シブヤ大学
コラム

(後半)【co-ba×シブヤ大学】"公開振り返り会〜渋谷で場づくりをしてきた僕らが、オンラインで挑戦してみた!〜"を開催しました。


新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、オンラインの場づくりをスタートさせた「co-ba」と「シブヤ大学」。先日、その試行錯誤の数か月を共有&深掘りすべく、co-baとシブヤ大学共催で「公開振り返り会」を開催しました。

これまでリアルな場づくりをしてきたからこそ互いに共感し合う部分も多く、オンラインでの実践から企画設計のプロセスや工夫、新たな発見、更には今だからこそ語れる裏話など...予定時間をたっぷりオーバーしてしまったほど、次々とトークが展開されました!

(前半はこちら

後半:クロストーク編

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グミ:後半は、クロストークとしてテーマをピックアップしながらお話していきたいと思います。


― リアルで活動をしてきた両者。だからこそオンラインでこだわったことは?

グミ:さっきお互いの話を聞いていて、ラジオのような新しいネットワークを取り入れたという共通点がありましたが、お互いに聞きたいことはありますか?

深澤:じゃあ私からいきますね。リアル派の目線から、今回オンラインでこだわったことはありますか?

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おぎー:オーディエンスとの双方向のやり取りが大事だなと思いました。これはオンライン限らずイベント設計の話かもしれないが、参加者と登壇者の垣根がない方がいいなと思い、関係性が上とか下ではなく、お互いにコミュニケーションを取り合ってお互いに場を盛り上げていくことに可能性を感じましたね。

グミ:工夫した点はある?先ほどシブ大さんも一緒に文化をつくるといっていたが、何か意識したことは?

おぎー:まずはco-baサイドが模範市民となってやってみることが肝かなと。

グミ:自分たちでやってみてその場の敷居を下げるっていうことだよね。

深澤:リアルな場のときは来ている人の雰囲気、顔つきといったように言語化できない部分を汲み取ってその場でアレンジしていた面があったなと。オンラインだと設計したものに参加者がついてきてもらうようになってしまうので、なるべく前後に参加者とコミュニケーションする場を設けてみました。例えば事前アンケートの実施、終了後にグループを作って参加者同士の意見交換の場を設けるなど...当日だけではカバーしきれない気づかいを意識的に行っていたかなと思います。

グミ:そういった点を丁寧にやることでリピーターに繋がるんですかね?

大澤:その点はあまり想像できていなかったんですが、リピーターの方が積極的に「シブ大の授業はこんな感じだよ」と引っ張ってくれていたのかなと。スタッフの仕事が次第に減っていくような流れがあり、もしかしたらリアルな場だと見逃すようなことだったかもしれないです。

グミ:オフラインよりも圧倒的に参加できる人数が多くなることで、一緒に場を盛り上げる人が増えて、その分互いにケアすることに繋がるのかもしれないですね。

深澤:でもずっと「これでいいのかな」と思いながらやっています(笑)

グミ:co-baも"実験"って言いながらやっていますね。

大澤:シブ大もそれは言いがちです(笑)まずはやってみた!みたいな。

グミ:つくったものに乗っかるのではなく、(参加者と)一緒につくっていくのがいいのかなあと。常に"違うチャレンジができるプラットフォーム"でありたい。大澤さんのこだわりポイントはありますか?

大澤:今回コロナ禍で「オンラインイベントの作り方」といったような記事をネットでよく見かけて、そこでよく言われていたのが、"リアルなイベントと同じような場づくりをしちゃだめだ"ということでした。自分がリアル派だからこそ、リアルな場で生じないはずのデメリットを埋める工夫が大切なのかなと思いました。例えば、発言に対してなるべくたくさん頷くことや、「○○さんこんにちは!」というような一人一人に対する受付など、これまでリアルで行っていたこともオンラインで行うようにしていました。その点co-baさんの活動もリアル/オンラインを完全に分けていなさそうで似ていますよね。

