シブヤ大学

授業レポート

2016/6/30 UP

夏の準備は足元から!
~自分にぴったり合うサンダルを作ろう~


最近では、スポーツサンダルが人気あり、愛用されている方も多いですね。
でも、サンダルをお店で購入される際、気に入った商品が自分の足に合わなかった、「他の人と被った」といった経験をされた方もいらっしゃるはず。
だったら、最初から自分で作ってしまえたら良いかも?!何と授業で、自分の足にぴったりのサンダルを一から実際に作ってしまいました。



題材となったのは、メキシコの山岳民族が履く「ワラーチ」と呼ばれるサンダルです。そして講師には、ワラーチ制作のワークショップをご自身で開催されている塩屋隆之さんをお迎えしました。



まず、皆さんには制作キットをお渡しし、ワラーチに通し足を固定する紐の色を選んでいただきました。バリエーションも豊富で、皆さん完成のイメージを膨らませながら、真剣に吟味されていました。



授業の最初は、塩屋さんによるワラーチについての講義です。
ワラーチは元々、メキシコの山岳民族「タラウマラ族」が履いているサンダル。現地ではタイヤを切り出したりして作られています。そんな彼らランニングに長けており、何とワラーチを履いて険しい山の中を駆け抜けるのです!



全米ベストセラー書籍「BORN TO RUN」でタラウマラ族、そしてワラーチについて取り上げられると、日本のランニング好きの方にも、ワラーチが知られるようになります。今では実際に自分で作ったワラーチを履いて走る愛好家の方も多くいます。中にはワラーチで100kmのレースを走る方もいるとか!

ワラーチの材料ですが、土台のソールをゴムシートから自分で切り出したり、ビーチサンダルを流用したり、紐は真田紐や髪ゴムを使ったりと人により様々。紐の結び方のパターンも沢山あります。非常にカスタム性があり、作る人のこだわりや個性がかなり反映される、正に「自分だけ」のサンダルです。
塩屋さんも、そんなワラーチの魅力に魅せらせた一人。ワラーチを作ったことのない人にも広めたいし楽しんで欲しい。そんな思いから授業でも使用した初心者でも扱えるキットを考案し、ワークショップを開催されたりしています。

講義の後は、いよいよワラーチ作りです。まずはワラーチのソール用に自分の足をぐるっとなぞり、型紙をとります。



一旦形を取り終わったら、さらにサンダルの形らしくなるよう線を調整します。ワラーチの形が決まる作業なので、皆さん慎重にペンを進めていました。型紙がとれたら、ソールを切り出します。切り出し終わったら後で紐を通す位置へ穴あけ。この穴もくるぶしなど足の骨格を考慮しながら位置を決めているのです。



さらに足が乗る側へゴムシートを張り付けたら、いよいよ鼻緒と最初に選んだ紐をワラーチへ通します。塩屋さんが実践してくださるのをかぶりつきで学びます。塩屋さんは、するすると通されていましたが、実際にやってみるとこれがなかなか難しい。鼻緒は紐が余らないようきっちり「本結び」、足を固定する紐は計算された通し方。受講者の方も周りと教え合い、試行錯誤しながら仕上げていきました。



紐を通し終わったら、フィッティングをしていよいよ完成。ワラーチを履いて教室を歩き回り、紐が当たって痛いところは無いか?など微調整をします。上手く調整が完了したワラーチはかなり足にフィットするとの声がありました。

授業の最後には、ワラーチを履いて達成感あふれる記念撮影。スマートでかっこいいサンダルを一から作ってしまいました。皆さんお見事です!



既製品とは違い、サイズや形も自分に合わせられ、材料のカスタムも自由でこだわりを詰め込めるワラーチ。
一度作ってしまったら、ファッションはもちろん、ウォーキングやランニング、アウトドアと活用の場を広げられそうで、ワクワクします!



(レポート:小笠原あおい/写真:田中健太)