授業レポート
2018/12/3 UP
「森」をつくる。2018
~明治神宮の森でどんぐり拾い 13~
はじめまして。杉山子竜と申します。
僕は第1回の授業から参加していて※、高校生になった今年、
初めてシブヤ大学のスタッフとして参加することになりました。
そんな僕から見える景色をお伝えしたいと思います。
(※事務局注:子竜さんは4歳から毎年!ご参加いただいています。)
10月第3土曜日。穏やかな日差しの中、授業は開催されました。
開校と同時にスタートしたこの授業も13回目。毎年11月に開催していたけれど、
今年は1か月早い10月開催。13回目にして初めての出来事。
小さな変化だけれど、この13年を振り返りつつ、自然からのメッセージなのかもしれないという想いとともに、
今年の授業をレポートしたいと思います。
今年も昨年度に続き、授業を担当してくださるのはNPO法人響の本間さんです。
この授業を毎年支えてくださっている響の皆さん。今年も生徒の皆さんを笑顔で迎えてくださいました。
小さな男の子と一緒に参加している親子の姿に、初めて参加したころの自分を思い出して、懐かしく感じました。
(最初の鳥居から次の鳥居までしか歩けなかったらしい…)
森の中に一歩足を踏み入れると、静けさと、少し気温が下がることで感じる空気の違いに、
いつも背中がスッとまっすぐになるような感じ。原宿駅を挟んでの喧騒との差にここは本当に東京なんだろうかと
毎年思う。そして、変わらずここにあるこの森にとても安心します。
それでも、当たり前のようにあるこの森も、約100年前には何もなかったこの土地に
全国からの献木が集められ、たくさんの青年ボランテイアによって創られた人工の森で、しかも150年後に自活できる森になるように
考えられているということに、すごいことだなと圧倒させられる。
大鳥居の近くにある3本の木。自然では決して存在しない配置になっているという小さな証拠を教えてもらい、
改めてこの森を創った先人たちに『想いはちゃんと届いています!』と、時空を超えて届くといいなと思いました。
本殿を参拝し、明治神宮で採取できるどんぐりの見本を見てから、いざどんぐり拾いへ!
どんぐり拾いに夢中になりながら、ふと、(そういえば今年はまだ10月だったな)と思い出し、
1カ月も違うのに、たくさん落ちていることに少し違和感を感じました。僕の住んでいる静岡でも9月前半には
どんぐりが落ちていました。(やっぱりいつもより早い…)今年の猛暑も影響しているということ。
この13年を振り返ってみても、やっぱり年々暖かくなっていると感じるとともに、台風の規模や頻度からみても
この異常気象といわれている状態が続いていけば、異常が異常ではなくなって、日本の四季から秋がなくなってしまうのではないかと
心配になりました。どんぐりたちもこの変化を感じ取っているのだろうか…
そんな想いを皆さんと共有したくて、一冊の絵本を紹介することにしました。
紹介した絵本は『どんぐりかいぎ』作:こうやますすむ 絵:片山健 出版社:福音館書店
“どんぐりの木たちは、実を小動物たちに食べつくされて大弱り。「どうしたら元気な若木を育てられるだろう?」
と会議を開きます。植物界と動物界の知恵くらべがはじまりました。” (出版社からの内容紹介)
どんぐりには豊作の年である“なり年”と不作の年である“ふなり年”があって、その理由を作者の方なりに考えて絵本の中で述べているのですが、読み終えると
人間から見た自然の不思議にはいっぱい知恵が詰まっていて、本当にどんぐりたちは人間にはわからない言葉のようなものを使って、
会話しているんじゃないかと思えてくる。森の中、どんぐりの木たちに囲まれていると今にも声が聴こえてきそうだ。
最近の暑さをどう感じているんだろう?どう話し合っているんだろうか?そんな風に想像してみると、今まで以上にどんぐりたちに愛着がわいてきました。
『どんぐりを拾うスピードが違う』と小さいころから言われてきたけど、1粒でも多くのどんぐりたちを救いたいという想いは今も変わらず、
口にすることはないけれど、言葉にしなくても気持ちは届くんじゃないかなと、そうならいいなと改めて思いました。
どんぐり畑を目指しながら、まだまだどんぐり拾いは続きます。拾えば拾うほど、皆さんの目も慣れてきて、
たくさん落ちているどんぐりの中からぷっくり、つやつやのどんぐりを自然にみつけられるようになっていきました。
この数時間で、どんぐりの種類もその違いを見分けられるようになりました(スゴイ!)
