授業レポート
2016/10/4 UP
何を捨て何を残す?
ミニマルで豊かな暮らし
何を捨て何を残す?
ミニマルで豊かな暮らし
今回の教室は幡ヶ谷社会教育館。
しとしと雨が降る中30人近くの方々が集まってくれました♪
「モノを捨てたい人〜?」
「ミニマリスト」という言葉を元から知っていた人〜?」
など参加者への質問から始まった授業。
今日の先生は、2010年からミニマリストとしての生活を送るmalzackさん。
独自のライフスタイルを綴ったブログが注目を集め、書籍や雑誌にも紹介されました。
私がこの授業に興味を持ったきっかけは、自分がミニマリストとは対極な生活をしていたから。昔からモノが捨てられない性格で部屋の中はごちゃごちゃ(笑)
malzackさんはどうしてミニマリストになろうと思ったんだろう、
スッキリした部屋に住んで、所有物も最小限、お気に入りのものだけにすることで
どんな心境の変化があるんだろうと気になりこの授業のスタッフに手を挙げました。
授業の前半は、「減らすブーム」の背景やカテゴリー、「ミニマリストとは」という考え方について。
「減らすブーム」の背景としてまず挙げられたのは、
モノの所有→脳のメモリを増やす→ストレス
という考え方。(小池龍之介さん著「貧乏入門」より)
モノを数多く所有している=脳の中に多くの情報がある。
だからモノを減らすと頭がスッキリする。
なるほど…!
モノ=情報という考え方は衝撃的でした。
ごちゃごちゃモノがたくさん置いてある部屋は、情報に溢れているから
脳が圧迫されてしまうわけですね…!
もうひとつ、減らすブームの背景には「Rich」の捉え方の変化があるそう。
例をひとつ上げると、「old rich」ではドンペリなどのシャンパンタワーがリッチの象徴のひとつとして捉えられていた。しかし「new rich」ではお気に入りのカフェで飲むコーヒーなどに価値を見い出す人も多くいる。
確かに最近の若者はギラギラした派手な服や車を購入するより
自分のお気に入り、こだわりを大切にしている気がします。
DIYやミニマリストがかっこいいと思われているのもこの「Rich」の変化から来ているんですかね(^^)
今でこそ「ジョブズ買い」のように、毎回同じものを買って身につけると言うのが
かっこいいとされていますが、少しさかのぼると同じものばっかり着ているなんてつまらない、ダサいと思う人の方が多かったかもしれません。
このように、減らすブームの背景には
1、減らす=’快’
2、Richの変化 がありました。
後半は、その「減らすブーム」のカテゴライズ。
1、ダウンシフター(高収入なんて必要ない、節約)
2、スローライフ(ナチュラルに生きる、オーガニック)
3、ノマドライフ(モバイル主義、トランクひとつ)
4、断捨離(心を軽くする、モノが少ない方が幸せ)
5、片付け、整理術、暮らし上手(掃除が簡単、収納上手)
6、ミニマリスト(引き算の美学、モノトーン)
「断捨離」、「整頓上手」などの言葉が多く聞かれるようになり
「ミニマリスト」も同じようなカテゴリーに入るのかと思っていた私には驚きでした。
こんな風に分類できるのか…!と。
上記6種類の中で自分はどのカテゴリーが当てはまりそうかを個々でシンキング。
ひとつ選ぶわけではなく、全てに当てはまる人もパーセンテージを決めて自分が一番近いカテゴリーを発表し合いました。
一番多かったのは「断捨離」。
所有物を減らしてすっきりしたい方が多かったようです(^^)
次に、参加者の方々が自分の持ち物の中でお気に入りものを何個か書き出して、テーブルごとに紹介し合いました。
静かに聞いていた皆さんが和気あいあいと自分の持ち物について語る場面が印象的でした(^^)
おちょこ、着物、U字枕、持ち物を通してその人の思いや性格を垣間見ることが出来て大変面白かったです。
参加者の1人に赤ジャージでいらっしゃった方がおり、
その方が発表してくださったのは「赤ジャージ」でした。
初めて会った人に覚えてもらえる、しわにならない、手入れが楽、着心地よし、といいことづくめ。
その人がおっしゃる通りあの赤ジャージ姿は鮮明に印象に残っています(^^)
個人的には、「自分は意外とモノにこだわりがないんだな~」ということに気付きました。
自分のお気に入りのものを思い浮かべた時に、悩んで悩んで3番目に出てきたのが、なぜか玄米(笑)
4番目に浮かんできたのはいつもストックしている「野菜ジュース」…。
モノが多いわりに、そんなにこだわりのある持ち物がないという新たな発見が出来ました。
そして最後に「ミニマリスト」という考え方について。
建築家である「ミース・ファン・デル・ローエ」さんが好んで使った言葉である
「Less is more」少ないことは多くをもたらす
「God is in the details」厳選されたものだからこそ注視される、洗練されている
といったコンセプトやミニマリストの考え方が取り入れられた様々な例を紹介して頂きました。
例えばiphoneやipodは、機能性にミニマリズムを取り入れて、より簡単でシンプルな操作を追求した結果生まれた形。
モノクロ写真や枯山水、iphoneにもミニマリストの考え方が反映されているそう。
「Less is more」という言葉通り、あえて少なくすることでより豊かに感じられる。
…深いです!!
質疑応答タイムでは多くの方が質問してくださいました。
モノの捨て方や、食の美学、パートナーが物持ちであることへの相談、楽器を捨てたキッカケ、思い出の品の処分法、仕事とプライベートのすみわけなど。
「減らすブーム」の背景や「ミニマリスト」に関する深い考え方を聞き、大変勉強になりました。
自分の目指すライフスタイルを考えながら、「ミニマリスト」について考える、貴重な機会となりました♪
malzackさん、お集り頂いた皆さんありがとうございました。
(レポート:鈴木麻美 写真:加藤房秀)