シブヤ大学

授業レポート

2015/1/21 UP

「デザインする」ということについて
 〜形をつくる前に何をするか?〜

【私の「まなび」】


•人に伝える時、言葉で伝えるよりも紙に書いて形で表して伝えた方が分かりやすい。
•デザインを形作る時、小さな事でもとにかく思いついた事を表現する事で新しいものが生まれる。
•議論をしていく中でこの案は今回と違うと思うものがあれば早目になくしておく。



【先生の「ことば」】


「言語化されていない事をコミュニケーションを上手く使って形にして洗い出す」
「人間は形にならないと理解しにくい」
「トライアンドエラー」
「早目の失敗をする」
「色々な方向性からアイデアが生まれる」




【授業の感想レポート】


天気の良い土曜日!斬新なアイデアやデザインを考えたりする上では絶好の気候なのでは?
そんな中で今回の授業が始まりました。


〜デザインの良いものを紹介しあう〜
まずは、アイスブレイク!各自2人組を作り自分がデザインの良いと思ったものを紹介し合います。少し変わったイスや、携帯電話のアイコンなどモノに限らず身の周りにはデザインで溢れていることを再認識し、授業が始まりました。


〜今回の先生(佐伯先生)紹介〜
佐伯先生はご友人と2人でデザインユニット「black*bath」として活動されているデザイナーです。印刷、映像関係、UI/UXデザイン、また最近ではチョコレート工房のトータルデザインなど、ジャンルを問わず幅広いデザインを担当されています。
佐伯先生がデザインの仕事を始めたきっかけとして、良いデザインに触れた時の感動を誰かと共感したいと思ったことだそうです。もちろん、共感してもらうことは簡単な事ではなく、難しくて何度か心が折れたそうです。ですが、徐々にクライアントのコンセプトを理解し、それをデザインに落としたたものに共感を得られるようになり、現在プロのデザイナーで活躍しています。


〜デザインのプロセスの説明〜
デザインを行う上で、まず順序立てをしアウトプットしていく事が重要。

▼ 主なプロセス:
 1 デザイン対象の観察とクライアントにヒアリング
  ここで、様々な事を伺っておく事が重要。モノだったら何に使うもの?誰が使うもの?など
  言語化されていない事をコミュニケーションを通じてとりあえず言葉として洗い出す事をが重要。
  伺う事でクライアントの目的に少しでも辿り着く事ができる。
 2 キーワード•アウトプット
  1で集めた言葉からキーワードを抽出する。
  キーワード同士を組み合わせていき「マインドマップ」にすると分かりやすい。
 3 プロトタイピング
  具体例に形に現す。ここで始めて形になり理解へと繫がる。

今回、佐伯先生は上記のプロセスに沿って、チョコレートの型のデザイン依頼を例にして教えて頂きました。


〜ワークショップ〜
ロゴを作るプロセスを体験してみる。

先ほど教えて頂いたステップを基にして、ロゴを作るプロセスについて今回は体験します。ワークショップが始まる前に先生からこんな事を教わりました。

そもそもなぜ?ロゴが存在するのか?
人間の第一印象は視覚に寄るところが大きく、多くの人に理念やコンセプトを伝えるにあたって、ロゴとしてシンボルにまとめるのが有効。なので、ロゴはブランドの人格や良いところ・大事にしたいことなどに光を当て、本質的な部分をすくいとっていくことが大事。そうして、ロゴはブランドの根幹になっていく。

ロゴの存在意味も分かった所でワークショップに入りました。

▼ 今回の流れ:
 1 チームで一つのロゴを完成させる
 2 ロゴの絵柄が上手や下手という事ではなくプロセスを学ぶ
 3 仮想クライアント(3名)から様々な要求をヒアリングしプロトタイプをつくる
 4 話し合いをし、形にしたものをクライアントにプレゼンする
 5 クライアントからフィードバックを受けた後は再びプロトタイプをつくる
 6 4と5を繰り返す

▼ ポイント:
 1 キーワードを洗い出す時には些細な言葉でもいいので沢山書くことが重要
 2 抽象的な言葉は形にしやすい言葉に置き換えてアウトプット → 言葉で交わすよりも形で表して考える方が早い
 3 様々な方向性の考え方からアイデアの精度が上がっていく

上記の手順で参加者の人達はあれでもないこれでもないと一生懸命考えていました。プロセスの中で大きく問題になるのが、クライアントから「これはない」と言われる案が出てきた場合です。しかし、早目に方向性の違いに気づくことで精度が上がるため、捨てる事もとても重要となるそうです。今回ワークショップをする上で参加者の様子を見て先生は、皆さんの様子がデザイナーそのもので、見ている自分も楽しい。とおっしゃっていました。

授業後に先生は、新しい発見や気付きが見つかるものとして、言語を越えるデザインが必要と言っていました。
皆さんも素敵なデザインLIFEを送ってみては?


(写真:池田 愛 / レポート:中園 拍扶紀)