今日一日、たくさん拾ったどんぐりたちをどんぐり畑に移動して選別します。(アカガシ シラカシ マテバシイ スダジイ クヌギ コナラ)
水を張ったバケツにどんぐりたちを開放する。虫に食べられたり中身がないどんぐりたちは表面に浮いてくる。
なんだか今日一日の評価をされるみたいでドキドキする。みんなでじっと注目するー
圧倒的に沈んだどんぐりたちのほうが多くて、みんなでほっとして、そして笑顔があふれました!このどんぐりたちが元気に育ちますように…
ここまでが例年の作業でしたが、今回は今育てている苗木の草取りをしました。13回目にして初めての作業です。
少しの時間ではあったけれど、やっぱり大変で、こうした地道な作業もとても大切な過程の1つで、命を続けていくということはとても手間のかかることだと感じました。
最後に、新たに迎え入れる家族となる苗木をそれぞれ選びました。
どんぐりを育てるコツは、愛情をもって、たくさん会話をすること!
きっと方法は1つじゃないし、皆さんそれぞれが自分にできることを精一杯やってみる。そして、どんな形でもいいから続けていくことが
大切だと思います。
響のみなさん いつも支えてくださってありがとうございます。どんぐりを通じてたくさんの人たちの想いをつなげていく活動が
一人でも多くの人に届くように、盛り上げていきましょう!
参加した皆さん また来年、成長したどんぐりたちも一緒に笑顔で会いましょう!
まだ参加したことがない皆さん どんぐりたちと会話をしに来ませんか?明治神宮の森で待っています!
(レポート:杉山子竜、写真:佐藤聖子)
僕は第1回の授業から参加していて※、高校生になった今年、
初めてシブヤ大学のスタッフとして参加することになりました。
そんな僕から見える景色をお伝えしたいと思います。
(※事務局注:子竜さんは4歳から毎年!ご参加いただいています。)
10月第3土曜日。穏やかな日差しの中、授業は開催されました。
開校と同時にスタートしたこの授業も13回目。毎年11月に開催していたけれど、
今年は1か月早い10月開催。13回目にして初めての出来事。
小さな変化だけれど、この13年を振り返りつつ、自然からのメッセージなのかもしれないという想いとともに、
今年の授業をレポートしたいと思います。
今年も昨年度に続き、授業を担当してくださるのはNPO法人響の本間さんです。
この授業を毎年支えてくださっている響の皆さん。今年も生徒の皆さんを笑顔で迎えてくださいました。
小さな男の子と一緒に参加している親子の姿に、初めて参加したころの自分を思い出して、懐かしく感じました。
(最初の鳥居から次の鳥居までしか歩けなかったらしい…)
森の中に一歩足を踏み入れると、静けさと、少し気温が下がることで感じる空気の違いに、
いつも背中がスッとまっすぐになるような感じ。原宿駅を挟んでの喧騒との差にここは本当に東京なんだろうかと
毎年思う。そして、変わらずここにあるこの森にとても安心します。
それでも、当たり前のようにあるこの森も、約100年前には何もなかったこの土地に
全国からの献木が集められ、たくさんの青年ボランテイアによって創られた人工の森で、しかも150年後に自活できる森になるように
考えられているということに、すごいことだなと圧倒させられる。
大鳥居の近くにある3本の木。自然では決して存在しない配置になっているという小さな証拠を教えてもらい、
改めてこの森を創った先人たちに『想いはちゃんと届いています!』と、時空を超えて届くといいなと思いました。
本殿を参拝し、明治神宮で採取できるどんぐりの見本を見てから、いざどんぐり拾いへ!