グミ:そうですね。そこは結構意識していたかもしれないです。オンラインにはある程度ルールが必要なのかなと思って、私たちは「ハッピールール」というものをつくってみましたね。

おぎー:ランチ会をした後に話し合いをしたんですけど...まずはチャットが来たらあいさつをする、途中から来た人でもわかるようにスライドに話している内容を残しておくといったような工夫をしました。

グミ:役割分担をしっかりしたかな。チャット担当を決めて常に内容更新をしながら参加者が同じ目線で話せるようにしました。

大澤:それは大事ですね。シブ大でも"途中から来た人をどう受け入れるか問題"はありました(笑)

グミ:チームプレーは大切ですよね。

大澤:今日一番言いたいのは裏でのメッセンジャーグループです(笑)

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グミ:フォローする人の存在は大切ですよね。企画者は全体を見なきゃいけないので...。

 

― "プロセスもさらけ出す"、"失敗も含めて実験だ!"

おぎー:シブ大さんが先ほど言っていたガッツリ参加型のzoomと視聴型のように、そもそもなぜ形態を二つに分けたんですか?

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深澤:シブ大の中でコロナ以前に、「気軽に参加できる場が欲しいよね」という話があったんです。授業のような気合を入れた形ではなく、気軽に参加できる機会づくりが欲しくて。それがコロナを機にやってみよう!ってなりました。

グミ:いいきっかけになりましたよね。

大澤:ラジオに関しては、「今ならこれも授業になるなあ」と思って...授業っていう程でもないようなことも、じゃあラジオだったら良いんじゃない?!ってなりました。

深澤:これまでは完成したものをやらなくてはという感覚がありました。今日もですが、やっていくプロセスをさらけ出すというか、失敗も含め全てがコンテンツになっていくのかなあと思います。

グミ:本当にそうですよね。皆悩んでるからこそですよね。じゃあ次に私から質問を。オンラインとオフラインの場づくりの違いは?何か気付きはありましたか?

大澤:一つはやはり、先ほどの授業の構成を考えるという点で、リアルだと何となく行っていたことをオンラインだとすごくきちんと決めていました。一つ一つの目的、位置づけが明確になるように考えていました。そういったことに気づいたとき、「あれ?これってリアルでもやるべきでは?」と思って(笑)オンライン授業にヒントをもらって、今後リアルに戻っても生かしたいことが見つかったような...。

グミ:すごくわかります。私たちも目的設定をしています。一時期は一つの企画にさまざまな目的が混ざってしまっていたんですけど、オンラインになった途端、一つの場に目的が多いとつらいかもしれないと。

大澤:シーズン分けにも目的があったんですか?その時の社会情勢を踏まえて意図を持って行っているのがすごいなあと思いました。

おぎー:それは完全に、今回まとめていてそうなりました。流れに身を任せていました(笑)

深澤:その時その時のベストを行っていたら社会情勢に合っていたんですね。

グミ:結果論ではあるが、一個一個に向き合っていたのかなと。

おぎー:大切にしていたのは"やりっぱなしはやめよう"ということです。

グミ:私たちは最初から"失敗も含めて実験だ"と言っていた。振り返りは赤裸々に行いましたね。

 

― オンラインとオフライン、それぞれで大切なことを考えたい。

グミ:次に、co-baの場合のオンラインとオフラインの場づくりの違いについておぎーどうでしょう?

おぎー:オフラインのイベントってよく"生モノ"と表されるようにそこに来て体験できることがありそれが良さではあると思うんですが、オンラインだと逆に冷凍保存可能で、後世に残せる。先ほど言っていたように、目的を明確にすることがオンラインのコツだと思っていて、だからこそアーカイブに残しても比較的聞きやすいんだと思います。

グミ:オンラインは可能性が広い。前の段階での準備、その後の展開といったように関係者がどんどん増えていくような。そして回答の楽しみ方が各々で出来ていくのではないかと。

