わたしたちの緊急事態

2020年4月7日、緊急事態宣言が発令され、新型コロナウィルス感染症の拡大を防ぐために社会に様々な変化が起きました。

その変化は、私たちをあらゆる形で分断していきました。
緊急事態宣言のずっと前から不安な日々を過ごしていた人、大きな影響があって仕事を失った人、家族との時間が全く変わってしまった人、社会を支えるために奔走している人、そしてあまり影響がなかった人。
考え方も生活もそれぞれ違うにもかかわらず、団結した対応が求められました。
私たちは、対話し手を取りあうことが難しい状況で、とても大きな困難へと立ち向かうことを強いられています。

今も困難な社会環境は続いています。
その一方で、今年の春に起きた様々な変化に少しずつ適応し、忘れつつあることも事実だと思います。
この授業では、ニュースなどで繰り返し報道されることなどで歴史化されてしまいつつある「私たちの緊急事態」について、自分が出会ったあの日の出来事をもう一度思い出す時間を作ります。

先生として登壇してくださるのは、出版社の左右社さんです。
まだまだ社会が混乱していた6月に、新型コロナウィルス感染拡大下で日常が変化してしまった77人の日記を載せた『仕事本　わたしたちの緊急事態日記』を出版されました。
書き手は有名人なアーティストや作家だけでなく、街のスーパーで働く人、タクシー運転手、ごみ清掃員、牧師、ホストクラブ経営者など様々で、それぞれの仕事を通して経験した2020年4月の日常を読むことが出来ます。



当日は、先生からの出版経緯についてのお話しや『仕事本　わたしたちの緊急事態日記』の試し読みの時間に加え、参加者のみなさんが4月の日常を思い出して話し合う時間を作ろうと思っています。
授業が終わり自宅に帰った後、みなさんなりの緊急事態日記を書いていただけると嬉しいです。

日記は、苦しいことも楽しいことも同じように記録するものだと思います。変化を強いられた日常の悲しみとそれでも失われていない喜びを改めて思い出す時間にしたいと思います。

（授業コーディネーター：田中佳祐）

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