シブヤ大学

授業レポート

2016/12/17 UP

「森」をつくる。2016
~明治神宮の森でどんぐり拾い 11~

11月19日。この日の原宿は雨模様。朝早くから続く雨に、これは授業出来るのか… ?という一抹の不安を抱きつつ集合場所に向かいました。
すると、時間が経過するごとに雨は収まり始め、授業開始時には傘なしでも歩ける程度に落ち着きました。


「今年も授業を継続できる…。中止にならなくて良かった…。」(←インターン心の声)

授業をガイドしていただくのは、NPO法人響の本間さんです。
本日のガイド役、本間さんに先導していただき、いざ!明治神宮の森の探検スタートです!




神宮内に入っていくと、あれ?寒い…。
なんと、明治神宮の中は外よりも年間平均して気温が3度ほど低いそうです。
明治神宮の森は、自然に発生したものではなく、戦後、人の手によってつくられた人工林です。
東京オリンピックがある2020年には森がつくられて100年という節目の年を迎えます。
歩いてみて最初に気づいたことは、明治神宮の中にはたくさんのどんぐりが落ちているということ。
どんぐりが落ちているかどうか意識してみたなんて、何年振りだろうかと思いつつも、気になった可愛いどんぐりを拾いながら本間さんの話に耳を傾けます。
日本で見られるどんぐりは20種類あり、明治神宮ではその内の10種程度を発見できるそうです!

そして、歩いていくととうとう本殿が見えてきました。




本殿に向かう曲がり角で、また素敵な情報が!
「本殿の手前にあるこの曲がり角は何度だと思いますか?」
ぱっと見は直角です。しかし実は88度の曲がり角だそうです。
88度の理由は88という数字が末広がりで縁起がいいからということ。
感心することばかりです。

さて、本殿到着!
手水のやり方もしっかり学んで、みんなでお参りです。
本殿の中は特に海外の方でいっぱい!季節柄、七五三の家族もたくさんいらっしゃいました。

ここまでは、一般のお客さんに紛れて明治神宮をまわってきましたが、ここからは今日だけの秘密の田んぼエリアに向かいました。




ここでは、響の皆さんが毎年、米作りを行われています。冷静に考えると、東京の原宿という都会の一角で米作りが行われているというのはすごいことです。
ここは更に普通の田園地帯とは異なり、周りは木に囲まれているため、陽も当たりにくく、育てるのはとても大変だそうです。


そしてここでは、お待ちかねのどんぐり拾い!
どんぐりが落ちている場所のポイントは、木の真下では無く、木の幹から伸びた枝の下あたり。
たくさんのどんぐりが落ちていました。



しばらくすると、一角で何かはじまりました。
「あれ…?どんぐりを食べている?」
みなさんどんぐりが食べられるなんて知っていましたか?
そうなのです。どんぐりって食べられるのです。
しかし、注意すべきは選ぶどんぐりの種類!
この田んぼエリアでは「アラカシ」、「スタジイ」、「マテバシ」という3種類のどんぐりを発見することが出来ます。
そしてそのうち食べられるのは「スタジン」と「マテバシ」。
皆さん、どんぐりの色や形からを食べられるどんぐりを見分けて試食!
味は、ピーナッツのような感じでした。

そして、どんぐり拾いが終わると、みんなでお話コーナーです。
この授業はシブヤ大学創設から続く唯一の授業なのですが、初回から11回連続でご参加頂いている、杉山子竜くんよりどんぐりや地球環境にまつわるお話をしていただきました。


子竜くんは今日のために、どんぐり新聞を作ってきてくださり、その新聞を基にしたり、絵本を朗読しながら、地球環境を守るために私たち1人1人が出来る小さな行動の積み重ねが、地球を救う大きな力になることを教えてくれました!
とても素敵なお話でした!

そして最後に参加者皆さんにどんぐりの苗が渡されます。
苗は、私たち里親が1年程育て、またここに返しにきます。
そうして育った苗は、全国各地の森に送られ、その森の木となるのです。
その際に、今日拾ってきたどんぐりを響きの皆さんにお渡ししました。
このどんぐりたちも苗になって、里親の元に向かいます。

また1年後、この授業で今日の参加者が集まり、育てたどんぐりを持ち寄れるようになればいいなと思いました。
どんぐりが森を生み、どんぐりが人を繋ぐ。普段何気なく見ていたどんぐりも、今日からちょっと特別な存在になりそうです。


(レポート:香取美祐/写真:藤木美沙)