シブヤ大学

授業レポート

2018/7/5 UP

“ボッチャ”にチャレンジ!!
~誰でもできる『地上のカーリング』~

まだまだメジャーなスポーツとは言えない「ボッチャ」というスポーツ。
どんなスポーツかを伝えるには、タイトルの「地上のカーリング」という言葉が一番しっくりくる気がします。
簡単に言うと、ボールを投げ合い、的に近づけたり相手チームを邪魔したりしながら、相手チームより的に近いボールが多いほど高得点になるスポーツです。
違う点は、投げるのがストーンではなくお手玉みたいなボールなこと、基本的に室内(体育館)で行うこと、点数計算の基準が円の中心からの距離ではなく「ジャックボール(最初に投げる特別なボール)」との距離なこと、障がい者向けスポーツとして作られた経緯もあり誰でも楽しめるように様々な投げ方があること、といったあたりでしょうか。

さて、今日の会場は「ケアコミュニティ・原宿の丘」。
統合により使われなくなった中学校を改修して地域コミュニティの拠点施設として設立されたそうで、会場に向かいながら久しぶりに登校するかのような気分になりました。
当日は生憎の雨でしたが老若男女問わず多くの方に来ていただきました。(中には親子三代で参加いただいた方も!)

まずは先生の練馬ボッチャクラブ稲木代表から説明を受け、その後みなさんでコートの中に入りボールを投げる練習をしました。
実際に投げてみるとみなさんボールを思い通りに操れず、すぐ止まったり暴走したりするボールに四苦八苦。
投げる力の強さはもちろん、角度、位置、フォーム、様々な要素が絡み合うため、狙ったところに投げるためには相当な技術が必要になることが分かりました。





少しずつ慣れてきたところで3人ずつのチームに分かれ対抗戦。
1人あたりの持ち球は2球、最初に投げるジャックボールの場所を基準にし、自チームのボール合計6球をいかに近づけるかで競いました。
全てのボールを投げ終わった後、相手チームよりジャックボールに近いボールの数が得点となります。
この流れを数回繰り返して、合計点で勝敗を決めました。

先生たちから投げる場所や投げ方のアドバイスをもらいながら、試合は進んでいきました。
今日の参加者のみなさんはセンスがあるのか、どんどん上達していくのが目に見えて分かりました。



ファインプレーには敵味方関係なく拍手や歓声が起こり、ミスショットには悔しそうな表情が生まれ、和やかに、しかし真剣に、手に汗握る試合の数々が繰り広げられました。
またエキシビジョンとして先生方の試合も行われ、自由自在にボールを操る姿にみなさん魅入っていました。







最後には先生が生徒のみなさんの質問に答えながら、普及に向けての取り組みや現状をお話していました。
リオでのパラリンピック日本代表の活躍や出張授業などの普及活動の甲斐もあって特別支援学校を中心に知名度を上げてきているものの、大勢の人にとってボッチャと出会ったり体験したりする機会はほとんどないのが現状のようです。
クラブチームや部活動のような定期的に練習するような環境もまだまだ整っていないため、そういった点も含めて今後の課題は多いのかなという印象でした。
とはいえ今日一日の体験で、ボッチャが楽しく奥深いスポーツということは充分に伝わったと思います。
「2020年、東京パラリンピックでは会場を満員にしたい。」という先生たちの願いも決して難しい夢ではないのでは、と思いました。



(レポート:佐々木真之、写真:大森由紀子)