大澤:そこはシブ大が出来ていない点なんです(笑)"アーカイブどうしよう問題"があって。

グミ:アーカイブとして残し始めたのは、ラジオ企画からです。個を深堀りすることが元々の目的で、皆さんのチャレンジを色々な人に届けたいと思ったことがきっかけでアーカイブに繋がったんです。

おぎー:そうですね...。狙ったわけではないですね(笑)

大澤:狙っていないことが共通点ですね。シブ大でも、学生以外の人にどう届けるかを考えたいと思っています。

深澤:難しいですよね。参加者への特別感も出したいが、広くも届けたい。

グミ:参加者、会員、生徒というように色々なレイヤーが出てきそうだなと思って。今後はオンラインのコミュニティ会員もありうるのかなあと。

深澤:耳だけ参加の需要があったという話で、前よりも関わり方のレイヤーが解像度高く見えてきた気がしていて。来ていなくても参加したい人は確実にいるので、そういった人に対してどう届けていくのかは考えたいところです。

大澤:あとは授業にもよるが、時にクローズドな雰囲気も大切にしたいなと思いますね。初対面だから話せることもあるので...。視聴型と参加型のミックスを行った際に参加者の方から「見られていると思うと難しいです」といった声もあったので、今後は本当に大事にしたい部分を考えていきたいです。

グミ:それは確かにありますね...!

 

― co-baとシブヤ大学、今後について。

深澤:co-baさんの今後チャレンジしてみたいことについて聞きたいです。

おぎー:そうですね、オンラインとオフラインのミックスもありえるのかなと思いました。

グミ:そうだよね。融合はチャレンジしたいな。オフラインしか知らなかった私たちからしたら、二つの融合でさらに可能性が広がることを感じました。コミュニティには答えはないから、今後探求していくことでco-baならではのオリジナルの体験、企画、その過程を届けていけるのかなあと。

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おぎー:もう一個あります!以前、全国のco-baの会員さんと話をする機会があって、東京にいても分からない地域の課題が雑談の時に分かって、エリア関係なく繋がれる可能性を感じました。

グミ:ツクルバの二拠点と他のフランチャイズ経営の場だとローカルとアーバンのリテラシーの問題や、若干コミュニティのゴールが違う面があって。物理的な距離を越えてオンラインというフラットな場で繋ぐことで、今後できることがたくさんあるなと。ローカルパワーも含めて全国をひと繋ぎにした場づくりの意義を感じました。

グミ:大澤さんは今後についてはどうですか?

大澤:うーん、やっぱりco-baさんと近いなあと。シブ大のリニューアル時に、いい意味で「シブヤ」に囚われすぎないようにしたいと思っていて。シブヤに根差してローカルさは大事にしつつ、シブヤに来られる人だけでなく、場が開かれていることを大切にしたいですね。オンラインがこれだけ身近になったからこそ、場所・年齢・立場のゴチャ混ぜ感がプラスになる。そしてオンライン後にまた活かしていける。一回シブ大の全国の姉妹校同士、オンラインで繋いでみたんですけど、共通のテーマで話してみたことで視野が広がるきっかけになると感じました。

グミ:シブヤ大学のマインドならエリア関係なく参加できることが面白いですよね。

深澤:仙台や小笠原諸島から参加してくださる方もいて...数年後にそういった参加者に会いに行く企画とかも面白そうだなと。

グミ:それ面白そう!ハロコバプロジェクトの時も「リアルな場があるのが私たちの強みだよね」ってなりまして。コロナ収束後にオンラインで繋がったあの人に会いたい!と思ってもらえるような場づくりがしたいなと思って。個人の深堀り企画を行った際にもリアルであった際に「やっと会えましたね!」って知らずのうちに仲良くなっていたりする。オンラインならではのメル友に会えた感覚というか...(笑)

深澤:メル友(笑)

グミ:一方的に知っていたから打ち解けられたかのような。リアルな場があるからオンラインの良さが生きるのかなあと。だからツアーも全然あり得ますよね。

 

