石川初
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科/環境情報学部教授
2017年10月31日(火)19時~21時 ヒカリエ8F COURT
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科/環境情報学部教授
都市計画家
ファシリテーター
シブヤ大学学長
ファシリテーター
編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー
都市想像会議第11回のテーマは「ネイチャー×都市」。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科/環境情報学部教授の石川初さんと、松本市在住の都市計画家倉澤聡さんをお迎えし、ディープで抱腹絶倒のトークが展開されました。
現代都市の中では、自然との付き合い方が歪になっているのではないかという問題意識から今回のテーマを定めてみたものの、さて、どこから始めたらいいのやら……道端の雑草、街路樹、分離帯の緑、家々の前の鉢植え、公園、明治神宮の森…….私たちの環境には気づいてみれば思っている以上にさまざまな「自然」があるわけです。
まず、私たちに必要なのは、自然をどのスケールで見るのか、という出発点。138億年の宇宙の起源というスケールで見れば、アスファルトのビル群も「あたかも珊瑚礁のようにも見えてくる」とお二人は言うのです。同時に、そのスケールは足下の石ころや草から捉えていくことができます。「木が生えているということはそれを支えているより広域な環境があるということ、そこに費やされた時間があるということ」(石川さん、倉澤さん)という双方の視点を持つことが大切な視座でしょう。
「もうひとつ、都市の自然を見る上で目からウロコのお話は、「都市の植物は、“造園/園芸/雑草”と見るとわかりやすい」(石川さん)ということ。人が自然と大きく関わるのは“園芸”ですが、学生にヒマワリの種を渡して好きな場所に植えて育ったら勝ちという、石川さんの「ヒマワリレース」は、各人が植物の成長と関わることで場所との関わり、あるいはその場所と社会の関わりを認識するユニークな方法でしたし、倉澤さんが河川敷の草刈りや草むしりをしていたり、そこで見つけた植物のおもしろさを語ったり、勝手に育った大木の下にベンチを置いてみたら人々の憩いの場となったという話も、実は“造園/園芸/雑草”の「/」の部分をつなぐアクションと言えるように思えます