地球外生命の謎をとく！？

「地球外生命」と聞いて、皆さんはどんなものを想像しますか？
映画に登場するような目が大きくてタコのような手足をしたエイリアン、形がはっきりしないアメーバなどの原生生物、それとも･･････。

近年、天文学の最先端では、「系外惑星」という他の恒星をめぐる惑星が相次いで発見され、センセーションを引き起こしています。「系外惑星」は、恒星やブラックホールなどの天文学における他の対象天体とは違って、そこには生命がいるかもしれないということで、これまで天文学の世界では語られることがなかった「地球外生命」というキーワードが、天文学者たちの間を飛び交うようになってきました。

生命の起源自身はとてつもなく大きな謎ですが、“生命が生まれる可能性がある環境を備えた惑星”＝“表面に海を持つ惑星”の存在確率が、最新の観測データとコンピュータ・シミュレーションによって、具体的な数字として分かるようになってきました。また、大望遠鏡による観測で、他の恒星をめぐる惑星に生命がいる痕跡（バイオ・マーカー）を捕えようという計画も具体的に議論されています。一方で、地球の生命がどのように進化してきたのかという事実も、精密な地質学やゲノム分析によって明らかになってきました。地球生命は地球自身の大変動に大きく左右されながら断続的に進化し、生命は地球環境を大きく変えてきたのです。

本授業では、惑星研究の第一人者である井田茂さんに、「地球外生命」を天文学という角度、生命居住可能環境の惑星というキーワードから講義をしていただきます。

西洋においては何百年も、「全能の神は、地球以外にも等しく命を与えたもう」という考えと、「神に選ばれた地球は奇跡的な存在で、生命はこの地球にのみ存在する」という考えの二つの極端な考え方が対立してきました。生命はこの宇宙に充満している普遍的なものなのか、特別なものなのか、充満しているならどのような多様性があるのかといった、人類の世界観を覆すような問に、科学が実証的に答えを出す日もそう遠くないかもしれません。

【授業のヒント】
■　ドップラー偏移
■　地球型惑星
■　H(水素)＞He(ヘリウム)＞O(酸素)＞C(炭素)
■　カンブリアの生命大進化

（授業コーディネーター：嘉村真由美）