シブヤ大学

授業レポート

2007/2/26 UP

          

「レッツ・メイク・エコ!」ということで、「太陽」がエネルギーとなるソーラーパネル製作なのに、この日はあいにくの雨。おまけに吐く息は白く、久々に寒い日でした。しかしこんな悪天候の中でも、我らがシブ大生達はサボることなく授業に参加。
まず配られたのは、先生の手作りによる説明書。説明書には、普段聞き慣れない用語が並び、完成図を見てもピンとこない。そんな状態で授業がスタートしました。
参加人数は16人程度。少人数の授業だったため、組み立てから完成まで全員参加の実践型授業でした。ソーラーパネルを2枚作るということで、2チームに別れました。まず最初は太陽光を集める「セル」に2人1組になってハンダをつける作業。一見単純そうでも、しっかり溶接されているか、セルが割れていないかなど、細心の注意と慎重さが問われます。合計34枚のセル作りは、1枚できるごとに先生の厳しいチェックが入り、その度に緊張の連続。OKをもらった時は普段の生活では味わうことのない達成感が得られ、また、チームで行なうことの連帯感が生まれました。接続線を溶接したセルを繋ぎ合わせ、すべてのセルが列をなすよう形成します。緊張感の中にも、次第に会話が弾み、チーム一丸となって完成に向けて、工程が着々と進んでいきました。
昼食を挟んでの授業のため、各自お弁当持参。作業中の団結感はランチタイムまで継続し、ちょっと遠足気分にも似た雰囲気で、皆仲良く食事しました。この授業で初めて会ったとは思えないほど、教室内はとっても暖かいムードに包まれていました。
お昼をまたいでの授業のため、一旦ランチタイム。作業中の団結感はランチタイムまで継続し、隣接するファミレスはシブ大の学食状態。この授業で初めて会ったとは思えないほど、ランチ中もみんなでテーブルを囲み、とっても暖かいムードに包まれていました。
午後になり授業再開。作業は更に複雑な工程に入ります。繋ぎ合わせたセルの上にエタノールを塗り洗浄、その上に接着シートとガラスを敷き、裏面を耐熱テープで固定、そしてラミネーターという装置でセルとガラスを張り合わせ両面の間に空気が入らないように圧縮します。そして張り合わせたガラスの周りに枠を取り付け固定といった具合。実はこのソーラーパネル、セル自体は半永久的に使用し続けることができますが、枠の耐久度が20年ほどしかもたないそうで、少しでも長持ちさせるために、このような丁寧な工程が必要なのだとか。
完成に近づくにつれ、皆の願いが通じたのか雨もやみ、爽やかな空が広がりました。パネルの裏から電流を流す入り口をカッターで削りだし電線を接着、そして特殊なゴムで接続部分を固定して遂に完成です。およそ6時間という長い時間をかけて完成したパネルをさっそく空にかざします。太陽の光をエネルギー源に「発電」した瞬間は、なんともいえない達成感が得られました。
贅沢な暮らしができ、豊かな資源に囲まれていても、個人が自由にエネルギーを選べるとは限りません。しかし、太陽電池を作り使うことで、自らの力で資源を獲得できることが実感できました。
授業が終わった後のみなさんの感想は一様に「楽しかった」。
単純なことだけど、この「楽しさ」こそ物事を続けて行くエネルギーになるのです。
これからも持続可能な世界を1人1人の力で作っていくためにとても必要なことだと思いました。
レッツ・メイク・エコ!まさにタイトル通りの授業になりました。

(ボランティアスタッフ 福嶋 努)