シブヤ大学

授業レポート

2010/12/20 UP

<DAY6> シブヤカルチャー大調査2010! ~渋谷の今を切り取ろう~

<DAY6>12月5日

第6回は、いよいよプロジェクトの最終日!
3ヶ月間に渡る学科の活動成果を発表するプレゼン日です。

各グループそれぞれが担当エリアに関する考察を発表し、
6グループの発表が出揃ったところで全体ディスカッションを実施しました。

当日はパルコの阿部常務、元「アクロス」編集長・三浦展さん、そして加藤教授がスペシャル審査員として参加。ほかにも、多数のメディアや「アクロス」から募集した一般観覧者の方もいるなど、独特の緊張感が会場を包みました。

以下の順番で発表を実施。
 ・センター街
 ・渋谷区渋谷
 ・明治通り・キャットストリート
 ・宇田川町~公園通り~神南
 ・道玄坂~神泉町・円山町
 ・神山町

まずは、センター街がトップバッターとして発表を開始。
人通りが多いセンター街は、データで徹底的に街を分析。
また、道端でお酒を飲む若者カルチャー、“ストカク(ストリートカクテル)”や
さまざまな試みを行うセンター街のユニークなファミリーマートの店長にインタビューを行うなど、
ウェブでは決して得られないフィールド調査ならではの“リアル”な情報を提供してくれました。

2番目は、渋谷区渋谷。
この近辺の注目のお店(東京バーグやネペンテスなど)の紹介などを行い、
東急が進めているビル「渋谷ヒカリエ」についての説明がありました。
開発担当者からの普段なかなか聞けない話が伺え、
「渋谷ヒカリエ」の登場により、今後は渋谷の来街者層は大きく変化するかもしれない、
ということを感じさせるプレゼン内容でした。

3番目は、明治通り・キャットストリート。
小さな洋服屋さんやカフェが多くあるエリアであることからか、ペアで行動する人たち(従来型のカップル、男性同士、女性同士など)が多いという発見を紹介してくれました。
また、住民も多く、昔からこの街で商売をされている方も多いことから、街の均衡を保つため(!?)の昔ながらの“わが町ルール”というものの存在などについても大変興味深かったです。

4番目は、宇田川町~公園通り~神南。
カフェが多数あるエリア、ということもあり、6件のカフェを紹介してくれました。
店長へのインタビューの中で、昔は客層を絞りすぎたため、今はメニューを一般的に受けそうなものにして間口を広げている、という点が時代的に意外な印象でした。

5番目は、注目エリア(!?)道玄坂~神泉町・円山町。
ラブホ街、渋谷の再開発計画からもはずされたちょっと悲しい街、というイメージですが、実はいろいろと面白い取り組みが行われている現状について、この班は紹介してくれました。
夜は女性専用のネットカフェ「cafe melt」や道玄坂に突然ある注目アパレル店「Barrack Room」など、さまざまな発見を提供。情報量の多さ、分析力、プレゼンのすばらしさ、そして素敵過ぎる冊子などから、審査員から賞賛のコメントがでました!

さて、ラストは神山町。
渋谷の駅から離れた神山町は、近辺におしゃれな個人経営のお店が多いことから、その店主へのインタビュー結果などを紹介。最後に、パルコへのさまざまなビジネス提案を実施。人気エリア神山町の要素をパルコで活用することで、新たな可能性が生まれるのではないでしょうか。

全体プレゼン終了後は、審査員からのフィードバックをいただきました。
・お店や店主へのインタビューがありがちでフィールドワークのよさを活用できていない
・何でもないことを深堀していく、そして小さなヒントから妄想して拡げる
・あえて主観で分析したほうがよい
・地形などについて検討すべき(街の特徴、発展などを検討する上ではずせない)
などなど、仕事にも役立つさまざまな意見をいただけました。

その後は、それぞれのプレゼンでの共通要素や、心に残った事柄などをシェア。
改めて、低消費トレンドや、ファッションの衰退、渋谷の高齢化など、商売を行う上ではネガティブな変化が羅列される中、ライブカルチャーの発達など、新たな変化の兆しも見受けられました。

渋谷というエリアについて3ヶ月間分析した、同学科。
それぞれのアウトプットのレベルは非常に高く、3時間以上あったプレゼンは本当にあっという間に過ぎていきました。
改めて、アクロスの定点観測の手法や加藤教授が実践するフィールドワークの手法などを通して、街を観察する方法や視点、考え方を学び、渋谷の変化を体感できました。
それぞれの参加者により感じた事柄は違うかもしれませんが、同授業を通して新たな街の楽しみ方を教えてもらったような気がします。

3ヶ月間お疲れ様でした!!

(ボランティアスタッフ 山口由季子)