視点や価値観の違いが浮かびあがった3日間。
個人の生活や価値観について考えてみることから始まり、最終的には都市のあり方や文化の違いにまで話が発展していきました。
シブヤ大学としても、都市(東京・渋谷)の学び合いの場の意義や役割を問い直す機会となったと同時に、国を超えて互いに通じ合う部分を確かめる機会にもなりました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
企画コーディネート:矢野拓洋[一般社団法人IFAS共同代表]、大澤悠季[シブヤ大学学長]
運営:寺田茉莉子、小島知佳、安西仁美、兵藤まり、鈴木陽、 臼倉裕紀、鈴木まい、深澤まどか
写真:鈴木夏奈
レポート:大澤悠季
編集:深澤まどか