シブヤ大学

シブヤ大学ツーリズム06
『人間だけがすべてじゃない~生物多様性社会のつくり方~@長野』
プログラム2-B 「水田に潜む〝多様性調査隊〟」

07:30-00:00
  • 長野県飯島町
  • 松木 洋一 [日本獣医生命科学大学名誉教授(農業経済学)]
参加費
無料
定員
10名
参加対象
どなたでも。

当日の持ち物
汚れてもよい動きやすい作業着(ジャージ等)、汚れてもよい靴、雨天時のための雨具(傘やレインコート)をご持参ください。また、宿泊施設に浴衣・タオル・歯ブラシ(洗面具)・石鹸等はございませんので各自にてご用意ください。夜は冷え込みますので防寒着をご持参されますことをお勧めいたします。              
申し込み方法
上記受付期間中、WEBフォームより抽選予約制で申し込みを受付いたします。
※抽選後にキャンセルが発生した場合は先着順で受付再開します。
※1回のお申し込みにつき、1名様のご入場となりますのでご了承ください。同じ方が同じ授業に2回申し込みは出来ません。              
【授業料(実費)】27,000円(バス、ガソリン、高速道路使用料、食事、宿泊、温泉、各種材料の代金)につきましては、事前入金となります。お申込確認時にトップツアー株式会社担当者よりメールで連絡させて頂きますので、内容をご確認の上、メール到着より5日以内にご入金ください。ご注意:キャンセルの際は必ずトップツアーまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。(トップツアーTEL:03-3231-0431 担当:木原)。【集合】集合場所へは時間までに必ずお集まり下さい。【撮影等】本授業では、授業中以外の写真撮影のみ認めます。その他の録音機器等のお持込は固くお断りさせて頂きますので、ご了承下さい。
※1:本授業は、1泊2日のバスツアーとなります。
※2:本授業では、プログラム2の中で3つのチームに分かれて頂きます。お申込につきましても、それぞれの体験チームごとに受付をいたしますので、予めご了承ください。
※3:お申し込みは先着順となっております。申込締切日は、出発日の5日前(11月20日0時)までとさせて頂きます。
※4:本授業は旅行業法上、トップツアー株式会社の旅行企画・実施となります。
アウト オブ キャンパス!

シブヤ大学は、街の「外」に学びの場をつくります。日本が誇る華やかな都市、東京。その中でも渋谷は、いろいろな人たちが行き交い交流する街ですが、この街ではできないことももちろんあります。それは圧倒的な「自然体験」。

都市にはいろいろなモノが溢れています。その一方で、日本の農山漁村は過疎化が叫ばれています。でもその美しい風景の中には、心身を癒してくれる温かな資源と、生きるための智慧(ちえ)がたくさんあります。長い歴史の中で築かれてきた、その地に生きる人たちと、恵まれた自然との物語。この新シリーズでは、渋谷の街ではできない、シブヤ大学ならではの校外授業を行います。シブヤ大学流の「ツーリズム」。シブヤとニホンの交流です。

今回のツーリズム第6弾では、町全体で「生物多様性社会の再生」に取り組む、長野県の中央アルプスと南アルプスの谷間にある飯島町という人口10,000人の町に伺います。

町では生物多様性社会の再建に取り組むために『1000ヘクタール自然共生農場計画』を策定し、地域の専門家が設立した研究所が中心となって、昭和30年代に生息していた多様な生き物の再生を実現するために生物調査や自然観察、里山整備などを行っています。
その研究所の常任研究員さん達が日々行っている作業をお手伝いしながら、今後の私達の生き方を考えてみましょう。

「観光」だけでは決して見ることのできない魅力と生きる力。「体感」や「交流」を通じた“ツーリズム”という名の授業で、地元のお手伝いをしながら、みんなで飯島町の魅力を、見て、感じて、学んでみましょう。

みなさんにとって、「もう一つのふるさと」になりますように!

