授業レポート

2015/10/23 UP

感謝の気持ちとともに、物を買おう!

授業は先生が「フェアトレード」の絵本を読むところから始まりました。

今回の先生は、「フェアトレードガーデン世田谷」からの3名です。先生たちは前職のフェアトレード企業で出会い、今はそれぞれがママに。自分のこどもたちにもフェアトレードをわかりやすく伝えられるにはどうすれば良いのか、という発想から活動をスタートさせたそうです。

だからでしょうか、こどもたちに伝えるように、私たちにも絵本を使ってわかりやすく教えてくれます。


蚕の繭や本物の綿の実を出してくれたり、それを実際に触わらせてくれたり。


「綿の実から綿を取るのは、案外難しいんですよ。実際にやってみてください。」ということで実際やってみたものの…。本当に取るには結構力が必要でした…(驚)ただ、実際に触れることで、イメージがどんどん膨らんでいきます。こどもたちも実際の綿の実を触わって「わー!」と大盛り上がり。まさに、想像力が鍛えられそうです。


ここから糸が作られて、糸から洋服が作られている。
良く考えると、とっても時間も手間もかかること。
私たちが何気なく着ている洋服も、どこかの誰かがこの手間暇をかけて作ってくれたものなんだ、とハっとします。
あって当たり前のものが、実は多くの人たちが関わって私たちの元に届いているんだという事実がとっても有難く感じます。先生は絵本の中で、子供にも分かりやすく「まっしろ工場」と「まっくろ工場」2つの工場を例えにしてフェアトレードを説明してくれました。絵本はある外国のお話。
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「まっくろ工場」では、安くて早く服を作ってくれます。一方で「まっしろ工場」では、同じデザインの服でも手間暇かけて作られているので期間もお値段も「まっくろ工場」の2倍はします。でも、その服の作り方は素材から作る人の負担までまったく違いました。「まっくろ工場」では、大人から子どもまでが朝から晩まで働いてお給料もわずか。子どもも学校に通えません。綿を作っている農園も農薬をいっぱい使っているので働いている人も農薬の影響で頭痛がしています。
「まっしろ工場」では、無農薬で綿を育て、職人がひとつひとつ手作業で布や服をつくっているので、手間も暇もかかりますが、みんな笑顔で働いています。お休みもちゃんとあって、お給料もちゃんともらえています。子どもも学校に通っています。主人公は、「まっしろ工場」でTシャツを作ってもらい、それを着て街を歩きました。
そうすると世界中にそのTシャツの良さがひろがり、「まっしろ工場」に注文が増えて「まっくろ工場」で働いている人たちも「まっしろ工場」で働けるようになりました。やがて「まっくろ工場」も働くひとや畑にやさしい工場に変わりました。
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絵本の中の様に、人や地球にやさしい方法でモノを作ったり・売ったり・買ったりする仕組みを「フェアトレード」と言います。
フェアトレードで買えるものは、バナナ・洋服・チョコレート・コーヒー・紅茶・お花・サッカーボール等々世界中から様々なものが届けられています。
「フェアトレード」の商品には、フェアトレードと書いてあったり、下の様なマークがついています。
今度、皆さんも買い物をする時に探してみましょう。フェアトレードの商品を買うことは、人も地球も、作る人・売る人・買う人、皆が笑顔になる買い物なんですね。
実際に、マークのついている商品を見てもらったりテーマによってクラフトワークを使ったりと「聞いて・感じて・体感してもらう」をセットに子どもに伝えているのだそうです。
その後、絵本の中で紹介された「まっくろ工場(フェアトレードでない工場)」と「まっしろ(フェアトレードの工場)」の違いを
ひとりひとり付せんに書き出し、ホワイトボードに張り出しました。
それらの付せんを先生が紹介しながら、フェアトレードについてさらに詳しく教えてくださいました。


