シブヤ大学

授業レポート

2018/2/8 UP

街の期待値を上げる地域の顔づくり
本気度を駄洒落で隠す市民団体クスろ

本日のシブヤ大学の授業は、釧路の地域課題に取り組む
市民団体「クスろ」のみなさまを先生に迎えて、こちらの授業です。



「本気度を駄洒落で隠す」というのはどういうことでしょうね。
さて授業の始まりです。


釧路ってどこか、知ってますか?


授業は参加者同士の自己紹介からスタートです。

今日の参加者は約8割の方がシブヤ大学の授業に初めて参加した方々でしたが、
和気あいあいと会話が進み、和やかに授業がスタートします。




続いて、先生から釧路の基本情報について教えてもらいます。


まずは質問です。
釧路ってどこにあるか知っていますか。

答えはこちら。



釧路市は北海道東部に位置し、南は太平洋に接しています。
渋谷区の約90倍の面積に約17万人が暮らしています。

ラムサール条約登録湿地帯である釧路湿原や、
国の天然記念物であるタンチョウが有名ですが、
ほかにも漁業や林業、酪農などが盛んな地域です。


クスッと×釧路 = クスろ

市民団体「クスろ」は、「クスッと」と「釧路」が名前の由来だそうで、
釧路が抱える様々な課題を面白おかしく解決する活動をしています。


北海道で4番目に大きい都市である釧路ですが、近年は人口減少が進んでいます。

特に若者が釧路に来てくれないという現実に対して、
どうやったら釧路に来てくれるのか。


湿原やタンチョウ、酪農、漁業といった様々な資源がある中で、
何が釧路の魅力なのかを考えたとき、

「釧路を支える人こそが資源。その人たちの魅力を伝えていきたい」

と考えるようになったと、代表の夏堀めぐみさんは言います


(クスろのみなさま。左から副代表の名塚さん、代表の夏堀さん、東京担当の片野さん)


そこで、釧路に住む人々の魅力を伝えるため、ウェブサイトやフリーペーパーを作成するほか、
魅力的な人に会いに行くツアーや、地元の人に向けたワークショップなどを開催しているそうです。

参加者にもフリーペーパーが配布されました。
釧路の街、釧路の人の魅力がたくさんつまっています。



クスろは「課題をまじめに面白がる」ことを大切にしているそうです。


例えば、街の若者の選挙離れを何とかしようと企画した活動「サーセンキョ」。
名前の由来は、

「今まで選挙に行かなくてサーセン(すみません)!さー、選挙に行こう!」

という駄洒落です。
でも、活動の特徴を見事に捉えていますよね。

そして期日前投票所をランニングをしてめぐって投票したり、
市役所前の広場を占拠(選挙?)してイベントを行うなどすることで、
市民からも認知される活動になったそうです。


みんなで課題を面白がろう!
授業の後半は、参加者みんなでワーク開始。

釧路の課題を面白おかしく解決するアイデアを出していきます。



人口減少に悩む釧路は移住対策をしていますが、移住者の多くはリタイア後の富裕層で、
若者がなかなか来てくれいないという課題があるそうです。


また、有効求人倍率は0.86%と低く、雇用問題も大きな課題の一つ。
これらの課題を参加者みんなで、面白く解決するためのアイデアを考えていきます。



参加者からは、お金がなくても2−3年間釧路でワーキングホリデーができる仕組み
「プワホリ (プワー(貧しい)×ワーキングホリデー)」というアイデアや、
リタイアした高齢者に弟子入りして仕事を学ぶ
「くそばば・くそじじ(くしろ・ソーシャルばばあ、じじい)」というアイデアなど、
面白いアイデアがたくさんでてきました。


続いて、クスろ自身が抱える課題についても、参加者みんなで考えていきます。



面白がることを大切にしているがゆえに、
外から見ると楽しさだけが前面にでているクスろですが、
作業量の多さや個人へのスキル依存、メンバー不足など様々な課題に直面しているそうです。


それらの課題を解決するためのアイデアを参加者で考えます。

ここでもいろいろなアイデアがでてきました。印象的だったのは、
地元から離れて東京で働いている参加者の意見です。

東京にいても、故郷のために何か役に立ちたいという気持ちは持っているし、
そういう人はたくさんいるから、その人たちで支部をつくり、
彼らにも活動を担ってもらうというアイデアがでてきました。




まとめ
生徒として参加してみて学んだことは、課題に対する取り組み方です。


「課題を解決する」と聞くと、眉間にシワをよせながら
真剣に議論するようなイメージがあります。

でも、クスろのみなさんのように、そこに「面白さ」という要素を入れることで、
課題解決が前向きで楽しい作業に変わります。

楽しんで課題に向き合うことで、
斬新なアイデアも出やすくなるということをワークを通じて感じました。


そして、そうやって出てきたアイデアを次々に形にしていくクスろの活動をみていると、
様々な課題に対して、自分たちにできることはまだまだたくさんあるのだと感じました。



最後にみんなで記念撮影。



(レポート:小林大祐、写真:野原邦彦)