黒﨑輝男
流石創造集団株式会社CEO
2016年1月27日(水) ヒカリエ8F COURT
流石創造集団株式会社CEO
渋谷区副区長
SPEAC共同代表 東京R不動産ディレクター
NHK解説委員(芸術文化、デジタル担当)
ファシリテーター
シブヤ大学学長
ファシリテーター
編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー
「マイノリティ×都市」「祭り×都市」に続く第3回目の「都市想像会議」は、2015年1月27日(水)渋谷・ヒカリエ8FCOURTにて、「才能×都市」をテーマに開催されました。
ゲストとして、「コミューン246」や「ファーマーズマーケット」などを主催している流石創造集団CEOの黒﨑輝男さん、東京R不動産を運営する株式会社SPEAC共同代表の林厚見さん、NHK解説員の中谷日出さん、渋谷区副区長の澤田伸さんを迎え、「クリエイティビティが育まれる都市はデザインできるか」というサブタイトルのもとに討議を行いました。
「才能」と「クリエイティビティ」という異なる意味の言葉がふたつ並んでいますが、ここではひとりひとりの才能を活かすということをクリエイティビティととらえています。黒﨑さんは「アートやデザイン、音楽や味など、デリケートなことに美意識を持ち、理解できる人々がクリエイティブであり、そういう人々が金融や経営などに能力を発揮する時代になっていることが背景にあることを背景に、さまざまな個性を持った人々が楽しんで集える居場所、あるいはそのような状況づくりを実践しています。まちにはそうした人々の居場所、あるいは状況が多々あることが、楽しくおもしろい都市であることは間違いありません。
中谷さんは、人は誰でもクリエイティブになれる素質を持っていて、それは人や場との出会いが後押しするだろうと述べていました。また、アーカイブがクリエイションの源泉となること、個々の小さな情報をコミュニケートすることなどが大切であると述べられていました。
料理をつくることも、人と話をすることも、ものをつくることも、音楽をつくることも、みながなんらかの自分の楽しみを行う(ここではそれをクリエイティビティと呼ぶわけです)ことを誰もが行える都市であれば、人は喜んで集うでしょう。それをどうデザインするか、ということは誰かが描いた予想図のもとにできるわけではありません。林さんや黒﨑さんが例をあげられていましたが、建築やイベントを行う際には、それがどのようなものであれ、規則を無視することはできません。個々の事例のなかでは、規制を緩和してもらいたいことも出てきます。澤田さんは、渋谷区は新しいことにチャレンジするとともに、今後ますます行政が民間と連携しながら、よりよくしていくことが必要だと繰り返し述べられていました。ただ、会場からの発言があったように、行政と市民がコミュニケートできる回路が十分ではありません。林さんはそうした回路こそ、「楽しくおもしろい状況をつくるためのパブリックのあり方やそのルールを問うような場や仕掛けこそ、クリエイティブにつくったらいいと思う」と述べていました。