シブヤ大学

授業レポート

2008/7/16 UP

         

■原口先生のご紹介
1945年生まれ、62歳!(←全然見えません!若い!)
円周率の世界記録を2004年から更新し続け、2006年には10万桁!
もちろん世界新記録です。

■円周率との出会い
成績は、中の上くらい、数学も苦手だったという原口先生。
49歳で放送大学「人間の探求コース」で、哲学や心理学、自然科学とかを学ぶなかで円周率に出会ったそうです。

■記憶法(例えば・・・1は「あいうえお」の文字のどれかに当てはめて覚えます
1…あいうえお
2…かきくけこ
3…さしすせそ
4…たちつてと
5…なにぬねの
6…はひふへほ
7…まみむめも
8…やゆよ
9…らりるれろ
0…わをん

123=いぐさ
3122=すうがく
などです。
また、上の暗記方法とは別に、札幌(さっぽろ)=386みたいに、翻訳するような気持ちで北海道の戦士の物語から始まり、青森から日本中をめぐり、朝鮮からトルコまで…壮大!
暗記のためとはいえ、物語を紡ぐのも楽しいと、とてもいきいきと語っていらしたのが印象的でした。

円周率で世界一を目指そうと思ったのはなんと58歳の時。
奥さんは、「ふーん」。
でもパソコンで原口先生が翻訳(?)した物語をデータ化してくれたそう。
だけど…世界一になっても、おめでとうも特にないくらい、普通だったそうです(笑)。

■継続法と、人生訓
52歳で退職後、経営コンサルタント、心理カウンセラーとして活動されている原口先生。円周率の暗記法に混じって、人生訓もお得意のダジャレ(?)も交えてたっぷりお話してくださいました。

「何かをはじめるとき、すぐに目標をたててしまうのはよくない。
人間はみんな、(切ると真っ赤な血が出るように)血管?欠陥だらけ。
達成できないとき、すぐに自分はダメだと思ってしまう。
全体の中で悪いのは5%や10%なのに、全部ダメだと感じてしまうなんてもったいない!
そんなふうに思い込むのなら、逆に自分はダメじゃないと思い込むことだってできるかも」
…なんていう調子です。

「人間の記憶力は20歳がピークと言われているけど、余命のほうが長いなんておかしい!
天から授かったのが20まで、それからの能力は自分でクリエイト(栗を8個黒板に描いて…)していくんだと思っています。
20歳までに手にした色えんぴつで、それからの人生を彩っていくような気持ちで…。」
ハイペースなダジャレと一緒に、とっても前向きで勇気づけられる言葉たちがぽんぽんと飛び出してきます。

「今日からジョギングをすると決めたら、ハアハア…となる前ぐらいでやめる。
そうすると、ものたりたなくて次の日もやる。あさってもずっとやるんです。
目標をたてないから、続けられる。
飛躍はむこうからやってきます。まず目の前のことから始めて欲しい。
その思いが生じた時点で、もうスタートはできています。
乗り越えられない障害なんてない。挫折は人間がつくるもの。
人生というストーリーの主役は自分なんですから。他人に動かされずに描いていくのが大切です。」

とてもエネルギッシュで前向きな原口先生のお人柄が伝わってくる授業でした。

(ボランティアスタッフ 柏木初夏)

【参加者インタビュー】
1.トミタさん(男性)
感想:「面白かった。語呂合わせのストーリーが気になった!」

2.あやさん(女性)
感想:「ダジャレも記憶してもらう工夫かもしれないと思った」