授業レポート
2010/3/3 UP
消防団員と街歩き ~自分達で街を守る~
●受付から、さすが消防団の授業
まずは授業の受付時に、生徒さんの名前、緊急連絡先を書いていただきました。
なぜ?
もし記入していただいた生徒さんに何かがあったら連絡してくれるそうです。
何人か自分の携帯番号書いちゃった人がいて(笑)、修正していただき全員OK!
そして、授業が始まりました。本日は、(楽しい)街歩きの授業です。
少し寒かったけど風もなく、晴天に恵まれました。
●さっそく、ルートの説明
授業コーディネータの松井さんから、「まず、あっちの方へ ~」。
生徒皆さん、???「あっちって、どっち?」(笑)
再び、松井さん「あの前に見える、一番高いビルの方へ向かっていきます」
「そっか、あっちなんだ...」。全員が納得!(松井さん、いいですね)
●先生の紹介と授業内容
本日の先生は、渋谷消防団 11分団 分団長 福住さん、副分団長 奈良さんです。
紺色の消防コートの背中には、「METRO POLITAN 消防団 TOKYO」が。
授業は...
1.キャットストリートから路地裏へ入り住宅街を歩きながらの消防団の目で視察
2.渋谷消防署へ訪問して署員の仕事、消防車、救急車等を見学
●はじめの一歩
福住さんから最初に教えていただいたこと、それは...
・消防水利とは ...消防活動を行う際の水利施設のこと
簡単に言うと ⇒ 火災時の消火活動に役立つ防火用水として利用
・消火栓とは ...消火活動に必要な水を供給する為の設備
⇒ 地下に専用の水道管が通っています
そして、歩いている時に「消火栓」の看板が何処にあるかを見つける
(えっ、今まで意識して歩いたこと無いぞって思った生徒さん多いのでは?)
●それでは、消防団と街歩き
キャットストリートから路地裏に入る前に「消火栓」の看板を発見!
よく見ると丸い看板の下に矢印が付いていて、そこに「3m」と書いてあります。
「矢印の方向の3m先に、消火栓があるということ」福住さんからの説明です。
路地裏の住宅街の道、とても狭いです。車が1台しか通れない。
約500mの間に消火栓が1つしかありませんでした。(へーー、びっくり!)
ということは、消化栓から離れたところで火災がったら、ホースをそこまで継ぎ足して
いくのです。ホースの長さは20m。火事場まで遠いと長ーーいホースになりますね。
途中、穏田神社で消化水利を発見しました。神社、お寺にはよくあるそうです。
理由は、大切な文化財保護のためだとか。消化水利の水は無くなると補充し、
使わなくても定期的に入れ替えるとのこと。
再びキャットストリートに戻り、神宮前交差点に向かう途中、ビル横に「送水口」発見!
これは、火災が発生したビルの階まで水を送るための器具です。(そうだったんだ)
そして歩くこと10分。途中、宮沢元首相の家の横を通り、水無橋を渡り到着。
●いざ、授業の本丸(渋谷消防署)にて、
いろいろなことを教えていただきました
紺色の消防服の背中には、「東京消防庁 TOKYO FIRE DEPT」。
早速、出動の練習を見せていただきました。アナウンス「~で火災の発生」が流れ。
1.隊員が車に消防車、救急車に乗り出動
2.到着後、点呼「1、2、3 ...」。
このあと、2グループに別れて車輛の説明を受けました。
救急隊の方から、最初は救急車について。(本日は既に1台、出動中)
救急車の中に入ると病院(治療室?)の匂いがしました。
ベットはストレッチャーのもの。医療器具も揃っていて、緊急対応が可能です。
救急車の音、「ピーポーピーポー」は緑の押しボタンで、赤信号の交差点に入る時の音は
フットペダルにて鳴らします。(へーーっ、そうだったんだ!)
次に2台あるポンプ車の説明です。1台目は、タンク付き車輛(7名搭乗)。
2トンの水を入れて1~2分の放水が可能。こちらは先発で出動し最前線で消火します。
2台目はポンプのみの車輛(4~5名搭乗)。その代わり破壊器具がたくさん装備。
ハシゴ車に乗りたい人、防災の日に代々木公園に来ればチャンスがあるかもです。
続いて、防火服の説明です。役割によって色が違い、
黒色(上級用、重さ5kg)、肌色(新人~中堅用、重さ20kg:ボンベ付き)、
オレンジ色(レスキュー用でハシゴ隊が使用)の3種類があります。
消防士の勤務時間は、24時間10分。やっぱ大変です、仮眠はありますが。
ちなみに10分間とは、「申し送り」と言って引継ぎ時間だそうです。
最近、消防署は「すべり棒」を使いません。出動の時、2階から降りる棒。
ここで質問です! 何故でしょうか?
お答えします!
出動する時にケガをする場合があるそうで、原因は次の通り。
・仮眠後の出動で寝ぼけて落ちる ⇒ ケガ!
・声を掛けないで降りる隊員がいるので下にいる人に追突する ⇒ ケガ!
