シブヤ大学

授業レポート

2015/5/12 UP

”ものづくり”で生きていくには?
〜マーケットプレイスで広がる世界〜

“ものづくり”で生きていくには?


~マーケットプレイスで広がる世界~


 


世の中の問題に取り組んでいる人を招いてさまざまな講座を開催する


西武渋谷店×シブヤ大学のコラボレーション授業「Think College」。


 


今日は、ハンドメイド作品の販売サイト「iichi」のディレクター、新田晋也さんが登場。


作り手と消費者がダイレクトにつながる


“C to C(カスタマー トゥ カスタマー)マーケット”の世界で注目を集める


「iichi」の取り組みを通して、


今、そしてこれからの“ものづくり”のありかたについてお話を伺いました。


 


「iichi」は、大学生からお年寄りまで1万4000人以上のかたが作家登録し、


自ら手がけたハンドメイド作品を販売するサイト。


これまで約40万人ものかたが訪れています。


 


アパレル業界で長く働き、さまざまな人とかかわり、


課題にぶつかってきた新田さん。


「いちばんカッコよくて尊重されるべきは、ものを作っている人。


作り手が表舞台に立って“カッコイイ!”と思われるようになれば、


ものづくりの世界が変わる」という考えが芽生え、


作家が主体的に活動する「iichi」に携わるようになりました。


 


「今は、自分でプロデュースして作品が売れるいい時代。


現代に適応したものを自分で作って売っている人も多く、


時代の変化に合わせたもの作りとのかかわり方があると伝えていきたいですね」。


 


「作る世界をつなぎ、広げていきたい」と熱く語る新田さん。


最近では、お客さんが作家さんの価値観にひかれて商品を買い


広く展開されていくケースが多くなってきているとも話します。


 


事実、新田さんの話のなかで出てくる「iichi」の作家さんは、みなさん本当に個性豊か。


会って話してみたいな思うかたばかりでした。


そんな作家さんたちのストーリーや人柄を感じられるところが、


「iichi」の人気に繋がっているのかもしれません。


 


作り手と触れ合い、個性にほれ込んで購入する背景があるせいか


「iichi」では一般的な通販サイトよりも返品率がぐんと少ないとか。


 


新田さんの話のなかで特に印象的だったのが


「自分のあり方を定義しながらものを作るのが“クラフト”」という言葉です。


ものを買うのを単なる消費に終わらせるのではなく、


ものづくりの背景や作り手の思いも含めて“買うもの”に価値を見出していけば


暮らしをもっと豊かになっていきそうだなと、強く感じる授業でした。

(レポート:星野真希子)