授業レポート
2016/7/15 UP
はじめてのアラブ・ミュージック!
〜打楽器で体感するエキゾチックなリズムの世界〜
【心を打ち奮わす、アラブのリズム!】
「もし、未知の魅力を秘めた音楽の世界があるとしたら、その1つは「アラブ・ミュージック」かもしれません。
アラブやイスラム世界の広大で豊かな文化の中で生まれたリズムは美しく繊細であり、そして力強い。
ド・レ・ミ・ファ・ソ…のような西洋の”等分的な音階”とは違い、アラブ・ミュージックには
ピアノの鍵盤上では見えない、音階と音階の間に不思議な音が隠れているのです。」
その告知文に惹かれてスタッフ参加をした私!
授業前から、教室にはたくさんの数のアラブ音楽の打楽器がズラッと並び、
なんだか不思議な雰囲気が漂う空間(笑)。
生徒さんの中でも中東に行ったことがある方は数名、
「なかなか触れることのないアラブの音楽ってどんな魅力があるんだろう。」とドキドキしながら授業ははじまりました。
まず前半は、アラブ音楽の概要についてTAKSEEMA(タクシーマ)先生の説明です。
先生は、日本でも数少ない「ダラブッカ」という中近東に分布するゴブレット”酒杯”型の打楽器プロ奏者のお一人。
貝殻細工の美しい装飾が有名で、昔ヘッドの皮は動物の皮だったという、とても美しい楽器です。
最初に弟子のみなさんと3名で演奏をしてくれたのですが、…とにかく音圧がすごい!
叩く場所によって多彩な音がでるのも驚きで、高め(硬め?)の打音が気持ちよい!
そして、脇に抱える奏法がとっても美しく、魅入ってしまいました〜!
アラブ音楽は、音楽の基礎となる旋法やリズムの理論は大まかには共通しているそうですが、
古典音楽(クラシック)・伝統音楽(トラディショナル)と呼ばれる芸術音楽、
宗教音楽(スーフィー音楽)、オリエンタル民謡(フォルクロール)、歌謡曲(ポピュラー)、ダンス音楽など
多岐にわたり、それぞれのジャンルが国・民族・地域により異なった展開なのだそう。
と、いうことは、ものすごい種類があるということ…!
TAKSEEMA先生は、それをひとつずつ丁寧に動画を交えて説明していってくれました。
ジャンルによって受ける印象も全然違うので、歴史と奥深さと感じます。
「世界にはピアノの鍵盤にない音がたくさんあり、それを極限まで美しく高めたものがアラブ音楽」
聴くことで、それを実感をもって感じることができました。
「ほとんど上の音」「ちょい低め」などで表される音に最初気持ち悪さを感じる人も居るようですが、私は心地よさを感じましたよ。
そんなアラブ音楽の有名な歌手のコンサートは、1曲を30分以上演奏することもあるのだそうです。
戒律が厳しいイスラム教の中で、音楽は娯楽。家財をなげうってまでコンサートを聴きにくる人もいるのだとか…。
また、宗教音楽がなんとも荘厳で…!祈りの様式なども美しく、一番興味を惹かれました。
しかし、このように人の心を掴んでしまうアラブ音楽には、まだまだ驚きが隠されていました。
なんと楽譜がなく、すべて口伝で伝承しているのです!先生も師匠から口伝で。。本当にすごいですよね!
(現在は楽譜をかくところもあるそうです)
また、先生がエジプトを訪れた時の話も心に刺さりました。
ザワザワしたエジプトの雰囲気と人柄と、研ぎすまされたアラブ音楽とのイメージの乖離にすごく魅力を感じたそうです。
たしかに考えてみると、ラテン音楽など国の雰囲気が音楽とリンクしているところは多いです。
中東、本当に未知で奥深い…
座学が終わり、後半は楽器の演奏体験!!!
各々、「ダラブッカ」「ドフ」「レッ」などの打楽器を手に持ち、
叩き方を教えてもらいました。
ダラブッカとドフの叩き方は違いますが、低い音と高い音を叩き分け、リズムを作っていきます。
最初は恐る恐るだった人も時間が経つごとに、楽しそうに叩く様が見ていて嬉しくなりました。
大勢が一度に叩くとすごい迫力で、一気に教室の異国感がアップ!
有名な「ハリージ」という4種類のリズムをチームに別れ音を重ねると、グルーヴ感が出て教室がひとつになるのも感じました!
現地のお祭りなどでは同じリズムをずっと叩き続け、トランス状態までいくという話も納得ができます。
楽しくて「もっと叩きたかった〜」という感想が出るほど、”アラビック・リズム”に魅了された授業になりました。
(レポート:渡邉祥子・写真:奥住健一)