そろそろ時間となりまして、
ここで授業の記念写真を撮りました。防火服を試着した方が写っています。
授業時間がだいぶ過ぎてしまいましたが、これから「渋谷消防団十一分団本部」へ。
渋谷消防署から15分ぐらい歩いて到着。途中、生徒の皆さん同士で話しながらの移動。
これが生徒間のコミュニケーションに役立つのです。街歩き授業の楽しいところ。
●こっちが本丸? ... 渋谷消防団十一分団本部へ到着!
福住さんが、本部の1階のシャッターを開けて中の説明が始まりました。
ホース、ヘルメット、防火コート。本日はポンプ車が出動中のためありません。残念!
白と赤の50ccバイクが1台あって、これは分団長の福住さんが現場へ行くために使います。
投光器という防災備蓄用照明がありました。この器具は、夜間の火事では必須です。
●2階へ移動して、質疑応答、開始!
始めに松井さんから福住さんへ質問です。(松井さん、ファシリテーターも兼任ですね)
■「消防団」とは? ...福住さん教えてください
・ボランティア活動として実施しています。
皆、本職があり自営業の方がほとんど。自営業なのですぐ集合できる。
地元のことを理解していることが、とても重要です。救助に役立つため。
・団員の報酬は、多くて10万円。(年間3万円 +火事の出動回数により)
・渋谷消防団十一分団は連合町会単位で450名(団員440名 、団長10名)
・毎月1回の点検があり
・コミュニケーションが大切
お酒を呑む時に...
仲間同士で情報を持ってくる ⇒ それを情報共有する
・心構え
深酒はしない ⇒ 署から、いつ連絡があるかわからないため
■再び、松井さんより
消防署員、消防団員の人数が少ないので
各自で防災の準備をしていく必要があるのでは(松井さん)
「バール」があると何かと役立つらしいです。
バールとは建設用具(工具)の一種で、
梃子(てこ)の原理を利用する金属製の棒
■生徒の皆さんからの質問
Q.渋谷は、新しいお店がたくさん出来るけど、どうやって把握しますか?
A.お店は町内会とかに加入しているので、そこからの情報でわかります。
Q.消防団の歴史は?
A.消防団が出来たのは、昭和22年からです。その前は警防団。
江戸時代は火事があると、隣の家を壊して防いだそうです。
Q.火災があった時の連絡は?
A.分団長に必ず連絡があります(24時間いつでも)。そしてすぐ出動。
●最後に、先生の福住さんより...
消火栓、消防水利の看板がある近辺には、車を止めないでくださいね。
それから自分の身の回りに、消火栓、消防水利がどこにあるのか、
普段から理解してください。
(ボランティアスタッフ 関根恵一)
まずは授業の受付時に、生徒さんの名前、緊急連絡先を書いていただきました。
なぜ?
もし記入していただいた生徒さんに何かがあったら連絡してくれるそうです。
何人か自分の携帯番号書いちゃった人がいて(笑)、修正していただき全員OK!
そして、授業が始まりました。本日は、(楽しい)街歩きの授業です。
少し寒かったけど風もなく、晴天に恵まれました。
●さっそく、ルートの説明
授業コーディネータの松井さんから、「まず、あっちの方へ ~」。
生徒皆さん、???「あっちって、どっち?」(笑)
再び、松井さん「あの前に見える、一番高いビルの方へ向かっていきます」
「そっか、あっちなんだ...」。全員が納得!(松井さん、いいですね)
●先生の紹介と授業内容
本日の先生は、渋谷消防団 11分団 分団長 福住さん、副分団長 奈良さんです。
紺色の消防コートの背中には、「METRO POLITAN 消防団 TOKYO」が。
授業は...
1.キャットストリートから路地裏へ入り住宅街を歩きながらの消防団の目で視察
2.渋谷消防署へ訪問して署員の仕事、消防車、救急車等を見学
●はじめの一歩
福住さんから最初に教えていただいたこと、それは...
・消防水利とは ...消防活動を行う際の水利施設のこと
簡単に言うと ⇒ 火災時の消火活動に役立つ防火用水として利用
・消火栓とは ...消火活動に必要な水を供給する為の設備
⇒ 地下に専用の水道管が通っています
そして、歩いている時に「消火栓」の看板が何処にあるかを見つける
(えっ、今まで意識して歩いたこと無いぞって思った生徒さん多いのでは?)
●それでは、消防団と街歩き
キャットストリートから路地裏に入る前に「消火栓」の看板を発見!
よく見ると丸い看板の下に矢印が付いていて、そこに「3m」と書いてあります。
「矢印の方向の3m先に、消火栓があるということ」福住さんからの説明です。
路地裏の住宅街の道、とても狭いです。車が1台しか通れない。
約500mの間に消火栓が1つしかありませんでした。(へーー、びっくり!)
ということは、消化栓から離れたところで火災がったら、ホースをそこまで継ぎ足して
いくのです。ホースの長さは20m。火事場まで遠いと長ーーいホースになりますね。
途中、穏田神社で消化水利を発見しました。神社、お寺にはよくあるそうです。
理由は、大切な文化財保護のためだとか。消化水利の水は無くなると補充し、
使わなくても定期的に入れ替えるとのこと。
再びキャットストリートに戻り、神宮前交差点に向かう途中、ビル横に「送水口」発見!