【授業プログラム】
■プログラム総合『生物多様性社会のつくり方』
今から50年前の昭和30年代の日本には、農村のみならず東京都内にも「蛍」が乱舞し、子供達は小川や田んぼでフナやドジョウ、ザリガニ、里山や雑木林に入ればカブトムシやセミを捕まえては遊んでいました。しかし、いつの間にか自然豊かなはずであった「農村」が、いま荒れ果てています。農業者が数千年にわたって管理してきた里山・水田・小川などの第二次自然(AgriNature:農業自然)が、戦後の食糧難時代からの増産政策によって農薬や化学肥料が過剰に使われた結果、その農業自然が破壊されているのです。自然を回復する。それは、一体どういうことなのでしょう。キーワードは、生物多様性。つまり、「生き物の賑わい」です。多様性がある事の意味は、生命があらゆる環境でも生き残っていくためのリスクヘッジですが、その賑わい自体に世界の豊かさがあるのです。
今回のツーリズムでは、まったく異なる「3つの育む視点」をご用意しました。それぞれ興味のある『隊』に参加して、ぜひ生物が賑わう社会の作る一役を担ってください。私たち人間は、命を「作る」ことはできませんが、「育む」ことはできます。そして育むことのその先に、多様性社会が生まれるのです。農地と森林の所有者であり経営者である農業者がもう一度多様な生物が生息していた世界を思い出し、「生物多様性社会」を再建する主体になってもらいたいものです。それには都市の消費者がパートナー(協働者)となることが不可欠です。この講座ではヨーロッパや日本の先進事例を紹介しながら「日本の自然はだれが守るのか?」を考えていきたいと思います。
先生:松木洋一(アグリネイチャーフィールドミュージアム研究所館長、日本獣医生命科学大学教授)

【昭和30年代の景観イメージ・飯島町】
 
■プログラム1 『1000ヘクタール自然共生農場をめざす飯島町』
飯島町が行う生物多様性再生プロジェクトについて話を伺います。
先生:松木洋一(アグリネイチャーフィールドミュージアム研究所館長、日本獣医生命科学大学教授)

■プログラム2 『3つの〝隊〟』
3つの隊に別れ研究所の常任研究員さんのお手伝いを行います。

■プログラム2-A 『サルと暮らすための〝生息調査隊〟』
今年の3月、一匹の雌ザルが、人里に設置された捕獲檻に入りました。このサルは、奥山で生息しているサルよりも大きい個体でした。なぜなら、人里に生息するサル達は、冬季間は田畑に出没して餌を食べることができるので、栄養状態が非常に良いのです。しかもここに出没する群れは、30頭ほど。このような群れが、一度に収穫前のリンゴ畑などに入り込まれては、農家の人にとっては被害があまりに大きいのです。このままでは、彼らを排除しなければならなくなります。
そこでこの『生息調査隊』では、発信器を装着したサルをみなさんに探していただき、その生息をより詳細に把握することで、人里とサルの共存できる里作りに役立てたいと思います。
ニホンザルと暮らすための『生息調査隊』に参加して、この機会に「サルと人間」との付き合い方について考えてみていただければと思います。
先生:吉田保晴(アグリネイチャーフィールドミュージアム研究所常任研究員、長野県自然観察インストラクター)
 
【人里に出現したサルと追跡調査風景】

■プログラム2-B 『水田に潜む〝多様性調査隊〟』
飯島町では、自然と共生し安全・安心な農作物を生産するために、減農薬・無化学肥料による「自然共生農業」に取り組んでいます。実際、この取り組みを続けることによって、田んぼで少なくなってきたと言われるドジョウやカエル、ホタルなどが確実に増えていることが、水田での生き物調査によって実証されつつあります。そこでこの『多様性調査隊』では、みなさんに生き物と共生する水田の現場を訪ねていただき、実際に水田の土を掘り、どこに生き物が生息し、どんな生物が戻り、増えているのかの調査をお願いしたいと思います。
この調査内容は、冬期に水田で冬眠する生き物の実態を明らかにすることで、農家の方がこの一年実践してきた取り組みの「何」が効果をもたらしたのかを評価するために役立ちます。水田に潜む『多様性調査隊』に参加して、ぜひ多様性を育む意味を感じ取ってみてください。
先生:中村千賀(アグリネイチャーフィールドミュージアム研究所常任研究員 兼 室長)、斉藤久夫(アグリネイチャーフィールドミュージアム研究所常任研究員、農業者)
 
【アマガエルと調査を行う斉藤先生の水田】

■プログラム2-C 『樹木を間伐する〝里山整備隊〟』
かつて里山は、燃料として、あるいは農業生産としての価値を持っていました。飯島町においても、化学肥料が普及する前は『刈敷』を行っていました。『刈敷』とは、里山で刈り取った草や小枝を田畑にすき込んで肥料としたものです。しかし、この植林地も安価な外材の輸入により、整備されてきませんでした。そのため、一本一本の樹木は細く伸び、台風や雪の重みで折れてしまうものも出てきています。また、林床には光が当たらないため、下草も貧弱となります。
そこでこの『里山整備隊』では、樹齢20年ほど経過したヒノキ植林地の現状を観察しながら、実際にチェーンソーやノコギリを使って、樹木の間伐を行っていただきます。里山は人がすでに入り込んでしまった以上、間伐していかなければ死んでいってしまうのです。つまり間伐とは、森を育むことなのです。ぜひこの機会に、里山を育てる醍醐味を味わってみてください。
先生:知久平彰(アグリネイチャーフィールドミュージアム研究所常任研究員、長野県自然観察インストラクター)

