シブヤ大学

授業レポート

2013/5/24 UP

テキスタイルデザイナーに学ぶ花柄のつくりかた

「テキスタイルデザイナーに学ぶ花柄のつくりかた」という、聞いただけでもワクワクするようなこの授業の先生は、以前ミナ・ペルホネンというブランドでアシスタントデザイナーをされていて、現在はフリーで活動されている、青山佳世さん。

この授業を選ぶだけあって、集まってくる生徒さんはオシャレな人ばかり。なるほど、自己紹介を聞くと、アパレル関係の仕事をされている方や、はるばる関西から来られた方、子育ての合間を縫って来た方、など、皆さんモチベーションが高い!これは楽しみです。



ミナ・ペルホネンは、北欧風の、手作りの温もりを感じるアパレルや雑貨のブランド。蝶や鳥、花などをモチーフにした可愛らしい柄は、デザイナーさんの手描きによるもので、タッチや濃淡にもこだわり、コンピューターは使用しないそうです。そして独特の風合いにこだわるため、生地は高い技術を持つ工場でしか作れないとのこと。

そんなこだわりを大切にするブランドでテキスタイルの柄の図案作りに携わっていた青山先生は、自分の好きな絵を描けないイラストレーターよりも、好きな絵を描けて、それが製品になる、テキスタイルデザイナーという職業を選ばれたそうです。



この授業では、自分でオリジナルの花柄を作れるのですが、その前にまず、先生から「柄の作り方」を学びました。

柄の種類にはいくつかあって、代表的なものが、同じ柄を上下左右にコピーする「四方送り」。今日実際に作成するのもこの柄です。

それから、柄を半分ずらしてリピートする「ハーフステップ」。こちらの方が、柄をずらしている分、リピートが目立ちにくいそうです。先生にいろいろな柄を見せていただき、それぞれの柄がどのようにリピートされているのかを見分けていきました。有名な「marimekko」の大きな花柄も、実は「ハーフステップ」なのだそうです。



そしていよいよ、画用紙と好きな花を前にして、自分だけの花柄の作成開始です。

パステルや絵の具、色鉛筆など、好きな画材を使って、花の絵を描いていきます。写実的に描く人、抽象化して描く人など、早速それぞれの個性が現れます。

ある程度描けたら、画用紙を真横にはさみでカット。上下2つに分かれた画用紙を、上下を入れ替えて貼り合わせます。描いた絵を切るという、初めての体験。そして、上下を入れ替えると、さっきの絵が違う雰囲気になっていてびっくり!さらに、空いたスペースを埋めるように絵を描き足していきます。貼り合わせの部分にも、絵を描いてOKです。

次は画用紙を縦にカット。左右を入れ替えて貼り合わせます。絵はさらに違う表情を見せます。またまた、隙間を絵で埋めます。

これを繰り返し、画用紙全体が絵で覆われたら完成!切って貼って、を繰り返し、元の形に戻った画用紙は、最初と違って、隙間なく花で覆われています。



これだけでも「花に覆われた一枚の絵」としては完成しているのですが、これをリピートさせることで「花柄」になります。

カラーコピーを4枚とって、余白を切り落として貼り合わせると…なんと、4枚の紙が、花柄で覆われた一つの大きな紙になりました!隣同士の紙と紙とで、ちゃんと柄が繋がっているのを見ると、ちょっと感動します。

最後に発表会。一人ひとりの個性が現れた、世界に一つだけの花柄。生徒さんからも、「柄が繋がった時に感動した!」、「久しぶりにクレヨンや絵の具を使ったのでテンションが上がった!」、「好きな花をモチーフにした花柄を作れて嬉しかった!」などの声が聞かれました。



今までも絵を描くのは好きだったけれど、一枚の「絵」を描くのと、リピートされる「柄」を描くのでは、描き方も変わってくるんだな~というのが今日の学びでした。描き方のコツがちょっと分かったので、また描いてみたいと思います!



(ボランティアスタッフ 田中 万里子)