ファシリテーター
左京泰明
シブヤ大学学長
2017年7月10日(月)19時〜21時 ヒカリエ8F COURT
左から、嶋村仁志(代表理事)、関戸博樹(プロジェクト担当)、高橋利道(事務局)、林希栄子(事務局)
TOKYO PLAY http://www.tokyoplay.jp
ファシリテーター
シブヤ大学学長
ファシリテーター
編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー
子ども時代、どこで何をして遊んでいましたか?
路地裏、空き地、さまざまなところでかつて遊んだ人もいるかもしれません。しかし近年、子どもたちが自由に遊べるそういった「遊び場」が少なくなってきています。豊かな自然が少なく、窮屈なルールに縛られているこの都市の中で、新しく遊ぶとはどういうことかを「遊び場」を通して考えていくことが、今回の「子どもの遊び×都市」の問いかけです。そして、この問いかけが子どもだけではなく大人や地域が抱える息苦しさを変える鍵となるのではないかということも含めて、「渋谷の遊び場を考える会」のみなさんと「TOKYOPLAY」のみなさんと語り合いました。
「渋谷の遊び場を考える会」は、もともと都市での子育て環境に悩む親御さんたちが、自然があって思い切り遊べる環境を求めて立ち上がった団体で、現在、常設の「渋谷はるのおがわプレーパーク」や出張プレーパークなどの活動を展開しています。プレーパークは「冒険遊び場」とも呼ばれ、子どもたちの発見する力、想像力といった潜在的な力を多く引き出すさまざまな素材を使って、子どもたち自身が自主的に遊びを探すことができ、思い切り自由に遊べる場です。
一方、TOKYO PLAYは、プレーパークの外、つまりまち自体も「遊び場」ととらえて活動を展開しています。イギリスでまち全体の中で子どもの遊びをガスや水道のようなインフラとして考えようという活動をしている団体「London Play」を知ったことが、設立のきっかけだったそうで、いまTOKYO PLAYでは「みちあそび」を推進しています。道を遊び場と捉えることで、まち全体で子どもたちを育み、まち自体も育まれていく可能性があるのです。日本全国に遊ぶ道として指定されている「遊戯道路」の再活用も考えられます。
両者の活動の根底にあったのは、現代社会が遊びを子どもから奪っているのでは、という危機感です。「遊びを奪う」ことは物理的に遊び場がないことももちろんですが、習い事などによる子どもの忙しさや禁止事項が多い公園、周りの目など、さまざま要素が重なって、子どもが自由に遊ぶということを難しくさせてしまうことです。遊ぶ機会が奪われることで、子どもたちが遊びながら経験すること、自分で何かを考えたり、行動したりできるような、生きていく力を弱らせてしまうことに繋がることが懸念されます。