シブヤ大学のセオリー・オブ・チェンジ(変化の理論)を作成しました!
シブヤ大学のセオリー・オブ・チェンジ(変化の理論)を作成しました!
シブヤ大学は、2020年に運営体制のリニューアルを行い、新しいミッション、ビジョンを掲げました。そこから数年間の期間を経て、日々の活動の意義や今の社会においてシブヤ大学が果たしたい役割を再確認し、目指す社会に向けた活動をさらにアップデートしていくことを目的に、2024年2月から半年間にわたり、「セオリー・オブ・チェンジ」(変化の理論)の作成に取り掛かりました。
*「セオリー・オブ・チェンジ」:ある特定の文脈において、どうやって、なぜ、望まれる変化が起こることが期待されるかについて包括的な説明をし、図示するもの。(出典:セオリー・オブ・チェンジ・ジャパン http://www.theoryofchange.jp/whatistoc)
▼イラストの解説
今回作成したセオリー・オブ・チェンジでは、「シブヤ大学という学びの場に参加した個人にどのような変化が起きているのか」、また「その変化がどのように社会の変化につながっているのか」の2つに焦点を当て、日々の活動とミッション、ビジョンとのつながりを可視化することを目指しました。
今いる環境や自分自身をアップデートしたいと思った個人がシブヤ大学のドアを叩いた先には、どのような世界が広がっているか、そこから自分や日常生活や社会にどのような変化が生まれるか、誰もが気軽に参加できる学びの場として「一個人」の視点に焦点を当て、その広がりの可能性を示したものです。
●「シブヤ大学」「日常生活」「社会」それぞれのフェーズで生まれる変化
図で示した変化の中には、シブヤ大学の授業を通じて「直接的に生まれる変化」、日常生活に戻った際に起きてほしい「間接的な影響」、そして日常生活の先で「実際に生まれた事例」など、すでに実現している変化だけでなく、これから先実現したい変化までを含んで表現しています。通常、セオリー・オブ・チェンジではこれらの変化の連鎖を矢印でつないで描きますが、シブヤ大学の活動や参加者の多様さを考慮し、ある変化から特定の変化に連なる論理を精緻に描くことはせず、図の内側から外側に変化の連鎖が広がっていく、それは人によって異なる様子を表現しました。
●自分の暮らしも、社会も、自分たちの力でつくりたい
シブヤ大学が意思を持って実現したい変化は、図の中央に示した「自分たちの力で社会を良くしようと行動する人が増える」ことです。シブヤ大学では、「自分たちの力で社会を良くしようと行動する人」をシンプルに「楽しそうな大人」と定義しています。シブヤ大学を通して自分の気持ちや価値観を知り、自分の暮らしを大切にできるようになった先に、自分の暮らす地域や社会に対しても関わってみたいと思えるようになる。こうした個人の変化が積み重なることで、シブヤ大学のビジョン「大人が楽しそうな社会 違いがあってもみんなが自由に豊かに生きていける豊かな社会」につながると考えています。このような変化を実現するための活動(介入・手段)として、日々の授業を位置付けています。
●まち全体をキャンパスに多様な人が学びあう、今も昔も変わらないシブヤ大学の原風景
シブヤ大学への関わり方は多様です。個人の関わり方だけ見ても、学生(学び手)、ボランティアスタッフ(つくり手)、寄付サポーター(支え手)、先生(学びの提供者)など多様であり、その時々のニーズや人生のフェーズに合わせて日常生活とシブヤ大学を行ったり来たりできることが特徴です。
また、シブヤ大学が特定の校舎を持たず、まちじゅうをキャンパスに学びの場を展開していることや、渋谷内外の企業・自治体、地域団体など、幅広いテーマの学びを提供するのに欠かせない多くのステークホルダーが存在していることも、シブヤ大学の大きな特徴です。今回のイラストは、あくまでシブヤ大学に参加する個人の内面的・行動的な変化と社会の変化の関係性を中心に描きましたが、多くのステークホルダーとの協働を通し、連携先の企業や団体、そして活動の舞台である地域(渋谷のまち)にも変化が生まれています。
▼シブヤ大学をつくる仲間になりませんか?
今回あらためてシブヤ大学の活動とその意図をセオリー・オブ・チェンジというかたちで表現することによって、目指すビジョンへの道筋が見えてきました。
シブヤ大学は、忙しい日々を送りながらも、「何かを変えたい」「今の自分や暮らしをアップデートしたい」と思った人たちが、気軽に門を叩ける学びの場でありたいと思って活動してきました。このセオリー・オブ・チェンジのイラストは、そんな人たちがシブヤ大学のドアを叩いた先に、どんな世界が広がっているのかを、ワクワクしながら想像できることを目指して作成したものです。シブヤ大学に参加する理由や求めるものは多種多様で、イラストには描ききれないほどですが、もしこのイラストを見て、どれか一つでもピンと来たら、ぜひシブヤ大学のドアを叩いてみてください。きっと、あなただけの大切な機会が見つかるはずです。
●「シブヤ大学に参加したい!」と思った皆さまへ
●「シブヤ大学と一緒に何かやってみたい!」と思った企業・自治体の皆さまへ
私たちが目指すのは、渋谷から「自分たちの力で社会を良くしようと行動する人」=「楽しそうな大人」を増やすことです。「学び」という誰もが楽しめる手段を使って、大人が楽しく、自分らしく社会と関われる社会を一緒につくりませんか?
コラボレーションのお問い合わせ:https://www.shibuya-univ.net/co-support/collabo.php
▼セオリー・オブ・チェンジを描く旅路
今回のセオリー・オブ・チェンジの作成にあたっては、ボランティアスタッフを含む6名のメンバーに加え、伴走者の2名で半年間にわたり議論を行いました。その過程では、リピーター学生、ボランティアスタッフ、寄付サポーターなど、様々なかたちでシブヤ大学に関わる皆さんと一緒に公開ワークショップを行い、シブヤ大学をきっかけに起きた自身の変化やキャリアの変化の出来事を募集し、そこで集まったエピソードをもとに最終的な図を完成させました。
とはいえ今回のイラストは、あくまで2024年春の時点でのもの。今後も時代に合わせて変わり続ける学びの場として、常にアップデートをしていきます。
セオリー・オブ・チェンジの作成プロセスについては後日公開予定です。
シブヤ大学セオリー・オブ・チェンジ作成プロジェクト
活動期間:2024年2月〜2024年7月
メンバー:大澤悠季、太田耕介、佐々木織恵、深澤まどか、堀江将、槇歩美
伴走者:川野辺雪菜(フリーランスファンドレイザー)、千葉直紀(株式会社ブルー・マーブル・ジャパン)
グラフィックレコーディング:めぐちょん