【イベントレポート】高校生との対話の場「ヒューマンライブラリー」を開催しました!
シブヤ大学と川崎市立幸(さいわい)高等学校とのコラボレーション企画として、少人数での対話の場「ヒューマンライブラリー」を開催しました。
川崎市立幸高等学校の一年生を対象としたキャリア教育の時間を活用し、シブヤ大学のボランティアスタッフを中心に10代から60代まで約50名の社会人が参加しました。5名前後の少人数グループで「これまでの人生の選択」についての多様な人の話を聞くことを通じて、様々な職業・生き方があることを学び、今後の探究活動の新たな視点を持つことや進路選択の参考になることを狙いとしています。
【ヒューマンライブラリーとは?】
2000年にデンマークではじまった取り組みで、
人を貴重な物語が詰まった「本」と見立て、参加者(=読者)との対話を通して相互理解を深めます。
対話時間は30分。一冊の本を読むよりも濃い時間を体験することができます。
【開催の経緯】
今回の取り組みは、川崎市立幸高等学校の佐藤先生からいただいたお問い合わせがきっかけでした。未来が見えない不安から進路の選択肢を狭めてしまったり、自分を卑下して未来を諦めてしまいがちな高校生たちに、悩みながらも前を向いて自分の人生を歩んでいる多様な大人たちと触れ合うことで、目先の進路だけではなくどう生きたいかを考えるきっかけとなる機会をつくりたいとご相談いただきました。
初めは講演会のご依頼をいただいたのですが、できるだけ多様な人の生き方を伝えるべく、シブヤ大学から約50名の社会人が関わる形でのヒューマンライブラリーの開催を提案し、キャリア教育の時間を活用しての実施となりました。
どのような社会人が「本役」として関わったかや感想、生徒からの声をまとめましたので、ご覧ください。
「本役」の皆さん
【社会人(「本役」)アンケート】
・年代 10〜30代が7割
・所属
(例)デザイナー、プログラマー、人事、コミュニティマネジャー、キャリアコンサルタント、作家、ゲストハウス運営、個人事業主、学生など
▼「本役」として参加してみての声(抜粋)
・キャリアコンサルタントを志しており、若年層のキャリア支援活動に取り組みたいと思っていたので参加しました。
・高校生だった時に、部活の外部講師の先生など家族や学校の先生以外の大人と出会ったことが自分の進路選択などに影響があったので、大人になった自分もそんな風になれないものかと思い参加しました。
・貴重で楽しい体験をさせていただき感謝です。普段は接することのない高校生と交流が持て、とても楽しい時間を過ごすことができました。
・最後にひとりひとりから感想や印象に残っている言葉などを聴かせていただきました。「自分が好きなことについて積極的になってもいいんだ」という感想がいちばん多く、高校生が積極的になれていない(やりたいことを存分にできていない)現状について知れた。自分の人生を生きる=好きなこと、やりたいことを思う存分楽しんでいいんだよということを伝えていきたい。
【高校生(「読者」役)アンケート】
▼感想や印象に残ったこと(抜粋)
・自分はちょっぴり完璧主義で自分のやることは完璧じゃないと不安になるタイプだったので、今回の話を聞いてなんでも完璧じゃなくてもいいんだなと思えるようになった。
・自分が好きなことは好きでい続けようと思ったし、たくさん経験している大人に思っていることや悩んでいることを打ち明けてみると、自分のほしかった答えが見つかることもあるから、自分に中に留めてばかりいないようにしたい。
・聞いた話だけで本が何冊もかけそうなくらい内容の濃い話ばかりで自分のこれからの経験が楽しみになった。
・一般的な働きかた、生き方が大切なわけじゃなく、自分を大切に生きていくことが一番すごいことなんだと思った。
・様々な人と関わることに苦手意識があり、抵抗があったけど、今回話を聞いて、少しでも自分から行動できるように頑張ろうと思えたし、周りの意見や声は色々あるけど、結局決めるのは自分だから、ふとした時に自分の行動を振り返って、後悔しないように頑張りたいと思った。
▼アンケートデータ
これからの生活や行動が変わりそうだと感じた:4点、5点の合計→86.4%
今の自分次第で、将来を変えていけると感じた:4点、5点の合計→86.9%
今後もいろいろな人の話を聞く機会があったら参加をしてみたいですか?:ぜひ参加したい、参加したい→81.2%
最後に、今回の企画を一緒につくってくださった川崎市立幸高等学校 佐藤仁美先生からのコメントを掲載します。
長い人生の中で、私たちは3年間の時間を共有するわけですが、人生の岐路に立つような選択を迫られる大事な時期に関わる者として、何ができるかを考えて生徒と関わってきました。自分を大切にしてほしい、夢をもって目標に向かって進む力を身につけてほしいと強く願っています。
様々な選択肢があることを知るために、視野を広げる機会を作りたいとの思いから、シブヤ大学の方々に講演会の依頼をさせて頂きました。
この活動を通して、生徒の新しい一面を垣間見ることができ、教員としても生徒理解を深める一日となりました。また、生徒自身、多くのことを感じ、自分に落とし込んで考える機会となったようです。楽しかったと前向きな言葉で報告してくれる生徒も多く、反応の大きさに驚いています。大人と直接話をする機会を通じて、生徒の心に様々な感情が芽生えたようです。
主体的に考えて周りを巻き込みながら、とりあえずやってみる。いろいろ失敗しながら学校生活を送り、成長してほしいと願っています。皆さんとのかかわりを通じて、これからの人生を自分事として考えるきっかけとなると良いなと考えています。今頑張る意味があること。何事も自分次第、モノの見方一つで見えてくる世界が変わる。自分を大切にして未来を切り開いていく希望と力を付けていってくれると良いなと思っています。
参加頂いた方々の温かい気持ちに溢れた空間で、生徒ともども素晴らしい時間を過ごすことができました。
こちらの想いを汲んで、この企画を提案してくださったシブヤ大学の皆様、誠にありがとうございました。
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ヒューマンライブラリーに関わっていただいた皆様、ありがとうございました。
生徒の皆さんが、自分らしいそれぞれの人生を歩んでいくことを願っています!
写真:鈴木夏奈
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