1限目：「福祉とビジネス」の未来を考えよう

「福祉」と「ビジネス」。
この2つの言葉、なんだか「水」と「油」のような印象を持つ人も多いのではないでしょうか。

今回の先生、深澤厚太さんが執行役員をつとめる「LITALICO(リタリコ)」は、「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、就労支援、幼児教室・学習塾などの教育サービスを提供している、福祉業界では珍しい株式会社、しかも上場企業です。

この授業を企画するにあたり、ある福祉関係者の方にヒアリングさせていただいたところ、「福祉とビジネスって、どう両立するの!?」が第一声でした。
私自身、数年前に障害のある子どもたちの放課後デイでアルバイトをしていたとき、スタッフさんの厳しい状況を目の当たりにし、「福祉」と「ビジネス」は「両立しないのか」と思ったことがあります。どこか ”お金 ＜ 情熱” というか…。もちろん、やりがいもあるし、情熱もある、「お金じゃない」とも思う。でも、一生懸命やっても、もらえる給料はわずか。お休みも少ない。中には疲弊して辞めていくスタッフさんもいました。そんな私も結局辞めてしまったわけですが…

でも絶対に、この社会になくてはならない仕事だと思います。

私たちはどうすれば、「福祉」の仕組みを持続させ、より良い社会にすることができるのでしょうか。

今回の授業では、「LITALICO」の取り組みについてお話しをうかがったあと、渋谷区の障害者福祉に携わる方々も交えて、「福祉」をより良くするための手段としての「ビジネス」を考えていきたいと思います。

障害者福祉に携わる方に聞いたところによると、ここ数年、障害福祉サービスは毎年のように改定が実施されているそうです。利用している人にとっては、これまで利用できていたサービスが利用しにくくなったり、費用がかさんだり、また事業者側にとっては、報酬が削られたり、スタッフの資格要件が厳しくなったり…、財政基盤の弱い事業所は、事業を辞めざるをえない状況も出てきているとのことです。
そうなってしまって困るのは、他でもない、福祉を必要としている当事者やそのご家族です。

わたしたちはどんな未来が作れるのか？一緒に考えてみませんか。


【授業の流れ】（予定）
・「LITALICO」について
・「支援」と、持続的な支援につながる「経済性」をどのように結びつけるか
・渋谷区の福祉関係者から集めた「福祉とビジネス」に対する疑問について
・質疑応答
・ クロージング／記念撮影

※ 授業後、アンケートのご記入にご協力をお願いいたします

(授業コーディネーター：吉川真以)