シブヤ大学

授業レポート

2009/5/26 UP

いらっしゃいませ!東京ローカルレストランにようこそ☆

東京ローカルレストランとは、地域の魅力をもう一度見つめなおし、地域と密接な関係を持つ多くの都市の人たちに、体感、楽しさ、おいしさを通じて大切なメッセージを伝えるために生まれた実態のないレストラン。東京ローカルレストランの東京ローカル隊が現地に出向き、伝統的な食品やまだあまり知られていないこだわりの食材を発掘し、東京のシェフが食材の食べ方の可能性を見つけ出し、新しい郷土料理を提案するというもの。

そして今回の食材元は、愛知県。
愛知県と聞いて何を思い出しますか?佃煮や八丁味噌が頭に浮かんだ人は多いはず。今回も佃煮、八丁味噌はお料理に登場しました。しかし、それは私たちの知らない全く新しい料理だったんです!

授業の流れは
■生産者からのビデオレターを見て、その食材に対する生産者の熱い思いを映像と音で「いただきます」。
■何も加工されていない状態でその食材をいただき、素材そのものの味を確認します。
■最後に、一品一品シェフの説明があったあと、お料理をいただくというスタイル。

食材は、絹姫サーモン、ランニングエッグ、カンパリトマト、三河つくだ煮、西尾の抹茶、参年仕込み豆味噌、国産粒甘味噌。
その中でも、殻付の生卵「ランニングエッグ」の登場には驚きでした。「生で食べるの?」多くの人が戸惑いましたが、生産者の熱い想いを受け取ったこともあり、みんな口に運んでいきます。
「おいしい。普段食べているものとは全く違う。」
箸で卵を掴み上げても黄身が割れないんです。そして口の中で、爽やかなまろやかな広がり、生卵なのに生臭さがない…。私が今まで食べてきたものは何だったのだろうと疑問に思ってしまうほどでした。

料理を手がけたのは、東京ローカルレストラン ローカル隊隊長、斎藤優シェフ。
「伝統的な食品や、まだあまり知られていないようなこだわりの食材を使わせていただき、地元の方々にも喜んでいただけるような新郷土メニューをご提案します!」
(当日配布資料より)
と、シェフの想いが生産者の想いと調和し、新たな郷土料理ができあがりました!

・カブと絹姫のサーモンのキューブ
・カンパリトマトのコンフィと“とまテル”ボンボン
・釜揚げ桜海老と菜の花のチヂミ
・マッシュポテトの長ネギ“三河つくだ煮”秋刀魚の蒲焼のチーズグラタン
・“参年仕込豆味噌”のガトーショコラ、桜アイスに黒糖を使った“国産粒甘味噌”だれ

どれも斬新で、チャーミングなネーミングにも注目でした。
なかでも一際歓声があがったのは「ランニングエッグのTKG」
さぁ、みなさんこの「TKG」、何のことだかわかりますか?
私たちが一度は口にしたことがあるあの料理…

正解は「たまごTamago・かけKake・ごはんGohan」略して「TKG」。
なんて素敵なネーミング。
次の日から早速使わせていただきました。笑
和牛のユッケとからめていただいたのですが、もう絶品。無言で食べる人が続出。
一品一品すべてのお料理に工夫が見られ、本当においしくて、生徒さんの反応も非常に良かった!食べ残しもほとんどなしっ!

今回私は食べるということに対しての幸せを改めて得ました。今までは「食べ物」から幸せを得ることはあったけれど、「食べる行為」に幸せを感じることは初めてかもしれません。食べるという共通の行為を通じて人との温かい繋がりを感じられたからだと思います。
この東京ローカルレスランではその必要性を実感する事ができ、非常に素敵な体験ができる場じゃないでしょうか。

舌だけではなく、心、体全体で感じ、はじめて、その食べ物をまるごと味わう事ができ、喜びを実感する。

「心から味わえた。」

そう思えたとき、隠れた調味料の存在に出会えます。それは、“想い”と言うスパイス!
生産者、シェフ、消費者、それぞれの想いが通じ合ったとき、そのスパイスの味が出現します。

そして、いつもよりお腹も心も満たされている事に気がつくと思います。

(ボランティアスタッフ 山崎 ひな子)

【東京ローカルレストラン、都内にて月イチで開店中!!】