授業レポート
2019/10/24 UP
オトナのための「マナビとアソビの実験室」
皆さんは、“授業”と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
おそらく、決められた学習内容に沿って、先生が生徒に教える構図が頭に浮かぶと思います。
しかし、今回の"授業"は、決められたゴールもあらかじめ用意された設定もないちょっと変わった授業です。
そのため今日は、授業が始まる前から普段とは少し違います。
教室には、レーザーカッターとタブレット・エコマテリアル(*)・プロジェクター・クルーガンなどの材料や道具が並んでいます。
(*エコマテリアルとは、優れた特性・機能を持ちながら、より少ない環境負荷で製造・使用・リサイクルまたは廃棄でき、しかも人に優しい材料のことを言います。今回用意されたエコマテリアルは、何の部品か全くわからない不思議なものばかり...詳細は写真をご覧ください。)
受付が始まり、徐々に参加者の方が集まってきました。普段はスタッフが席に案内しますが、今日は自分で好きなところにイスを運び、好きに過ごしてもらいました。
「あらかじめゴールを設定せずに参加者たちが自ら作り上げる。自分から動かないと何も始まらない場に身を置く、オトナのための実験をしてみたかったんです。」という授業コーディネーターの声で授業が始まりました。
今回の授業の1人目のゲストは、千葉県柏の葉で小学生以上を対象としたクリエイティブスペース「VIVISTOP」を運営しているVIVITA Japan, Inc.の佐藤桃子さんです。
最初の3分ほどで材料や道具の紹介を終え、さっそく実験の時間へ。
自由に使える材料、道具、そして数人のスタッフがいる以外は、何もない空間で、VIVISTOPに初めて参加する子どもたちと同じように、自分の責任で楽しむ1時間を過ごします。
<開始数分後の参加者の様子>
・一通り材料を物色してみる人
・部品を両手に持ちながら考え事をする人
・白い紙に設計図を書く人
・クルーガンでマテリアル同士の接着を試みる人
・他の人の作業の様子を見る人
<実際に自由時間を過ごしてみた感想>
・材料や工具を見ても、何も思いつかない...
→ベルトのようなものとコルクをくっつけたらおもしろそう!
→どうやってくっつけよう...うろうろ
→試しにクルーガンで接着してみる
→...できた!
結果的に、肩から斜めがけするマシンガン銃弾ベルトのようなものができあがりました...!
全体を通しての感想は、意外にも時間が足りない!ということでした。
最初は戸惑った自由時間も、終わってみれば時間が足りず、簡単なものしか作れなかったのが悔しい...
しかし、想像しながら手を動かして「あーでもない、こーでもない」と模索する作業はすごく楽しかったです。
レーザーカッターには、10人ほど人が集まったため、番号札を配る自体にもなりました。周りとおしゃべりしたり、誰かと一緒に作ったりするような様子はあまりなく、皆さん黙々と作業に没頭していたのも印象的でした。
<グループごとに振り返り(作品発表会)>
参加者の皆さんは、自分の中に蓄えていた発想や思いをやっと吐き出せる!というような雰囲気で、オリジナルの作品を紹介していましたが、何より皆さんの発想力に驚きました。
・ブラシを本体にして虫を作った人
・ちゃんと耳にかけられる3Dメガネを作った人
・穴に落とさないようコマを跳ねさせてマスをすすめるゲームを作った人
・小さな家のような模型を作り、様々な角度から写真を撮ることに没頭していた人 もいました。
<皆さんの作品を見た感想>
授業が始まる前の心配をよそに、オトナの発想力が子どもより劣っているとは言えないかもしれない、むしろ知識や教養があるからこそ、オトナにしか作れないものもあるかもしれない、と感じている自分がいました。
子どもには子どもにしかできないものがあるように、その逆もあるのでしょう。
オトナには無理だ、と決めつけていたのは、オトナである自分たち自身だったのかもしれない、と思いました。
ゲストの佐藤桃子さんも、「オトナたちにこの作業をしてもらうだけで、1時間持つのか…」と不安だったそうです。しかし実際に作業時間になってみると、予想を遥かに上回って皆さんたくさん手を動かして楽しんでくれていてよかった、とおっしゃっていました。
それもそのはず。終了予定時刻になっても、参加者の皆さんの作業をする手が止まらないため、10分ほど作業時間を延長したくらいでしたから。
そして授業の後半は、2人目のゲスト、建築家でワークショップデザイナーでもある小泉瑛一さんにバトンタッチして、VIVISTOPを改築する際のお話を聞きました。
子どもたちが主体となって一緒に作ることにこだわり抜いた改築の工程を、細かくお話してくださいました。“ゾーニング”という概念を子どもたちに伝えたところ、子どもたちはすぐにそれを理解して、たくさんのアイデアを出してくれたというお話が印象的でした。
そんな子どもたちの手で生まれ変わったVIVISTOP柏の葉、皆さんも一度足を運んでみては?