どんぐり拾いに夢中になりながら、ふと、(そういえば今年はまだ10月だったな)と思い出し、
1カ月も違うのに、たくさん落ちていることに少し違和感を感じました。僕の住んでいる静岡でも9月前半には
どんぐりが落ちていました。(やっぱりいつもより早い…)今年の猛暑も影響しているということ。
この13年を振り返ってみても、やっぱり年々暖かくなっていると感じるとともに、台風の規模や頻度からみても
この異常気象といわれている状態が続いていけば、異常が異常ではなくなって、日本の四季から秋がなくなってしまうのではないかと
心配になりました。どんぐりたちもこの変化を感じ取っているのだろうか…
そんな想いを皆さんと共有したくて、一冊の絵本を紹介することにしました。
紹介した絵本は『どんぐりかいぎ』作:こうやますすむ 絵:片山健 出版社:福音館書店
“どんぐりの木たちは、実を小動物たちに食べつくされて大弱り。「どうしたら元気な若木を育てられるだろう?」
と会議を開きます。植物界と動物界の知恵くらべがはじまりました。” (出版社からの内容紹介)
どんぐりには豊作の年である“なり年”と不作の年である“ふなり年”があって、その理由を作者の方なりに考えて絵本の中で述べているのですが、読み終えると
人間から見た自然の不思議にはいっぱい知恵が詰まっていて、本当にどんぐりたちは人間にはわからない言葉のようなものを使って、
会話しているんじゃないかと思えてくる。森の中、どんぐりの木たちに囲まれていると今にも声が聴こえてきそうだ。
最近の暑さをどう感じているんだろう?どう話し合っているんだろうか?そんな風に想像してみると、今まで以上にどんぐりたちに愛着がわいてきました。
『どんぐりを拾うスピードが違う』と小さいころから言われてきたけど、1粒でも多くのどんぐりたちを救いたいという想いは今も変わらず、
口にすることはないけれど、言葉にしなくても気持ちは届くんじゃないかなと、そうならいいなと改めて思いました。
どんぐり畑を目指しながら、まだまだどんぐり拾いは続きます。拾えば拾うほど、皆さんの目も慣れてきて、
たくさん落ちているどんぐりの中からぷっくり、つやつやのどんぐりを自然にみつけられるようになっていきました。
この数時間で、どんぐりの種類もその違いを見分けられるようになりました(スゴイ!)
今日一日、たくさん拾ったどんぐりたちをどんぐり畑に移動して選別します。(アカガシ シラカシ マテバシイ スダジイ クヌギ コナラ)
水を張ったバケツにどんぐりたちを開放する。虫に食べられたり中身がないどんぐりたちは表面に浮いてくる。
なんだか今日一日の評価をされるみたいでドキドキする。みんなでじっと注目するー
圧倒的に沈んだどんぐりたちのほうが多くて、みんなでほっとして、そして笑顔があふれました!このどんぐりたちが元気に育ちますように…
ここまでが例年の作業でしたが、今回は今育てている苗木の草取りをしました。13回目にして初めての作業です。
少しの時間ではあったけれど、やっぱり大変で、こうした地道な作業もとても大切な過程の1つで、命を続けていくということはとても手間のかかることだと感じました。
最後に、新たに迎え入れる家族となる苗木をそれぞれ選びました。
どんぐりを育てるコツは、愛情をもって、たくさん会話をすること!
きっと方法は1つじゃないし、皆さんそれぞれが自分にできることを精一杯やってみる。そして、どんな形でもいいから続けていくことが
大切だと思います。
響のみなさん いつも支えてくださってありがとうございます。どんぐりを通じてたくさんの人たちの想いをつなげていく活動が
一人でも多くの人に届くように、盛り上げていきましょう!
参加した皆さん また来年、成長したどんぐりたちも一緒に笑顔で会いましょう!
まだ参加したことがない皆さん どんぐりたちと会話をしに来ませんか?明治神宮の森で待っています!
(レポート:杉山子竜、写真:佐藤聖子)