シブヤ大学

授業レポート

2010/10/8 UP

ツイニ始動!油田開発ゼミ!

日本では、衣類のリサイクル・リユースがほとんど進んでいません。
今年1月行われた「渋谷油田ヲ発掘セヨ!」 ~眠れるリサイクル資源発掘作戦会議~
の授業で、日本発の技術で繊維がバイオエタノールになることを知りました。

このスバラシイ技術によって、着られなくなった衣類が新エネルギーに生まれ変わるなら、
これはどんどん広めていきたいよねー!よし、部活を作っちゃえ!!
授業で生まれた「油田開発部設立」という案が、翌月には現実のものとして始動しました。

油田開発部は2月から繊維製品の回収やリサイクルについて学び、原宿シカゴさんの
本部倉庫へ見学に出かけたりと、月1回程度の活動を続けております。
また9/18には、シブヤ大学の文化祭の中で
自主回収イベントを行いました。
イベントを通して『衣料回収を必要としている人がたくさんいる』ことを強く実感した私たちは、
回収活動をより大きなものにするべく、シブヤ油田調査隊 油田開発ゼミを立ち上げました。


●繊維がバイオエタノールに?!それ、広めようよ!!

今回も、綿繊維からバイオエタノールを生産する画期的な技術を開発された「日本環境設計」の
吉村知恵先生をお招きし、前半は国内外の繊維リサイクルの現状についてレクチャー、
後半はトークセッション形式で、今後約5ヶ月に渡る実証実験に係るガイダンスをして頂き
ました。チームを3つに分け、実際にどのように回収活動したら効率がいいか? 楽しいか?
など、3つ視点から、アイディアを出し合いました。

●最前線の衣類事情、そして繊維リサイクルの問題点

・衣食住の「衣」だけが資源回収が根付いていないため、衣類の約85%が捨てられている
・昨今のファストファッションブームによって、今まで以上に衣類が手に入りやすく、手軽に
買って気軽に捨てるライフスタイルにシフトしている
・大企業の一部では衣類の回収を行っているが、現段階では自社製品のみの回収が主流
・回収などで海外へ送られた衣料品は正規ルートを辿ったとしても、それが現地の必要な
ところへ渡ることなくゴミの山となって、かえってその国の環境破壊を招き、またその国
の繊維製造業を窮地に追い込む、などの例も(これこそエゴなエコ)

日本環境設計が提案する繊維リサイクルとは、まず繊維を糖(グルコース)化させ、ボタンなど
の付属品や綿繊維以外を取り除く(取り除かれた綿繊維以外はコークスやプラスチック原
料として再利用)→綿から出来たグルコースは酵母で発酵させてバイオエタノールを製造。
つまりこの繊維リサイクルは100%リサイクルを目指す画期的な仕組み!なんです。

ただ、、、①技術 ②回収 ③体制作りが整わないとうまく稼働しません。
特に重要なのが③体制作りで、誰がお金を出すのか、誰が協力するのか、誰が責任を
持つのか、、、日本の現状は、今はまだ宙ぶらりんの状態なのです。


●トークセッション開始!
後半は3チームに分かれて、以下のケースに沿ってアイディアを出し合いました。

☆ ケース1:原宿表参道エリアに回収BOXを設置するとしたら?
・階段式にして上から取れることなく、むやみに覗けないようする
そうなれば、ちょっと気恥ずかしいシミのついた衣料や下着などの回収も進む?
・原宿表参道エリアにふさわしいスタイリッシュなデザインに
・中身が衣類だとわかるように透明の部分をつくる
・衣類はかさばるから、圧縮できる装置があったらいい

☆ ケース2:学校で回収活動をするとしたら?
 ・バザーと一緒に行い、エクスチェンジ(交換会)で残ったものをリサイクルへ
 ・学芸会・運動会のときに回収活動  ・職員室のそばに回収ボックス
 ・授業と連動していく(コンポストの実践のように)

☆ ケース3:商業施設で回収活動するとしたら?
・繊維からできたバイオエタノールでキャンドルナイト(クリスマス)
・アーティストを宣伝するトラックで回収活動もできたら楽しそう
・捨てる服を持って行くのは大変だから、予め捨てる服を着て来店し、購入後は
着てきた服をお店に引き取ってもらい、購入した服を着て帰る仕組みなら楽しそう
・商用施設の割引券や福引きなどを用意し、持ってきてくれた人に還元する

そのほか引越する時は一気にいらない衣料が出てくるので、不動産屋と協力したら
たくさん集まるのでは?という意見も出ました。

●出動セヨ!油田開発ゼミ!
ここまでの話し合いを通じて、「油田ゼミに参加し、活動したい人」を募りました。
ドキドキの結果は…なんと、授業参加者全員がゼミ参加!
「繊維リサイクルが循環するプロジェクトになるといいな」「全国・世界に広める活動にしたい」
「継続しやすい楽しいイベントにしたい」など感想が寄せられました。
私たちも初心に返り、今まで以上に頑張らなければ!と気が引き締まりました。

NHK「あさイチ!」9/6放送の特集「クローゼット大整理」では、タンス・クローゼットを
片づける際の主婦のお悩み第一位は「服が捨てられない」でした。
この悩みを解決するべく、これから油田開発ゼミでは家に眠っている繊維衣料たち
(油田・鉱脈)を探し当て(探査)回収作業(採掘)を促進すべく、この授業で集まった
みんなと様々な仕掛けを実行します。

オシャレな回収ボックスや回収イベントを見かける日が近いかも??
詳細が決まり次第、ブログでも随時アップしていきます。お楽しみに!


(油田開発部 高木夕子 江草秋子)