シブヤ大学

授業レポート

2016/12/15 UP

衣育という学び方
~生活(衣食住)から世界を考える

「すべての衣類は“ゴミ”じゃない、資源なんです」


 


リサイクルに出した衣類の先について考えたことはありますか?


今回は、リユース、リデュース、リメイク、リサイクルなどのつく様々なアクションを起こしていくことを提唱している、日本リ・ファッション協会代表の鈴木さんにお話を伺いました。


 


アイスブレイクとして、参加した理由についてお話をして頂いたのですが、


アパレル業界の方は、リサイクルに興味があったり、職場で取り組んでいるリサイクルに疑問を持たれている方。服を買いたい気持ちが持てなくなった方、服のお直しをされている方など、割と「中の人」的な方も多く、盛り上がりそうな雰囲気です。


 


まずは、お気に入りの服について各グループでお話をして頂きました。


やはり皆さん、服には思い入れがあるようで、


呉服屋さんで安く売られていた半纏(はんてん)を直して着るのが楽しみだったり、


昔に買った高い服は、デザインが古く今は着られないけれど、素材は良いから処分できないといったお話や、母の手作りの服など、様々なエソードを聞けました。


 


次に、お題として「衣から幸せを感じる生活のイメージ」は?


・日常を変えてくれる喜び。


・欲しかった服が安く買えた時!


・旅先で少ない服で着まわしが出来る達成感。


・長く大事に着ている時


など、「あーわかる~」といた声も聞かれました。


年齢や性別がバラバラでも、共感する部分は多いですね。


 


ここで、鈴木さんより「日本リ・ファッション協会」についての紹介と昨今のリサイクル事情についてお話して頂きました。


詳しくは、協会のHPに譲りますが、


協会に届く衣類は全体の50%がカンボジアを中心として海外へ、30%が東北へ、残りの30%が外部への寄付、チャリティ、リメイクとなっているそうです。


また、こうした用途に仕分ける作業が大変で、思っている以上に過酷なんだそうです。


そうですよね、工場で機械が仕分けるということではなく、人の手で行われていることを想像すると、頭が下がる想いです。


 今回は「衣育」というキーワードにもあるように、子供達向けのワークショップやファッションショーを行い、親子で学べるイベントもご紹介して頂きました。


最後は、これまでの内容を、どうやったら広げていけるか?というテーマについて


話し合い、


・物を買うことは、その企業へ投票していると考える


・伝統の織物などの現場を見たり、職人さんや携わっている人から直接話を聞く。


・お直し屋さんで、ボタン付けや簡単な直しを集まって体験してみるといったイベントをすることで、直すということをより身近に感じてもらえるんじゃないか。


などの意見が出ました。


 


最後に鈴木さんから、


・正しい知識を身に付けること。


・自分の軸を作ること


・長く大事に使う意識を持つ。


・ファストファションブランドが一概に悪いわけでは無く、きちんとコンセプトを持って環境に負荷がかからない対策をしているメーカーもあるので、様々な視点を持つことが大事。


など、今日からでもできるアドバイスを頂きました。


 


衣類に限らず新しく物を買うことは単純に楽しい行為だとも思いますが、ほんの少しでも先のことを考えたり、製品の成り立ちや会社がしていることを調べるのも必要なんじゃないかなと思いました。


 


また、先生から授業でご紹介できなかった、動画なども参照いただければとURLを頂いておりますので、こちらに掲出いたします。


※衣育を学び自分も生活スタイルを見直そう!何か行動を起こそう! とするときに力をくれる動画の紹介


・すべては一つや(ウォンバット)


https://www.youtube.com/watch?v=pnRKhRSbbWo


・ムヒカ大統領スピーチ


 https://www.youtube.com/watch?v=hEQGEkOiPOs


 


(レポート:高橋正 写真:新井達斗志)