― まとめ。

グミ:お、チャットが来ていますね。偶然性について。「オフライン特有の偶然性がないのでアイスブレイクなどで辛いです」とのことです。

深澤:今、私たちもできているかというとそうではなくて、逆に今後チャレンジしていきたいことですね。面倒と思われることも大切にしたいなあと。設計や企画、目的意識ももちろん大切ですが、実は無駄だと思われることも大切なのではないかと思って。そういうところもつくりたいと思うけど、つくりたいと思った時点で無駄じゃなくなっちゃうのかなとか...ジレンマがあります(笑)

大澤:意識しない余白の時間をつくろうとしたらただの放送事故になったことあります(笑)

グミ:余白の設計はリアルでも考えているけど...。オンラインだとどうなるのかな。

大澤:シブ大の授業で、(授業が終わった後に)撤収作業まで参加者がやってくださるあのいい意味でダラダラとした感じが好きで。オンラインってブチっと切れて終わりだから、授業後のふとした時間の設計が難しいと感じました。チャットでも「帰り道が一緒の感じ」と来ていますがそういう感じですね。

グミ:確かにオンラインでそういうのはないですよね。

大澤:オフ会も開催してみて、その場で雑談や私的な話、先生と授業に関して気になることについての話も出来たが、やはりそういったおまけの場は授業とは別でつくるしかないのかなと思って。

グミ:私たちも近い経験でいうと、交流会もやってみたら二次会のほうが盛り上がったことがある(笑)

おぎー:うんそうだね。軽い方がよかったのかも。あとは、片付けといったように、完成しないものを一緒につくっていく感覚をいかに生み出していくのか。それは実験しがいがあるなあと思います。

グミ:そうだね。運営者というような関係性は良くないのかもね。企画の組み立て方はオフライン以上に組み立てる必要があるけど、目的が近い人同志が集まっていれば問題ないのかも...?

大澤:前提の共有だけしっかりして、後は信頼して任せるのがいい気がします。

グミ:前提の共有は大切ですよね。こういうテンションですよ~みたいな。ビジュアルもそういった点で大切かな。


深澤:いやあ、どこまででも話せますね...(笑)

グミ:もはやビールが飲みたいです(笑)

深澤:なかなかこういう裏話を共有する場ってないので楽しいですよね。

グミ:うんうん。たくさんの方がこういった感じでどんどんやっていってほしいですね。

大澤:今話していることはメソッドではなく、裏で実は心掛けていることやこだわっていることなので、そういうことこそ知りたいことなのではないかと思います...楽しいですね。まだまだいけます(笑)

グミ:是非、公開振り返り会vol.2も企画お願いします。永遠に話せるので一旦締めますね(笑)それでは最後にそれぞれ伝えたいことを。

大澤:ありがとうございました。自分がひたすらに楽しんだ回でした(笑)今後オンラインを完全になくすことはなくて、リアルな場でしかできないこと、オンラインだから可能性の広がることを整理して幅広くやってみたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

おぎー:ありがとうございました。ハロコバの時のように何かを始めるときは緊張していたんですが、今回シブ大さんと共有してみて、考えることや悩めるポイントが似ているなあと思って、心の支えになりました。今後もパワーアップしていきたいです。

深澤:ありがとうございました。まずは、こういった公開振り返り会を定期的にやりたいなあと(笑)失敗、不安、無駄といったようなネガティブな部分を受け入れながらやることが大切で、先の見えない世の中で、まずは自分が楽しむマインドが大切だと思いました。

グミ:ずっとしたいと思っていたシブ大さんとコラボできてよかったです。ありがとうございます!コミュニティマネージャーをやっていて、オンラインだからできること、新しい探求の種が見つかった気がします。今回のシブ大さんとの公開振り返り会のように掛け合わせてみることで見えてくることがあったので、今聴いてくださっている方の中でも、今後一緒に何か実験していけることがあればいいなと思います。今日はありがとうございました!

大澤、深澤、おぎー:ありがとうございました!

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