授業レポート
2015/12/7 UP
頭に胞子が入った!
(恵比寿きのこ会議@お座敷)
雨が降り続きジメジメした絶好のきのこ日和、きのこ愛好家がお座敷に集結。互いのきのこ愛について思う存分語り合いました。
まずは素敵なオーダーメイドのきのこ柄のベストに身を包んだ、飯沢先生のきのこ愛から──。
「初めはきのこの切手集めから始まりました。全部は無理だったけど、3,000枚ぐらいは集めた。そこで“終わりかな?一過性のマイブームかな?”と思ったら、次に古今東西の書籍の中に出てくるきのこの話を集めて、研究して一冊の本にすることに。それが『きのこ文学大全』(平凡社新書)。こういった活動が知られて、きのこ文学研究家を呼ばれるようになっていきます。自分ではきのこの魅力を伝える“きのこ界のメッセンジャー”だと思っています。お前はこういうことをやれ! という声が聞こえてきましたから」
なるほど、頭に胞子が入ったわけですね!
ここで、先生のコレクションであるきのこの本をいくつか紹介。
“きのこ界のメッセンジャー”の頭の中が目の前に広がっていきます。
“きのこに関する本”と言っても、写真集やイラスト集などのビジュアルについて描かれているものから、物語の中にきのこが出てくるものまで。コレクションの一部だけでもこんなにあるとは…。
先生が紹介した、きのこが出てくる物語の一つがルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』です。
「体が小さくなってしまったアリスが森の中できのこの上で水煙管を吹かしているイモムシと出会う。『きのこの片側を食べれば大きくなる、片側を食べると小さくなる』とイモムシに言われ、言われた通りに片側を食べると体が急に小さくなる。慌てて片側を食べると今度は逆に大きくなりすぎてしまう──。
このシーン、きのこ学者の間でも色んな解釈がありますが、僕はおそらく幻覚性きのこ、マジックマッシュルームじゃないかな?と思っています。色々な本でマジックマッシュルームの記述を読んだところ、その効果に“空間感覚がゆがむ”というのがあったので。」
『不思議の国のアリス』は何度も読んだことがありますが、きのこが何かというところまでは考えたことがなかったです。
後半は生徒のみなさんのきのこ愛の発散タイム。きのこ好きになったきっかけと、持ってきたきのこグッズの紹介をしていきます。
「きのこの事なら何でも知りたいと思って今日はここに来ました」という自己紹介で話す方もいて、どんな話が飛び出すんだろうとワクワクしていました。
これは収穫したてのきのこ。
畑づくりをしているという方が、授業の前に畑に寄って採ってきたものです。
こちらはきのこのペーパーウェイト。
作家さん手作りのもので、見つけて思わず購入してしまったとのこと。
フェルト素材でコロンとしたかたちがかわいらしいですね。
見つけたきのこの写真を紹介する方も。「何のきのこだろう?」と先生も目を輝かせています。
先生が「これは何のきのこだろう?」と聞くと「タマゴタケじゃないですかね?」と返ってくる場面も。さすがきのこ愛好家!
みなさん、他の方のきのこ話に興味津々、自分の番では意気揚々と話す姿が見ていて楽しかったです。
“きのこ愛好家”と一口に言っても、食べるのが好き、かたちが好き、採りに行くのが好き、と好きなポイントは様々。「きのこの知識はないし、きのこグッズも持ってないし…」と思っていた私ですが、きのこ愛好家たちの話を聞いているうちにきのこグッズが欲しくなってきました。好きなものについて熱く語り合う場というのは不思議な力を持っていますよね。
最後は集まったきのこ愛好家たちで集合写真。
「はい、きーのこ!」
(レポート:鹿沼茉希子/写真:薄井唯)