 【フェアトレードをもっと知ろう】
  ・フェアトレードとは
  ・ファアトレードの必要性がわかる 世界での出来事(映像を見ながら)
  ・フェアトレードのしくみ
  ・フェアトレードに認定されるまで
  ・フェアトレードの市場
  ・活発化する企業の動き(CSRからCSVへ)
  ・今後期待できることと課題

フェアトレードって、意識の高い人たちが社会貢献の一環として必死に活動しているイメージ。そんな風に思っている方が実は多いのではないでしょうか。でも実はそんなにハードルの高いものではなくて、今の生活で十分すぐに取り入れられるものなんです。
例えば、このフェアトレードマーク

  


買い物の時に、こどもと一緒にこのマークを探しながら買い物をしたり、作った人を応援しよう!と商品を買ったり、ゲーム感覚で始められるものでもあるんです。
世の中に溢れる安価な商品のなかには、子どもたちが学校にも行けずに働いて作られているものもあります。それを知ったら日本のこどもたちは欲しいと思うでしょうか。
「自分たちが買ったもので、同世代の世界のこどもたちが学校に行けるかもしれない」。そんな風に思えたら、友だちを応援する気持ちで買い物ができるようになるかもしれません。


・ファアトレードの必要性がわかる 世界での出来事について
https://www.youtube.com/watch?v=-sttiTxgVls
2つ目の項目では、2013年4月に発生したバングラディッシュのラナプラザ崩壊事故をケーススタディにフェアトレードの必要性を考えました。

耐久性に疑問のあるビルで働いていた縫製工場の労働者達が崩壊の危険を感じ働くことを拒否したにも関わらず、半ばオーナーが脅迫的に働かせた結果、ビルが崩壊し負傷者が数多く出ました。その縫製工場の大元の発注主のなかには、多くの有名なファストファッションのメーカーが含まれていました。当初は責任を認めないメーカーもありました。責任を認められた今でも、補償金の支払いはまだ全て完了しておらず、犠牲者の家族は生活に苦しむ問現実が続いています。

ただ、このような事故を2度と起こさないようにとILO(国際労働機関)が中立的な議長となりバングラデシュの火災予防や建物の安全性についての協定ができて20ヶ国100以上の企業が署名しています。
このことから分かることは、安全性や労働者の権利よりも短い納期や安価が優先されているということが見えてきます。

最近では、企業のコンセプトもCSR(企業の社会的責任)からCSV(共通価値の創造)に移行しているといいます。企業による慈善活動的な社会貢献だけでは、新たな価値創造や社会変革を起こすことはできない、企業が本来のCSRを忘れずに、CSVに取り組むことが新たな市場を創出し、製品やサービスに付加価値を生み出す可能性につながる、という考え方です。CSVに特化しているビジネスの中に、フェアトレードは位置づけられます。フェアトレードは倫理的な役割を果たす側面だけでなく、貧困を解決するための仕事を作り出す、という側面もあります。
フェアトレードの普及にはまだまだ課題も多いですが、大切さと難しさ、この両方を我々が認識して、少しでも行動に移し、遠くない未来ではフェアトレードという言葉が無くなるくらい当たり前になると良いなと思いました。


最後に、フェアトレードをこども達に伝える意義を改めて先生から聞きつつ、みんなで振り返りをしました。

・自分自身の理解が深まったという人、
・こどもに伝える立場の人がさっそくやろうと決めたこと、
・自身の活動の企画に取り入れようと考えた人、
・職場にある偏見を少しでも改善できないかと考えた人…など

振り返りが終わるころには、参加者同士が連絡先を交換するなど、新たなつながりが生まれていく予感も。
参加したこどもたちが大きくなるころには、日本でもフェアトレードが当たり前の世の中になっている世の中になっていますように。そのために自分ができることを、今からやろうと心から思いました。みなさんも友だちを応援するつもりで買い物をしてみませんか?

「フェアトレード」とは、実は当たり前で思いやりある消費行動。
フェアトレードから、こどもたちにサバイバルする知恵をつけてもらって、エンパワーメントになってもらいたい
買い物は投票と同じです。


(写真:田中 健太 / レポート:天住 貴子)