シブヤ大学

授業レポート

2008/7/7 UP

        

もう、ケータイのない生活なんて考えられないのは私だけではないのではないでしょうか。
通話はもちろん、メール、インターネット、カメラ、人によってはゲーム、テレビ、音楽を楽しんだり、買い物をしたり、電車に乗ることだってできるマルチさん。
こんなにも私たちの生活に浸透しているケータイが、体に悪いってどういうこと?
でも、電磁波ってなんだかよくわからないし難しそう…

そんな気持ちで臨んだ授業でしたが、NPO法人“市民科学研究室”の上田先生と一緒に授業をしてくれたのは、
なぜかパンダ頭の松本先生。
いつもはシブヤ大学のボランティアスタッフとして参加している松本先生が、
今回はコーディネーター兼講師として登場です。なにか面白いことをしてくれるのかな?

そんな期待もしつつ、まずは電磁波についての説明がはじまりました。
電磁波とは、“空間を伝わるエネルギーの波”。
実は光も電磁波の一種で、波の大小によってたまたま目に見えるのが光だけれど、
例えば光よりも波長が大きいと赤外線って呼ばれたり、電波って呼ばれたり
波長の小さいものだと、紫外線とかX線とか放射線って呼ばれていて。
用途は変わるけどみんな同じ“電磁波”で、“低周波“とか“高周波”っていう言葉で表されるのが、
その波の大小。
今日の議題のケータイや電子レンジは“高周波”と言われる波長のエネルギーを使っているんだそうです。
上田先生のハキハキボイスで授業はガンガン進んでいきますが、
難しいところは松本先生が質問してくれたので、なんとかここまではイメージがつきました。

でも、その波が体によくないってどういうことなんでしょうか。
例えば、小児白血病は10万人に1人という稀な病気なのに、
ある特定の場所だけ発生率が高い、ということがあったりして
それは環境に何らかの原因があるだろうと考えられているのですが、
その一つに電磁波の影響があるのではと考えられているのだそう。
でも、もしかしたら別の化学物質のせいかもしれないし、
まだ完全には解っていないのだけれども、一つの指標として考えられる、ということ。
パソコン、ケータイの利用頻度が高いことで、何らかの不調を訴える人が多く、
現段階で疑われている電磁波の生物や人体への影響としては
脳腫瘍、頭痛、鶏卵の孵化障害、精子の減少、脂質の過酸化などがあるのだそうです。

実際に、21日間鶏卵にケータイの電磁波をあて続けると
ヒヨコの死亡率が50~60%になるという実験結果があって、
でも、原因は解っていないのだとか。なんでなんだろう…怖いです。
もちろん、21日間ずっとケータイで話し続ける人なんていないだろうし
死亡する割合っていう観点で言えば、喫煙とか交通事故のほうが全然高いんだけれど、
要はケータイの使用の蓄積が、人体に何らかの影響がないとは断言できないっていうこと。
特に、これからの子どもは、小さいころからケータイの電磁波だらけのなかで育っていくことになるわけで
たくさんの電磁波の波にさらされる=“被爆”の蓄積が今までの大人に比べて大きくなるのは必至。
胎児への影響なども、わかっていないだけにできるだけ考慮しておいてもいいのかもしれません。

現に、イギリスでは“16歳以下はケータイの使用を制限すべき”としていたり、
ドイツでは“子どもからは離すべき”、フランスでは“妊婦の腹部や若者の生殖腺には近づけないように”と勧告が出ていたりバングラディッシュでは16歳以下は使用禁止(!)だったりもするそうです。
ほんのちょっと体から離すだけで影響力が全然ちがうということなので、
例えばズボンのポケットには入れずに鞄にいれるとか、電話をかけるときは耳にあてずにコールして、
相手が出てから耳にあてる(発信・着信時の電磁波は通話中より強いので)とか
ちょっとしたことで被爆量はかなり押さえられるのだそう。
ちなみにたまに見かける、「電磁波予防グッズ」はほぼ効果ゼロ。
そうなんですね…びっくりしました。

電磁波についての講義のあとは、チームに分かれてのワークショップ。
ケータイのメリットとデメリットについて意見を出し合った後、
どうやったらリスクを予防することができるのかを話し合いました。
子どもには持たせない、使える機能を制限するといった意見や、
危険性についての情報がもっと企業側からされるべき(明細にパケット量などと同じように被爆量が記載されるとか)など、面白くて実現可能なのでは!という意見も活発に飛び交いました。
授業後には、上田先生の持っていらした鉄人28号のリモコンみたいな装置で、
自分のケータイの電磁波を測ってもらっていた人も。
講義あり、ディスカッションありでとても充実した授業でした!

やはり、ケータイはもう私たちの生活に欠かせないアイテム。
だからこそ、タイトルにあったように“あたらしいお付き合い”のしかたを考える必要があるのだと感じました。

(ボランティアスタッフ 柏木初夏)

【参加者インタビュー】
1.ふじさわさん(学生)
「ケータイと電磁波に興味があって参加。難しいところもあったけど、面白かった。
今後は(電話をかける時に)相手が出てから耳にあてて話したいと思った。」

2.みどりさん(会社員)
「上田先生の話を聞いてみたいと前から思っていて参加。
難しかったけど、松本先生のナビゲーションでわかりやすくて感心した。
(ケータイの)危険性に関して裏付けがもらえたのがよかった。」