【整備のされていない里山と知久平先生】

■プログラム3 『カラスとの遭遇』
中央アルプスの夕日を眺めながら、つぎつぎと飛来してくるカラスの群れを観察します。当たりが夕闇に迫る頃には、数千羽にもなります。上空を飛ぶカラスを観察しながら、人間との関係を考えましょう。
先生:吉田保晴(アグリネイチャーフィールドミュージアム研究所常任研究員、長野県自然観察インストラクター)

【カラスの群れとその後に入浴する温泉】

■プログラム4 『飯島をゆっくりと。』
2つのチームに別れて飯島町の持つ魅力をゆっくりと体験します。

■プログラム4-A 『アルプスとアルプスの間で。』
飯島町は2つのアルプスを見ることができる魅力のある町です。今回は〝中央アルプスと南アルプス〟の間に位置する陣馬形山に登り2つのアルプスを360度堪能します。
先生:知久平彰(アグリネイチャーフィールドミュージアム研究所常任研究員、長野県自然観察インストラクター)

【陣馬形山から見える南アルプスと中央アルプス】

■ プログラム4-B 『馬に乗る。そして、ご飯を握り五平餅つくり』
「アグリネイチャーいいじま」では、乗馬体験ができるようにと馬を飼っています。初めて馬を間近に見る人にとっては、その重量感に圧倒される人もいますが、馬から攻撃をかけることはありません。気持ちをリラックスにして馬にまたがっていると、自然に馬との一体感が生まれてきます。馬の上から見る視界は、普段私たちが歩いているときとはチョット違った感じです。
乗馬体験の後は、五平餅づくりです。地元産のコシヒカリを使って炊いたご飯は最高です。おいしく炊きあがったご飯を手で握り、形を整えながらひとつひとつ竹串に刺していきます。それが終わると、焦げ目がつくほどに焼き上げます。そして、秘伝の味噌にサンショウやクルミを混ぜ合わせたタレを付けてできあがりです。五平餅を作りながら、地元の話をしませんか。
先生:井上樹里(乗馬インストラクター)、宮下たみ子(ふるさとの味いいじまスタッフ)

【乗馬体験と五平餅づくり】

【当日の流れ】
<1日目:2007年11月24日(土)>(食事:朝× 昼○ 夕○)
07:30 シブヤ西武A館前 集合08:00 シブヤ西武A館前 出発(バス内は、他己紹介など)
11:40 アグリネーチャーいいじま 到着
11:50 飯島産そば粉を使用した信州そばの昼食
12:40 プログラム1 『1000ヘクタール自然共生農場をめざす飯島町』開始(飯島町が行う生物多様性について話をうかがう)
13:10 プログラム2 『3つの〝隊〟』開始
16:00 プログラム2 『3つの〝隊〟』終了(アグリネイチャーいいじまへ移動)
16:20 各チーム体験発表用資料作成 開始
16:45 各チーム体験発表用資料作成 終了(プログラム3へ移動)
17:15 プログラム3 『カラスとの遭遇』開始
17:45 プログラム3 『カラスとの遭遇』終了(温泉へ移動)
18:00 温泉入浴
19:00 温泉入浴 終了(アグリネイチャーいいじまへ移動)
19:30 各チーム体験発表&夕食&交流会
23:00 就寝(任意)

<2日目:2007年11月25日(日)>(食事:朝○ 昼○ 夕×)
07:30 起床
08:00 朝食
09:00 プログラム4 『飯島をゆっくりと。』のため2つのチームに別れる
09:10 プログラム4 『飯島をゆっくりと。』開始
12:00 プログラム4 『飯島をゆっくりと。』終了(アグリネイチャーいいじまへ移動)
12:10 手作り五平餅で昼食
13:10 最後のお話
13:30 最後のお話 終了(こだわりの道の駅へ移動)
14:00 こだわりの道の駅でお土産タイム
14:40 お土産タイム 終了(JR渋谷駅に向けて出発)
19:00 JR渋谷駅 到着 解散
※尚、当日の交通事情により、帰りの際の到着時間が変更となる場合もあります。予めご了承下さい。

