授業レポート

2016/11/10 UP

羊齧協会とめぐる羊の冒険!?
『共に羊を食べてコミュニティデザインの
メェ~案を考えてみないか!?』

さわやかな秋晴れとなった10月の第三土曜日。この日の授業は、
『羊齧協会とめぐる羊の冒険⁉︎「共に羊を食べてコミュニティデザインのメェ〜案を考えてみないか⁉︎」』です。


羊齧協会?なんて読むの?どんな協会?羊とコミュニティデザイン?いったいどんな関係が?

たくさんの「?」を抱えながら参加した授業でしたが、羊肉のことからコミュニティのことまで、盛りだくさんの授業でした。

◆羊肉が背負わされた「臭い!マズイ!」という誤解
今日の先生は、羊齧協会主席の菊池さんです。「羊齧」と書いて、「ひつじかじり」と読みます。羊齧協会とは、羊肉を愛する消費者の団体です。2014年に設立されて以降、その会員数は増え続け、現在は1200人にまで増えたそうです。

まずは菊池さんから、羊肉に関するお話を伺います。



愛好家の増えている羊肉ですが、菊池さんによるとまだまだ日本では「臭い、マズイ」というイメージを持っている人が多いのだそうです。欧米では逆で、むしろ高級食材。来賓にふるまわれる料理だそうです。

なぜ日本で「臭い、マズイ」というイメージを持たれてしまったのか。菊池さんによると、理由の1つは、戦争中、羊毛用に育てられた羊の肉が、食料不足を補うために食べられていたことだそうです。羊毛用と羊肉用は種類が異なるのに、羊毛用の羊の肉を衛生管理の悪い状態で食べていたことで、「臭い」「マズイ」のイメージがついたのではないかと言われています。もう1つは、2004年ころにあったジンギスカンブームの際、あまり羊肉の扱いに詳しくない人たちがブームに乗って店を出したことで、やっぱり「臭い」「マズイ」というイメージをつけてしまったことも理由の1つとして考えられるそうです。  

そんな羊肉ですが、最近では羊肉の美味しさに気がついた人たちもどんどんと増えてきているそうです。2015年に羊齧協会が主催して行われた「羊フェスタ2015」には、1万人もの人が参加しました。羊肉文化も新時代を迎えていると菊池さんは言います。

◆それでは実食です!
お話を聞いているうちに、すっかりお腹がすいてきました。ここで、実食の時間です。

肉厚の羊肉が配られます



焼きます



焼けてきました。焼き過ぎないことがポイントです。



とても柔らかく、すっと噛み切ることができます。味付けは塩胡椒だけですが、肉汁はジューシーで、しっかりとした旨味があります。とても美味しいお肉です。

◆魅力的なコミュニティのつくり方
菊池さんは、羊齧協会の他にもいくつかのコミュニティを運営されている方です。授業の後半では、羊齧協会を例にして魅力的なコミュニティのつくり方について考えていきます。

コミュニティを作る上で大切なのは、「タグ」を見極めること。人には様々な属性=「タグ」があります。例えば、金融業界の仕事をしていて、趣味は野球でカープファン、関西育ち、日本酒好き、左利き、長男、メガネ、練馬区民、さる年、てんびん座、A型などなど。様々な属性をもつ多様な人たちを「羊肉好き」という1つの共通したタグでまとめることで、羊齧協会という1つのコミュニティが形成されます。普段は出会わない多様な人たちが1つにタグによってまとまることで、想像もしなかった化学反応が起きます。この化学反応がコミュニティを魅力的なものにするそうです。




◆素人の本気が世界を変える
羊齧協会は、生産者でも販売者でも行政でもなく、ただ羊肉が好きな消費者達が集まった団体です。


「素人の本気が世界を変える」と菊池さんは言います。どこにも属さない素人だからこそ、何のしがらみもなく、どんな団体ともどんな人とも繋がることができます。そこに素人だからこその強みがあります。そんな菊池さんが、「素人の乱」と呼ぶイベントが、今年の11月5日、6日に中野で開催される「大・羊フェスタ2016」です。



◆授業の感想
プロでもなく資格があるわけでもなく、ただ何かが好きなだけ素人。好きなことがあっても、素人であることに引け目を感じたり、所詮プロにはかなわないと感じていました。でも、好きを突き詰め、同じ「好き」を持つ人たちと繋がってコミュニティを形成し、行動や発信を続けていくことで、素人にしかできない力が発揮できることを教えてもらいました。

授業の最後は、羊齧協会おきまりの締めのことばで締めくくります

「羊肉とクミンと香草に栄光あれ!」





(レポート:小林大祐、写真:原貴行)