シブヤ大学

授業レポート

2007/6/21 UP

「人を生かす言葉。」

かわいらしい刺繍の入ったピンクの上着。カラフルなペンでイラストが描かれた上履き。
普段お仕事をしているそのままの格好で迎えてくれた今回の先生は、現役の幼稚園教諭である森川祐美子先生。生徒さんが教室に入るたびに明るく笑顔で迎え入れる森川先生は、ふと、自分が幼稚園生だった頃の、いつも笑顔で優しくて大好きだった先生を思い出させるほどでした。

今回、人を育てるプロである森川先生から「相手を生かす」コミュニケーション・メソッドについて教えていただけるということで、さまざまな立場から興味を持った生徒さんが集まっていました。そんな少し緊張気味な皆さんと、まずは自分のチャームポイントを添えての自己紹介タイムから始まりました。
普段お母さんをしている人、学生をしている人、団体のまとめる立場の人、女性も男性もいる中で、続いては「昨日もやりました!」という普段子ども達と実際に行っているゲームを開始。「猛獣狩りに行こーぉよっ!!」と元気よく拳を掲げながら先導を切る森川先生に皆さんもどんどん打ち解けていき、ゲームが終わる頃にはみんな笑顔になり自然に生徒さん同士で会話が生まれるほどでした。

おえかき帳を使って話す森川先生を丸く囲んでの授業。先生の普段のお仕事の様子や、子どもとだけでなく保護者、また保育者同士との接し方について実体験を交えてお話いただきました。保育者とは、「サポートのプロ」であると森川先生は言います。スポンジのように色々なものを吸収できる子どもに対して、それを愛情でいっぱいに溢れさせることは大人の役割。そしてそれをより身近な立場で先生達はサポートしていくそうです。

続いてはグループワークです。人に言われて傷ついた言葉。またその時、どういう言葉だったら傷つかなかったと思うか。グループで話し合い発表しました。
調子が悪い時などにとっさに出てしまう、相手を傷つける言葉。誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。そしてそんな時って自分でも後で後悔してしまうんですよね。でも言ってしまった言葉は取り返せません。「そんな時はぐっと堪えて、一呼吸置いてみましょう。相手にも、自分にもプラスになる言葉を探してみてください。」と森川先生はおっしゃいました。「相手にとってプラスの表現をすること。相手を思って言う言葉というのは、人を生かす言葉なんです。身近な人が自分の一言で変わってくれたら。という想いで人に接してみてはいかがですか?」

子どもとの生活、保護者、また保育者同士との普段の関わりで森川先生が感じるというコミュニケーションのメソッドを7つ紹介します。

①スタートは笑顔から。
②ほめる=のびる
③やる気を見逃さない
④心の器をからっぽに
⑤親が変われば子は変わる
⑥人に言う前に自分で行動する
⑦みんなで見ればこわくない

子どもも大人も笑顔で気持ちよく過ごせる言葉や気持ちの伝え方を、まるで子どもに話しかけるかのような優しい口調で私達に教えてくれた森川先生。自分が「育てる」立場に立ったときのヒントをばっちり習得できた授業でした。

(ボランティアスタッフ 嶋村千夏)