授業レポート

2017/12/6 UP

もしも!に備える認知症

ここ数年で「認知症」という言葉を聞く機会が増えたように思います。
ご高齢の方の話題になると「うちは認知症じゃないから大丈夫」または「さすがにちょっとボケてきちゃって」と続き、最後は「(認知症になったら)大変ね」と締めくくられる、そんな流れを耳にすることがあります。

社会の高齢化が進み、長く生きられるようになった一方、認知症を発症される方の数も多くなりました。
平成25年の厚生省による発表では、65歳以上の予備軍まで含めると4人に1人が発症する可能性があるそうです。

もしも、自分が、ご両親、ご家族が認知症になったらーー……。
考えてみたことはありますか?

さっきご飯を食べたか忘れてしまったなど生活の面はもちろん、その方が持っている預金口座や財産はどうなってしまうのか。
認知症は発症された方だけではなく、ご家族全員に関わってくる問題です。
今回の授業では後者の問題に焦点をあて、「 家族信託 」を取り扱っている相続診断士の 本間 弘一 先生に講義していただきました。


今回の講義には、ご家族がなった場合に備えている方とご自身がなった場合を考えて受講された方の、2つの立場にわかれていました。
みなさんとても真剣に先生のお話に耳を傾けています。
そんな中、本間先生は場を和らげるように時折冗談を挟みつつ、講義を進めていきます。



認知症の概要説明から入り、なぜ「相続診断士」である本間先生が「家族信託」を勧めるのかの説明へ。

講義を受講された方々にも知らない方がいらっしゃいましたが、認知症になり、本人の意思判断ができなくなった場合、「預金・不動産」の解約や売却ができなくなります。これでは相続税対策も難しい。

「そうなる前に、対策しませんか?」

本間先生の講義はここが本題でした。


認知症になった方には法定後見人制度が適用され、司法書士などの専門家が選任されることが多いのですが、ご家族の意志とは関係なく、必要なときに引き出しが出来なくなる場合もあるそうです。

その点、家族信託にすれば任されたご家族が通帳や不動産の管理ができるようになります。
事前に信託しておく事で、相続後、遺産分割協議がまとまらないで処分出来なくなってしまう空き家問題の解決にも活用できる事を知りました。

平成18年に信託法が改正され、家族信託における「信託口口座」の開設ができるようになったものの、まだ対応できる銀行は少ないそうです。、
通帳の作り方や不動産登記については、提出書類の作成の仕方やどこに提出すればいいのかなどやはり難しいので、本間先生などプロの方にお願いすると良いと思います。

家族信託ありきではなく、今まで後見人制度しかなかった財産管理に選択肢が増えた事と、
それぞれの事情に合わせて、任意後見制度、遺言書などと包括的に対策をする事が大切と本間先生は仰っていました。

家族関係や財産等、ご家族によってそれぞれの事情があることもあり、
受講された方々も、質問の時間にみなさんの前で聞くよりは、こそっと先生に相談されている方が多かった気がします。
先生と話したことで、安心したように胸をなでおろされた方もいました。

家族信託についての知識を得られたことはもちろん、家族で話し合うきっかけになるような授業でした。


(レポート&写真:近藤まゆ)