シブヤ大学

授業レポート

2006/9/30 UP

NIBROLL ABOUT STREET 次の東京のファッションを見る、聞く、感じる

一般的なファッションショーを想像していた人にはちょっと予想外だったかもしれない。今回行なわれたニブロール・アバウト・ストリートのショーのステージは屋外。土曜日の昼下がり、人で賑わう代官山アドレス・ディセの広場を利用して行なわれた。長いランウェイがあるわけでもなく、スポットライトにモデルが照らされることもない。いわゆるキャットウォ−クとは無縁のファッションショーだ。シブヤ大学の見学者を含め、観客は円を描くように設置された簡易式のイスに座るか、もしくは立ち見。偶然居合わせた観客も含め、会場はかなりの人が集まった。
 音楽と共にショーがスタート。円形ステージの中央には4面に仕切られたフィッティングルームのような不思議なボックスがあり、そこに向かってモデルはウォーキング。多方の観客に見えるように、ボックスの4面でポーズを取る。来年の春夏向けということで、色は柔らかなパステルカラーがメイン。テーマが「距離の秘密」だったので、距離をイメージさせるメジャーがプリントされた服や、普通っぽいジャケットと、モコモコしたスカートの組み合わせ(これは現実と非現実をイメージしたものらしい)など、デザイナーの矢内原充志さんが考える距離についてが、ファッションで表現されていた。
 ファッションショーはショーとつくだけあって、服だけでなく、それを美しく着こなすモデルや表現する音楽や空間がひとつになって初めて完成するエンターテイメントの場。こういう演出からデザイナーが作品に込めた思いや、来年のファッションの傾向を探っていくのだということが学べた見学会だった。

(参加者: 近藤香織さん)