授業レポート
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2025/12/7 UP
ぐっとあっぷガヤのみなさんと歩く幡ヶ谷
幡ヶ谷は、普段訪れる機会がほとんどなく、「どんな街なのだろう」という興味があり、この企画のボランティアスタッフに手を挙げました。街歩きは、ただ歩くだけではなく、地域の魅力を再発見する機会であり、さらに、ぐっとあっぷガヤメンバーと一緒に歩くことで、普段とは違う視点で街を感じられるだろうと期待していました。
まず、授業の冒頭で、ぐっとあっぷガヤメンバーの自己紹介や参加メンバーの自己紹介などを行った後、簡単な説明を受けて、街歩きがスタート。今回は、2つのチームに分かれました。1つは、きょうこさん&よしえさんが先導する幡ヶ谷駅方面。もう1つは、くまちゃん&みーちゃんが先導する初台方面チームです。
幡ヶ谷方面の、きょうこさん&よしえさんチーム、最初の目的地は近所のファミレスです。入り口につながるのは長く急な階段。一方、エレベーターは狭く、車椅子で乗り込むのは大変そうです。「ちょっと入るのが怖いかも」という声。近くの別のファミレスに至っては階段しかありません。「車椅子の人は入れないんですよね…」と、よしえさん。駅の改札にも立ち寄り、バリアフリーの視点で気になるところを写真に収めていきます。

こちらのチームの最終目的地は、最近新しくできた公共施設。スタート地点からはちょっと遠くて道も複雑ですが、きょうこさんは最近まで住んでいた地元ということで、地図を見ることなく、迷わずスイスイ進んで案内してくれます。「すごい!」「頼りになる!」と言われながら、ある銭湯の前へ。「ここは昔よく行ったんですよ〜」と銭湯の前でピース。写真に撮ろうとすると、後ろから「あれ?きょうこちゃん!」と声が。ばったりお友達に遭遇しました!銭湯を後にした道中も「あら、こんにちは〜!」と別のお友達とすれ違う。地元ならではの微笑ましい光景でした。

一方、初台方面のくまちゃん&みーちゃんチーム、最初の目的地は本町図書館。みーちゃんの案内で住宅街を抜けると、小さな図書館が現れました。外観はシンプルで、地域に根ざした雰囲気が漂っていると感じました。ここでは、みーちゃんから、渋谷区では図書カードをスマホで登録できるということ。参加者の間でも「便利だね」という声が上がりました。

次の目的地へ。都会では珍しいこんにゃく屋さんの前を通りました。残念ながらお店は閉まっていましたが、近づくとほんのり漂うこんにゃくの香りが印象的でした。こうした小さな発見が、街歩きならではの楽しみだと感じました。
さらに歩を進め、オペラシティへ。ここにあるコーヒーショップの前で、くまちゃんがエピソードを紹介してくれました。くまちゃんにとって、オペラシティ内にあるその店は、「気持ちを落ち着かせる場所」だそうです。仕事でいやなことがあった時など気分を切り替えたいときに立ち寄り、コーヒーを飲みながら一息つく場所だそうです。くまちゃんの仕事場も訪れたあと、次はケアステーション本町へ。その途中、みーちゃんがよく行くという回転寿司屋の前で、参加者全員で記念撮影をしました。ちょっとした寄り道ですが、こうした場面が街歩きの楽しさをさらに深めてくれます。ケアステーション本町では、足湯が楽しめるとのことでしたが、時間の都合で今回はスキップ。その後、幡ヶ谷社会教育館へ戻り、街歩きは終了しました。
探索中は、ぐっとあっぷガヤメンバーと参加者が自然にコミュニケーションを取りながら進みました。ぐっとあっぷガヤメンバーからは、街に関する情報の他に、メンバーのちょっとしたエピソードも紹介され、それが参加者との密なコミュニケーションが生まれた理由なのかな、と感じました。
さらに、社会教育会館に戻った後、探索の振り返りとして、参加者とぐっとあっぷガヤメンバーが協働で「気づきマップ」を作成しました。探索中の会話を思い出しながら、それぞれが感じたことや印象に残った場所を自由に書き込みました。個々の視点が集まり、一枚のマップを、まさに“ガヤガヤ”しながらまとめていく過程は、とても興味深いものでした。こうした振り返りを通じて、街歩きが単なる移動ではなく、学びや発見の積み重ねであることも実感しました。

授業の締めくくりは、今回の企画づくりに関わった上智大学の笠原先生から「インクルーシブリサーチ」の紹介もありました。インクルーシブリサーチとは、研究のプロセスに障がいのある人や多様な背景を持つ人々を積極的に参加させ、共に考え、共に作り上げるアプローチです。従来の「研究者が一方的に調査する」形ではなく、当事者の視点を取り入れることで、より現実に即した知見を得ることができます。今回の街歩きも、その考え方に基づいており、ぐっとあっぷガヤメンバーが主体的に企画に関わったこと自体がインクルーシブリサーチの実践例だと感じました。ただ、このような研究は、日本ではまだ少ないとも紹介されました。このことから、知的障がい者の活動支援に関する研究は、まだまだ福祉分野が中心であるという印象を受けました。
最後に、個人的な感想となりますが、今回、短い時間ですが、初台を探索して感じたことは、住宅街の中に公共施設が点在する構造となっており、街になじみのない人には、公共施設が分かりにくい場所にある、という事です。案内の看板も、町の雰囲気に合わせた小さなものが多く、初心者にはやや不親切に感じました。ただ、これは、裏を返すとこの周辺にある公共施設が地域に密着したものである、ということを示しているのかな、と感じました。