これは、火災が発生したビルの階まで水を送るための器具です。(そうだったんだ)
そして歩くこと10分。途中、宮沢元首相の家の横を通り、水無橋を渡り到着。
●いざ、授業の本丸(渋谷消防署)にて、
いろいろなことを教えていただきました
紺色の消防服の背中には、「東京消防庁 TOKYO FIRE DEPT」。
早速、出動の練習を見せていただきました。アナウンス「~で火災の発生」が流れ。
1.隊員が車に消防車、救急車に乗り出動
2.到着後、点呼「1、2、3 ...」。
このあと、2グループに別れて車輛の説明を受けました。
救急隊の方から、最初は救急車について。(本日は既に1台、出動中)
救急車の中に入ると病院(治療室?)の匂いがしました。
ベットはストレッチャーのもの。医療器具も揃っていて、緊急対応が可能です。
救急車の音、「ピーポーピーポー」は緑の押しボタンで、赤信号の交差点に入る時の音は
フットペダルにて鳴らします。(へーーっ、そうだったんだ!)
次に2台あるポンプ車の説明です。1台目は、タンク付き車輛(7名搭乗)。
2トンの水を入れて1~2分の放水が可能。こちらは先発で出動し最前線で消火します。
2台目はポンプのみの車輛(4~5名搭乗)。その代わり破壊器具がたくさん装備。
ハシゴ車に乗りたい人、防災の日に代々木公園に来ればチャンスがあるかもです。
続いて、防火服の説明です。役割によって色が違い、
黒色(上級用、重さ5kg)、肌色(新人~中堅用、重さ20kg:ボンベ付き)、
オレンジ色(レスキュー用でハシゴ隊が使用)の3種類があります。
消防士の勤務時間は、24時間10分。やっぱ大変です、仮眠はありますが。
ちなみに10分間とは、「申し送り」と言って引継ぎ時間だそうです。
最近、消防署は「すべり棒」を使いません。出動の時、2階から降りる棒。
ここで質問です! 何故でしょうか?
お答えします!
出動する時にケガをする場合があるそうで、原因は次の通り。
・仮眠後の出動で寝ぼけて落ちる ⇒ ケガ!
・声を掛けないで降りる隊員がいるので下にいる人に追突する ⇒ ケガ!
そろそろ時間となりまして、
ここで授業の記念写真を撮りました。防火服を試着した方が写っています。
授業時間がだいぶ過ぎてしまいましたが、これから「渋谷消防団十一分団本部」へ。
渋谷消防署から15分ぐらい歩いて到着。途中、生徒の皆さん同士で話しながらの移動。
これが生徒間のコミュニケーションに役立つのです。街歩き授業の楽しいところ。
●こっちが本丸? ... 渋谷消防団十一分団本部へ到着!
福住さんが、本部の1階のシャッターを開けて中の説明が始まりました。
ホース、ヘルメット、防火コート。本日はポンプ車が出動中のためありません。残念!
白と赤の50ccバイクが1台あって、これは分団長の福住さんが現場へ行くために使います。
投光器という防災備蓄用照明がありました。この器具は、夜間の火事では必須です。
●2階へ移動して、質疑応答、開始!
始めに松井さんから福住さんへ質問です。(松井さん、ファシリテーターも兼任ですね)
■「消防団」とは? ...福住さん教えてください
・ボランティア活動として実施しています。
皆、本職があり自営業の方がほとんど。自営業なのですぐ集合できる。
地元のことを理解していることが、とても重要です。救助に役立つため。
・団員の報酬は、多くて10万円。(年間3万円 +火事の出動回数により)
・渋谷消防団十一分団は連合町会単位で450名(団員440名 、団長10名)
・毎月1回の点検があり
・コミュニケーションが大切
お酒を呑む時に...
仲間同士で情報を持ってくる ⇒ それを情報共有する
・心構え
深酒はしない ⇒ 署から、いつ連絡があるかわからないため
■再び、松井さんより
消防署員、消防団員の人数が少ないので
各自で防災の準備をしていく必要があるのでは(松井さん)
「バール」があると何かと役立つらしいです。
バールとは建設用具(工具)の一種で、
梃子(てこ)の原理を利用する金属製の棒
■生徒の皆さんからの質問
Q.渋谷は、新しいお店がたくさん出来るけど、どうやって把握しますか?
A.お店は町内会とかに加入しているので、そこからの情報でわかります。
Q.消防団の歴史は?
A.消防団が出来たのは、昭和22年からです。その前は警防団。
江戸時代は火事があると、隣の家を壊して防いだそうです。
Q.火災があった時の連絡は?
A.分団長に必ず連絡があります(24時間いつでも)。そしてすぐ出動。
●最後に、先生の福住さんより...
消火栓、消防水利の看板がある近辺には、車を止めないでくださいね。
それから自分の身の回りに、消火栓、消防水利がどこにあるのか、
普段から理解してください。
(ボランティアスタッフ 関根恵一)