シブヤ大学

授業レポート

2012/11/20 UP

都々逸とは?

あきらめました どうあきらめた
あきらめきれぬと あきらめた

都々逸は江戸末期に流行した七・七・七・五という音律によりうたわれた定型詩です。元来は三味線とともにうたわれた俗曲で、もとは寄席や座敷などで演じられていた出し物でした。また男女の恋愛を題材とした情歌であったともされています。


歌川広重が描いた宿場町

東海道五十三次の宿場町、熱田宿において流行した『名古屋節』の合いの手が「どどいつどどいつ」と歌われたところから取り入れられたとされています。当時、熱田宿は東海道でも最大の宿場町で、旅籠屋248軒、家屋2,924軒、人口は10 ,340数えました。
七・七・七・五と音律が比較的簡単だった都々逸が誰もが歌える唄として、江戸庶民に受け入れられ、大衆娯楽として広まったとされています。

この授業ではまずご参加頂いたみなさまが先生の唄を聞いてみて、それから実際に歌を読み上げて頂くということをプログラムの中に取り入れました。

私個人の都々逸を歌ってみた感想は、はじめて聞いた、という新鮮な感覚と声に出してみた、という体験がより深く都々逸を知りたいという刺激を与えてくれるというものでした。都々逸が明治時代に西洋化される以前の流行り歌であるにもかかわらず意味がよくわかり、古文が不得意であった私のような者でも意味が伝わってきました。私としては、古来から日本に伝わる五・七の音韻が体験できる貴重な場となりました。

(ボランティアスタッフ:片桐 聡)