【注意事項】

※1:バス、ガソリン、高速道路使用料、食事、宿泊、温泉、各種材料の代金として、お一人あたり「27,000円」をご旅行代金として頂戴いたします。

※2:1日目に行われる交流会の際のお飲物代(アルコール類、ソフトドリンク類)につきましては、上記1の代金には含まれておりません。当日アルコール類、ソフトドリンク類をご希望の方から「1,000円」、ソフトドリンク類のみご希望の方から「500円」を頂戴いたしますので、予めご了承ください。

※3:お申し込み頂いた方には、トップツアーより内容確認および振り込み案内のメールをさせていただきますので、メール到着より5日以内にご入金ください。
ご注意:キャンセルの際は必ずトップツアーまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。
(トップツアーTEL:03-3231-0431 担当:木原)

※4:最少催行人員は20名以上とし、添乗員は同行、バスガイドは乗務いたしません。

※5:雨天の場合は、一部プログラムを変更の上、実施いたします。

※6:各体験のための、汚れてもよい動きやすい作業着(ジャージ等)、汚れてもよい靴(長靴等)、軍手、雨天時のための雨具(傘やレインコート)をご持参ください。夜は冷え込みますので防寒着をご持参されます事をお勧めいたします。

※7:2日目のプログラム4 『飯島をゆっくりと。』のため2つのチームに別れて活動します。チーム分けは当日、参加者から希望を取り、定員に達した場合はくじ引き等で決めさせていただきます。ご希望に副えない場合もありますので予めご了承ください。

※8:宿泊施設は「アグリネーチャーいいじま」で、相部屋利用となります。浴衣・タオル・歯ブラシ(洗面具)・石鹸等はございませんので各自にてご用意ください。トイレ・お風呂・洗面所は共同です。

※9:お客様の個人情報はお客様との連絡のために利用させていただく他、お客様がお申し込みいただいた旅行において運送・宿泊機関などの提供するサービスの手配及び受領のための手続きに必要な範囲内で利用させていただきます。運送・宿泊機関などへの個人情報の提供について同意の上お申し込みください。また、お電話にて受付後、詳しい旅行条件を説明した書面をお送りいたしますので事前にご確認の上、お申し込みください。

【旅行企画・実施】
国土交通大臣登録旅行業第第38号 日本旅行業協会会員/ボンド保証会員
トップツアー株式会社八重洲支店
〒103-0028 東京都中央区八重洲1-8-17 新槇町ビル6F
総合旅行業務取扱管理者:青木 邦博
担 当 者:木原 啓介

総合旅行業取扱主任者とは、お客様の旅行を取り扱う営業所での取引責任者です。この旅行の契約に関し、担当者からの説明にご不明な点がありましたら、ご遠慮なく上記の総合旅行業取扱管理者にご質問下さい。

先生

[ 日本獣医生命科学大学名誉教授(農業経済学) ]

松木 洋一

アグリネイチャースチュワード協会理事長、農業と動物福祉の研究会代表世話人、(有)アグリネイチャーいいじま取締役、NPO法人えがおつなげて顧問、関東ツーリズム大学設立評議員。最近では、農業者が数千年にわたってつくりあげてきた「農業自然」は、農山村ばかりでなく、東京など大都市にも残っているので、市民と都市農業者とともに都市農地周辺の生き物調査を行っています。また、愛知万博の環境キャラクターであるモリゾウキッコロを生物多様性ブランドとして活用するプロジェクトにかかわって、農業がもつ生物多様性保全ビジネス開発をすすめています。また、昨年来評判になっている映画「いのちの食べ方」で取り上げられているストレスのない健康な家畜の飼い方である「家畜福祉」の実現にEUなどの国際NGOとともにかかわっています。



【最近の主要著書】
松木洋一・木村伸男編著「家族農業経営の底力」農林統計協会2003
松木洋一・永松美希編著「日本とEUの有機畜産」農文協2004
松木洋一・R ヒュルネ編著 松木洋一・後藤さとみ共訳「食品安全経済学」
日本経済評論社2007

教室

長野県飯島町

天竜川を挟んでそびえる中央アルプスと南アルプスの谷間にあり、米や野菜、キノコ類、リンゴ・梨・桃などを生産する豊かな農山村。



所在地

<当日の連絡先について>
電話:090-2981-7251(※注)
(※注)

①当日6時30分以降にご連絡頂きますよう、お願いいたします。
②場所についてのお問合せや、やむを得ない場合の当日キャンセルのご連絡の場合のみ、おかけ頂きますよう、お願いいたします。