シブヤ大学

授業レポート

2026/3/20 UP

「今夜は、無礼講。2026」~お座敷あそびは奥が深い!

毎回早々に満員になる、シブヤ大学の名物授業。大人の粋な遊び、今夜は無礼講。
渋谷・円山町の料亭「三長」さん。そして講師には、芸者の瓢屋 小糸姐さん、喜利家 鈴子姐さんと三吉姐さん。歴史ある空間での「お座敷遊び」体験。刺激的な時間を過ごしました。
かつて花街として栄えた円山町。料亭「三長」は、日常とは切り離された、粋で華やかな世界が広がっていました。

始まりは、歴史を紐解く学びの時間授業の冒頭、まずは料亭 三長の三代目、髙橋千善さんから円山町の歴史についてお話を伺いました。
明治以前は何もなかったこの地、いかにして花街として発展し、そして現在、髙橋さんがどのような思いでこの伝統ある料亭を復活させ、次世代へ繋ごうとしているのか。
明治45年芝居小屋からスタート。昭和26年に110軒あった料亭も昭和63年には19軒まで減少。平成19年にお母様から髙橋さんに相続。当時サラリーマンだった髙橋さんには経営の経験はありませんでした。料亭を壊すか、売るか、残して引き継ぐか、どうするか。試しに、ご友人を呼んで宴会をしたそうです。その時に、もっとこうしたいというアイデアがうまれました。畳に座布団ではなくテーブル席に、空調、床暖房を整えて、畳も新しく変えました。引き継ぐことを決めて、6つのエリアに分け、内1つの料亭 三長を経営。残りの5つはテナントを募集し割烹料理やBARになりました。
参加者のみなさんは、髙橋さんの言葉に耳を傾けていました。


芸者衆の登場でお座敷遊びへ歴史を学んだ後は、いよいよ本番。芸者の瓢屋 小糸姐さん、喜利家 鈴子姐さんと三吉姐さんが登場すると、会場の空気は一変して華やぎます。「無礼講」とはいえ、そこには長年培われてきたプロの「もてなし」の技がありました。
参加者のみなさんのテーブルに入り、場を盛り上げる軽妙なトーク、そして瓢屋 小糸姐さんの三味線、鼓に合わせて踊りと長唄。
長唄「鶴亀」…安泰や長寿を祝う、おめでたい曲。
端唄「春雨」…春の情景に寄せて遊女の淡い恋心や願望を歌った情緒豊かな歌。返事を待つ、恋する乙女心。
小唄「お嬢吉三(おじょうきちさ)」「春雨」
東京音頭はみんなで歌い、参加者たちは美味しいお料理とお酒を楽しみながら、次第に肩書きを忘れ、一人の「遊び手」として場に溶け込んでいきました。


「遊び」の中に宿る、真剣勝負の美学
お座敷遊びの醍醐味は、なんといっても芸者衆とのゲームです。「とらとら」は一見シンプルですが、やってみるとこれが意外と難しい!三味線のリズムに合わせて真剣に勝負し、負ければ笑いながら杯を乾かす。そこには、勝ち負けを超えた一体感と、相手を敬いながらも全力で楽しむという、日本文化特有の「粋」なコミュニケーションが凝縮されていました。


参加してわかった、文化を「楽しむ」という貢献参加者からは、「敷居が高いと思っていたけれど、こんなに温かくて楽しい世界だとは思わなかった」「お料理、お酒も美味しくて楽しかった!」といった声が聞かれました。ただの飲み会では味わえない、知的好奇心と遊び心が満たされる贅沢な時間。
「次はいつ開催されるの?」「友達も誘いたい!」という声が飛び交う中、2026年の「無礼講」は幕を閉じました。また来年も楽しみましょう!

(レポート:なつこ、写真:いわぶちいくえ、秋澤佐千代)