(授業レポート:鴨志田和香奈)
おそらく、決められた学習内容に沿って、先生が生徒に教える構図が頭に浮かぶと思います。
しかし、今回の"授業"は、決められたゴールもあらかじめ用意された設定もないちょっと変わった授業です。
そのため今日は、授業が始まる前から普段とは少し違います。
教室には、レーザーカッターとタブレット・エコマテリアル(*)・プロジェクター・クルーガンなどの材料や道具が並んでいます。
(*エコマテリアルとは、優れた特性・機能を持ちながら、より少ない環境負荷で製造・使用・リサイクルまたは廃棄でき、しかも人に優しい材料のことを言います。今回用意されたエコマテリアルは、何の部品か全くわからない不思議なものばかり...詳細は写真をご覧ください。)
受付が始まり、徐々に参加者の方が集まってきました。普段はスタッフが席に案内しますが、今日は自分で好きなところにイスを運び、好きに過ごしてもらいました。
「あらかじめゴールを設定せずに参加者たちが自ら作り上げる。自分から動かないと何も始まらない場に身を置く、オトナのための実験をしてみたかったんです。」という授業コーディネーターの声で授業が始まりました。
今回の授業の1人目のゲストは、千葉県柏の葉で小学生以上を対象としたクリエイティブスペース「VIVISTOP」を運営しているVIVITA Japan, Inc.の佐藤桃子さんです。
最初の3分ほどで材料や道具の紹介を終え、さっそく実験の時間へ。
自由に使える材料、道具、そして数人のスタッフがいる以外は、何もない空間で、VIVISTOPに初めて参加する子どもたちと同じように、自分の責任で楽しむ1時間を過ごします。
<開始数分後の参加者の様子>
・一通り材料を物色してみる人
・部品を両手に持ちながら考え事をする人
・白い紙に設計図を書く人
・クルーガンでマテリアル同士の接着を試みる人
・他の人の作業の様子を見る人
<実際に自由時間を過ごしてみた感想>
・材料や工具を見ても、何も思いつかない...
→ベルトのようなものとコルクをくっつけたらおもしろそう!
→どうやってくっつけよう...うろうろ
→試しにクルーガンで接着してみる
→...できた!
結果的に、肩から斜めがけするマシンガン銃弾ベルトのようなものができあがりました...!
全体を通しての感想は、意外にも時間が足りない!ということでした。
最初は戸惑った自由時間も、終わってみれば時間が足りず、簡単なものしか作れなかったのが悔しい...
しかし、想像しながら手を動かして「あーでもない、こーでもない」と模索する作業はすごく楽しかったです。
レーザーカッターには、10人ほど人が集まったため、番号札を配る自体にもなりました。周りとおしゃべりしたり、誰かと一緒に作ったりするような様子はあまりなく、皆さん黙々と作業に没頭していたのも印象的でした。
<グループごとに振り返り(作品発表会)>
参加者の皆さんは、自分の中に蓄えていた発想や思いをやっと吐き出せる!というような雰囲気で、オリジナルの作品を紹介していましたが、何より皆さんの発想力に驚きました。
・ブラシを本体にして虫を作った人
・ちゃんと耳にかけられる3Dメガネを作った人
・穴に落とさないようコマを跳ねさせてマスをすすめるゲームを作った人
・小さな家のような模型を作り、様々な角度から写真を撮ることに没頭していた人 もいました。
<皆さんの作品を見た感想>
授業が始まる前の心配をよそに、オトナの発想力が子どもより劣っているとは言えないかもしれない、むしろ知識や教養があるからこそ、オトナにしか作れないものもあるかもしれない、と感じている自分がいました。
子どもには子どもにしかできないものがあるように、その逆もあるのでしょう。
オトナには無理だ、と決めつけていたのは、オトナである自分たち自身だったのかもしれない、と思いました。
ゲストの佐藤桃子さんも、「オトナたちにこの作業をしてもらうだけで、1時間持つのか…」と不安だったそうです。しかし実際に作業時間になってみると、予想を遥かに上回って皆さんたくさん手を動かして楽しんでくれていてよかった、とおっしゃっていました。
それもそのはず。終了予定時刻になっても、参加者の皆さんの作業をする手が止まらないため、10分ほど作業時間を延長したくらいでしたから。
そして授業の後半は、2人目のゲスト、建築家でワークショップデザイナーでもある小泉瑛一さんにバトンタッチして、VIVISTOPを改築する際のお話を聞きました。
子どもたちが主体となって一緒に作ることにこだわり抜いた改築の工程を、細かくお話してくださいました。“ゾーニング”という概念を子どもたちに伝えたところ、子どもたちはすぐにそれを理解して、たくさんのアイデアを出してくれたというお話が印象的でした。
そんな子どもたちの手で生まれ変わったVIVISTOP柏の葉、皆さんも一度足を運んでみては?
(授業レポート:鴨志田和香奈)