シブヤ大学

授業レポート

2017/1/10 UP

知識経験ゼロ歓迎!
俳句が詠める、楽しめる。
~俳句の魅力を伝えます~

知識経験ゼロ歓迎!俳句が詠める、楽しめる。~俳句の魅力を伝えます~


 


みなさん俳句と聞くと何をイメージしますか?


俳句って学校で習ったことはあるけれど、その面白さを知っている人は実は少ないのではないでしょうか。俳句にもっと親しんでみたいという皆さんが集まって今日の授業が始まりました。


 


先生は、俳句結社「麦兆」を主宰されている金子如泉さんです。


今回は、俳句のいろはから始まり、実際に俳句を詠み、それを俳句会で発表するという、俳句の面白さを味わい尽くす授業となりました。


 


午前中は、自己紹介のアイスブレイクから始まり、先生が俳句の道に進んだきっかけから現在に至るまでと、俳句の成り立ちなどについて話してくださいました。幼いころに詠んだ俳句が褒められて、その嬉しさから、もっと詠んでみたいと俳句の世界に進んでいった如泉先生。現在は日本国内にとどまらず、世界で俳句を広める活動をされていて、最近はフランスやドイツにも行かれたそうです。海外でも子供たちが楽しそうに俳句を詠んでいると聞き、日本だけだと思っていたので俳句の広がりに驚きました。


 


俳句とは、5音,7音,5音で構成されていますが、先生曰くこれは和歌の時代から日本人の体内音感として伝統的に心地よい響きとなっているからだそうです。私たちにとって無意識に落ち着くリズムというものがあるんだなと改めて実感しました。俳句の一番の特徴は季語を入れることにありますが、その季語の世界も非常に奥深く、日本人の四季に対するまなざしが見て取れました。季語は、その対象が最も生き生きしている季節に定まることが多く、一般的な最盛期ではなく初期や晩期であってもその季節を表す言葉になるそうです。先生は、「地に足を付けた四季の感じ方」が大切だと仰っていましたがその通りだなと思いました。


 


午前中の授業の最後に、先生からこれから外へ出て俳句を詠みにいく生徒さんへのアドバイスは、「自分が親しんでいる自分の言葉で素直に表現してみましょう」でした。


昼食休憩を兼ねて、みなさん外へ出かけ、冬の季語を入れた俳句を2句作っていただきました。


ちょうどこの日は小春日和のお天気で、寒さはほどよく日差しも気持ちよく、思い思いの場所で真剣に俳句を考える姿がみられました。


 


ここまで俳句について学び、実際に各自で俳句を詠んだあとは、いよいよ俳句会です。


教室全体を使い大きな輪になって、全員の詠んだ俳句の一覧から、詠み手が分からない状態で自分の句を除いて気に入った句を5句選び、さらにその中から1句特選の句を選んで投票していきます。集計後、投票結果の発表と共に先生の選句上位3句と入選、佳作が発表されました。


参加者のみなさんにも自分が特選に選んだ句とその理由をそれぞれ発表してもらい、今日詠まれた句についての様々な意見を共有することで、ますます俳句の世界が深まっていくのを感じました。


最後に先生からすべての句についての講評をしていただきました。先生が指摘するほんの小さな違いで、句の印象が大きく変わっていくことに生徒の皆さんも興味深そうに聞き入っていました。


 


俳句の世界を知り、俳句を詠み、それぞれの俳句を評することで広がる俳句の世界の面白さを知った一日でした。


 


最後に、参加者の投票で最多の票を集め、先生の選句でも最上位に選ばれた句をご紹介します。


 


~ 日だまりを分け合い座る昼休み ~


 


(教室の向かい側にある鳩森八幡神社の境内の様子を詠んだ句です。)

(撮影:鈴木夏奈 レポート:木村芙佐子)