(レポート&写真:山口圭治、写真:吉川真以)
まず、授業の冒頭で、ぐっとあっぷガヤメンバーの自己紹介や参加メンバーの自己紹介などを行った後、簡単な説明を受けて、街歩きがスタート。今回は、2つのチームに分かれました。1つは、きょうこさん&よしえさんが先導する幡ヶ谷駅方面。もう1つは、くまちゃん&みーちゃんが先導する初台方面チームです。
幡ヶ谷方面の、きょうこさん&よしえさんチーム、最初の目的地は近所のファミレスです。入り口につながるのは長く急な階段。一方、エレベーターは狭く、車椅子で乗り込むのは大変そうです。「ちょっと入るのが怖いかも」という声。近くの別のファミレスに至っては階段しかありません。「車椅子の人は入れないんですよね…」と、よしえさん。駅の改札にも立ち寄り、バリアフリーの視点で気になるところを写真に収めていきます。

こちらのチームの最終目的地は、最近新しくできた公共施設。スタート地点からはちょっと遠くて道も複雑ですが、きょうこさんは最近まで住んでいた地元ということで、地図を見ることなく、迷わずスイスイ進んで案内してくれます。「すごい!」「頼りになる!」と言われながら、ある銭湯の前へ。「ここは昔よく行ったんですよ〜」と銭湯の前でピース。写真に撮ろうとすると、後ろから「あれ?きょうこちゃん!」と声が。ばったりお友達に遭遇しました!銭湯を後にした道中も「あら、こんにちは〜!」と別のお友達とすれ違う。地元ならではの微笑ましい光景でした。

一方、初台方面のくまちゃん&みーちゃんチーム、最初の目的地は本町図書館。みーちゃんの案内で住宅街を抜けると、小さな図書館が現れました。外観はシンプルで、地域に根ざした雰囲気が漂っていると感じました。ここでは、みーちゃんから、渋谷区では図書カードをスマホで登録できるということ。参加者の間でも「便利だね」という声が上がりました。

次の目的地へ。都会では珍しいこんにゃく屋さんの前を通りました。残念ながらお店は閉まっていましたが、近づくとほんのり漂うこんにゃくの香りが印象的でした。こうした小さな発見が、街歩きならではの楽しみだと感じました。
さらに歩を進め、オペラシティへ。ここにあるコーヒーショップの前で、くまちゃんがエピソードを紹介してくれました。くまちゃんにとって、オペラシティ内にあるその店は、「気持ちを落ち着かせる場所」だそうです。仕事でいやなことがあった時など気分を切り替えたいときに立ち寄り、コーヒーを飲みながら一息つく場所だそうです。くまちゃんの仕事場も訪れたあと、次はケアステーション本町へ。その途中、みーちゃんがよく行くという回転寿司屋の前で、参加者全員で記念撮影をしました。ちょっとした寄り道ですが、こうした場面が街歩きの楽しさをさらに深めてくれます。ケアステーション本町では、足湯が楽しめるとのことでしたが、時間の都合で今回はスキップ。その後、幡ヶ谷社会教育館へ戻り、街歩きは終了しました。
探索中は、ぐっとあっぷガヤメンバーと参加者が自然にコミュニケーションを取りながら進みました。ぐっとあっぷガヤメンバーからは、街に関する情報の他に、メンバーのちょっとしたエピソードも紹介され、それが参加者との密なコミュニケーションが生まれた理由なのかな、と感じました。
さらに、社会教育会館に戻った後、探索の振り返りとして、参加者とぐっとあっぷガヤメンバーが協働で「気づきマップ」を作成しました。探索中の会話を思い出しながら、それぞれが感じたことや印象に残った場所を自由に書き込みました。個々の視点が集まり、一枚のマップを、まさに“ガヤガヤ”しながらまとめていく過程は、とても興味深いものでした。こうした振り返りを通じて、街歩きが単なる移動ではなく、学びや発見の積み重ねであることも実感しました。

授業の締めくくりは、今回の企画づくりに関わった上智大学の笠原先生から「インクルーシブリサーチ」の紹介もありました。インクルーシブリサーチとは、研究のプロセスに障がいのある人や多様な背景を持つ人々を積極的に参加させ、共に考え、共に作り上げるアプローチです。従来の「研究者が一方的に調査する」形ではなく、当事者の視点を取り入れることで、より現実に即した知見を得ることができます。今回の街歩きも、その考え方に基づいており、ぐっとあっぷガヤメンバーが主体的に企画に関わったこと自体がインクルーシブリサーチの実践例だと感じました。ただ、このような研究は、日本ではまだ少ないとも紹介されました。このことから、知的障がい者の活動支援に関する研究は、まだまだ福祉分野が中心であるという印象を受けました。
最後に、個人的な感想となりますが、今回、短い時間ですが、初台を探索して感じたことは、住宅街の中に公共施設が点在する構造となっており、街になじみのない人には、公共施設が分かりにくい場所にある、という事です。案内の看板も、町の雰囲気に合わせた小さなものが多く、初心者にはやや不親切に感じました。ただ、これは、裏を返すとこの周辺にある公共施設が地域に密着したものである、ということを示しているのかな、と感じました。

(レポート&写真:山口圭治、写真:吉川真以)
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