シブヤ大学

授業レポート

2007/7/31 UP

        

今回の授業の題材はハンディキャップサッカー(知的障害者サッカー)。
皆さんご存知ですか?
残念なことに、ピンと来ない人がほとんどでしょう。
僕もその一人でした。

授業が始まると、まず「プライドinブルー」と言う映画の予告編が流れました。この映画は知的障害者によるサッカー世界選手権に向かう日本代表選手を追ったドキュメンタリーです。

その後、山本先生、瀬戸脇先生、小澤先生、そしてもうお一方、横浜マリノスふれあいサッカーコーチの小林先生が教壇に上がりました。
小林先生はJリーグのチームで唯一、知的障害を持った選手のチームを持っている横浜マリノスの活動に長く携わってこられた方です。

ハンディキャップサッカーとは??こんな話から始まりました。
ハンディキャップサッカーと言われると僕らはなんとなく、試合時間が短かったり、人数が違ったり、ルールが違うのかなぁ?なんて考えがちではないでしょうか?
ところが、実際は何にも変わらないとのこと。さらに先生方は、「彼らは体格・スピード・パワーの面では健常者と全く違いがない。ただ、違うところは、テクニックや戦術を理解するのが少し遅いということだけなのです。」というお話をされました。

ハンディキャップサッカーに重要なことは、off the pitchからはじめること。全ては普段のコミュニケーションから始まっているのだということです。もちろん健常者の場合も大事なのですが、それ以上に障害者の場合には重要な要素となるのだとおっしゃっていました。

例えば、僕らは、ついつい障害者に対して、やたら優しい言葉使いをしたり、人によっては赤ちゃん言葉を使うようなこともあるかもしれません。しかし、先生たちのように現場にいる人は、そういうことを絶対にしません。先生曰く、「障害者にもプライドがあるからです。障害者もそういった対応しかされないことにプライドを傷つけられることがあるのです。」

on the pitchだけじゃなくoff the pitchにおいても、「一人の人として認めることから始まる。」と小林先生は言われました。

ハンディキャップサッカーはスポーツとしての役割だけではなく、選手の自立や社会生活へのステップにとしての役割も持っているのです。

練習に行くため電車に一人で乗る。保護者と離れ合宿に行く。
これは、保護者と離れることの少ない知的障害者にとっては大きな進歩です。また、厳しい練習や試合を通じて、努力することや協力することを学ぶのです。

最後に「僕らは、彼ら(障害者)の笑顔を見たくてやっている。その気持ちを大事にしたいと思っています。」と、瀬戸脇先生が言葉を添えました。授業の最初に見た映画の予告を思い出し、プロの顔をしていた選手たちの影には先生たちの支えがあるのだなぁ。と感じられました。

障害者を支える方法はいろいろあるようです。
その一つの方法、サッカーを通して障害者を支える方法「ハンディキャップサッカー」。
スポーツを通しての人間関係は障害者であっても深い絆となるのです。

「プライドinブルー」興味のある方は是非ご覧になってください。

先生方の現場の話を山本先生が鮮やかに聞き出す授業。
先生の話だけでなく、山本先生のプロの進行にも目を奪われる授業となりました。

(ボランティアスタッフ 田口真也)