シブヤ大学

授業レポート

2016/5/2 UP

もっと映画鑑賞を自由に!
君も、シブヤで映画祭を、つくらないか?!

今回講師として来てくださったのは、毎年10月に開催されている「東京国際映画祭」の作品選定ディレクターを務める矢田部吉彦さん。貴重なコメントを頂いたほか、東京国際映画祭の裏側を話してくださりました。 


 


全体は5部構成になっていて、


(1)  矢田部さんに訊いてみる


(2)  体験してみる 


(3)  映画祭部からの報告


(4)  お知恵拝借


(5)  振り返り  


という構成で行われました。


 


(1)「矢田部さんに訊いてみる」


矢田部さんと授業コーディネーターの松田高加子さんとのトーク形式で行われました。 


矢田部さんには映画祭の作品選定の準備についてや、企画の組み方、スタッフの役割配分など、詳しい内容まで話していただきました。


 


印象的だったのは、矢田部さんの「自分が客だったらこういう映画を観たいというお客さんの視点が大事」という一言でした。作品を選定する際にはそれを心掛けているそうです。


やはり商業目的だけではない、映画祭という特徴をいかに生かしていくか、ということは重要だそうです。


 


また、意外と知られていないようですが、「東京国際映画祭」は一般の方々も参加できる映画祭なんです。


やはり映画祭というと、セレブが行くイメージがあって、なかなか足が運べませんよね? 


ところがこの映画祭は、だれでも参加可能なので、もっとたくさんのお客さんに観に来てほしいとおっしゃっていました。 


 


総じて、矢田部さんの親しみやすい人柄がにじみ出るお話をたくさん聞けて、東京国際映画祭はニュースで見ただけであった自分も大変興味を持ちました。いや、持たされました。


 


(2)「体験してみる」


それではもし、自分たちが映画祭を作るとしたら?


第二部では、参加者の皆さんがディスカッションをする形式で行われました。 


映画館の設備や、食べ物、また映画館そのものの存在の意義といった、各人の興味のカテゴリーごとにグループ分けがされ、それぞれのグループで議論が弾みました。


 


アイデアとして、「映画祭をカンパ制にしたらいいのではないか?」とか、「屋外で映画祭をやって好きなところで映画を観られるようにできないか?」とかいった斬新なアイデアも出てきて、非常に面白いディスカッションでした。


議論が進んでいくにつれて、共感の声があちらこちらで聞こえて、みなさんが映画祭に求めていることは共通している、という印象を受けました。


 


(3)映画祭部からの報告


第三部はシブヤ大学映画祭部から、いま企画している映画祭の理念や活動内容、どういうことがしたいのかについてのお話がありました。


 


映画祭部はチームに分かれていて、コンテンツチーム、PRチーム、ファンディングチームなどがあり、それぞれのリーダーが自分たちの活動について熱く語りました。


 


コンテンツチームは、各コンテンツの企画・準備・運営をしています。


映画選定、ゲスト選定もこの部門に入るということで、企画に興味がある人にはお勧めだということです。 


 


PRチームは、認知拡大、集客を目的として広報活動を行っています。


ポスター、チラシなどのデザインのほか、SNSを中心とした広報活動、取材対応をしているそうです。 


 


ファンディングチームは、その名のとおり開催資金を集めることを目的としていて、コンセプトやストーリーの構築やリターンイベントの企画など、いかに人々を共感させるかが課題だそうです。


 


五月には映画祭のプレイベントが待っているそうなので、興味があれば参加してみると楽しいはずです。映画祭部の方々の熱意のこもった、おもしろい話を聞いていて、僕も参加したくなりました。


 


(4)お知恵拝借


第四部では、各チームに参加者が加わり、チームごとに出された“お題”について、ディスカッションをしました。


出たお題には、例えばコンテンツチームから「シブヤのオフィスで夜に映画祭をやるとして、ゲストはだれを呼びたいか?」といったものがありました。


各グループから面白いアイデアがでてきて、「映画祭をつくる」光景の一部を垣間見ることができた気がします。 


 


 


渋谷で映画祭をやる、そんな楽しいことが起きるのであれば、皆さんも参加したいと思いませんか?今回の授業で、様々な人が映画祭に興味を持って議論をしている様子を見ていて、これは絶対参加すると楽しいと思いました。コアメンバーになっている人たちも、お仕事の傍ら映画祭をじっくりと協力して作り上げているそうです。渋谷の近くに住む自分も友達を誘って、「気軽に」観に行こうと思います。



(レポート:日比野遼一・写真:藤木美沙)